ついにオリンパスのハイエンドモデル「OM-D E-M1X」が発売されましたね。前回は購入初日にイルミネーションで手持ちハイレゾを使ってみましたが、今回は高解像フルサイズセンサーを搭載するNikon Z 7と撮り比べて手持ちハイレゾのパフォーマンスを確認します。
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E-M1X(ハイレゾ)・Z 7 撮り比べ
使用機材
- OM-D E-M1X+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4 IS PRO or LEICA DG 8-18mm F2.8-4
- Nikon Z 7+NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
ファイルサイズ
E-M1X (手持ちハイレゾ RAW) |
Z 7 (ロスレスRAW L) |
|
画素数 3:2 | 8160×5440 | 8256×5504 |
ファイルサイズ RAW | 39.5MB | 59.0MB |
似たような記録画素数ですがファイルサイズは2/3程度に抑えられている模様。
作例その1
元の画像
左(E-M1X):右(Z 7)
Nikon Z 7のホワイトバランスが「オートA1(雰囲気を残す)」のままで、若干寒色ですが今回はディテールやマイクロコントラストの話となるので割愛。
同時にハイライトやシャドーの復元力も比較するためRAW現像時にハイライトとシャドーをそれぞれ-5・+5に振り切って設定。
拡大その1
コントラストは比較的Z 7が良好。これがレンズの差なのか手持ちハイレゾの限界なのか判断できませんが、微妙にマイクロコントラストが弱い。
LUMIX G9とE-M1 Mark IIのハイレゾを比較した際も似たような甘さを感じたのでボディ側の問題である可能性あり。とは言え、RAW現像時にシャープネスやコントラストを調整することである程度補うことが可能。
拡大その2
現像時にシャドーを大きく持ち上げた箇所。
今回のシーンではどちらも画質低下が見られず良好なパフォーマンスを維持していますが、木のディテールに僅かな差があります。
コントラストとシャープネスを気持ち高めておくと丁度良さそう。
拡大その3
ハイレゾショットの欠点である「動体の写りこみ」が発生している箇所。車が動き始めたところらしく、微妙に合成結果が僅かに破綻しています。
他のクロップと同じく、マイクロコントラストはZ 7のほうが強めで解像感が高い。このあたりはさすがフルサイズ4500万画素+最新NIKKORレンズ。
作例その2
OM-D E-M1X
LEICA DG 8-18mm F2.8-4(@8mm F8 ISO400 手持ちハイレゾ)
1世代前の1600万画素センサーでは恐らく使い物にならないであろう程に暗部を持ち上げていますがまだまだ実用的な画質を維持しています。
この持ち上げ量で色被りしていないのは感動的。E-M1Xが持つダイナミックレンジを十二分に活用することが出来そうです。
Nikon Z 7
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S(@24mm F8 ISO 100)
さすがのフルサイズ。色ノイズはそれなりに発生し、コントラストや発色が低下しているものの、ディテールはしっかりと生き残っています。ワンショットでこのRAWファイルを生成できるのは凄い。
E-M1Xと比べて少しハイライト寄りの露出となっているので、これをシャドー側に寄せるとノイズは改善が期待できます。
ニコンのベースISO感度は比較的シャドー重視のダイナミックレンジとなっているので白飛びしやすい点に注意。ハイライト重点測光を利用すると強制的に白飛び予防重視の測光となりますが、極端な露出となる場合があったりする。もう少しマイルドな効き目の白飛び予防機能があると良いのだけど…。
拡大
カラーノイズは後処理しやすいので割愛。そこを差し引いてみるとほぼ互角。
ハイレゾ凄い、と言うべきか、フルサイズ凄い、と言うべきか判断が難しいところ。どちらも凄い。
比較を終えて
明らかに動体(特に生物や人工物)向けの機能ではありませんが、自然風景や建築物などでは高画素フルサイズに匹敵するようなパフォーマンスが得られるはず。
現状で32万円のE-M1Xを買うくらいならフルサイズ一眼のD850やZ 7、より安価なα7R IIやPENTAX K-1 Mark IIなどの選択肢もあるでしょう。ただ、12-100mm F4 IS PROのような(フルサイズと比べて)小型軽量なレンズと組み合わせてこのようなパフォーマンスを発揮できるのがポイント。システムサイズが小さく、持ち運ぶレンズは少なくて済む。
個人的にどちらを選ぶか?と言うと…
観光地など人の写りこみが不可避なシーンではワンショットで高解像なフルサイズ、一人でじっくり撮影するなら高機能なE-M1Xをチョイス。
今回使用した機材
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