パナソニック「LUMIX DC-L10」のレビュー第五回 ボケ編を公開しました。
簡易的なまとめ
普段からミラーレスカメラのレンズでボケを見慣れている人からすると、なんてことの無い質感です。さらに、センサーサイズは4/3型を少しクロップしているので、マイクロフォーサーズよりもボケにくい。
とは言え、沈胴式ズームレンズを搭載したコンパクトカメラから得られるボケとしては良好な部類。特に1型センサーのコンパクトカメラと比べると、良好な質感と大きなボケに違いなし。
(同価格帯のX100 VIなどと比べると不利。だってAPS-C F2.0 単焦点レンズですもの)
実写でボケの質感に関して不満を感じるシーンは多くありませんでした。必要な時は絞りを開けて撮れば綺麗に写り、優先順序が低い時はボケが小さくで気になりません。ごく稀に騒がしく感じる場合もありますが、絞ることで改善します。
For those who are used to seeing bokeh from mirrorless camera lenses, the quality of this bokeh is nothing special. Furthermore, since the sensor size is a slightly cropped version of the 4/3-type, it produces less bokeh than Micro Four Thirds.
That said, it’s still among the better examples of bokeh you can get from a compact camera equipped with a retractable zoom lens. Especially when compared to compact cameras with 1-type sensors, there’s no doubt it offers good quality and generous bokeh.
(It’s at a disadvantage compared to cameras in the same price range, like the X100 VI—after all, that’s an APS-C F2.0 prime lens.)
In actual shooting, there weren’t many scenes where I felt dissatisfied with the bokeh quality. When needed, opening the aperture produces beautiful results, and when bokeh isn’t a priority, it’s subtle enough not to be distracting. Very rarely, it can feel a bit noisy, but stopping down the aperture improves this.
*当ブログのレビューは冒頭に断りが無い限り、自費購入となっています。
LUMIX L10のレビュー一覧
- LUMIX L10 レビューVol.5 ボケ編
- LUMIX L10 レビューVol.4 諸収差編
- LUMIX L10 レビューVol.3 解像チャート編
- LUMIX L10 レビューVol.2 遠景解像編
- LUMIX L10 レビューVol.1 外観・操作・フォーカス編
Index
前後ボケ
綺麗なボケ・騒がしいボケとは?
綺麗なボケとは、輪郭が目立たず、背景がなめらかに溶けるような描写。被写体が背景から自然に浮かび上がり、見る人の視線を主題へ導きやすい。ポートレートや花の撮影で好まれることが多く、「柔らかいボケ」「なめらかなボケ」と表現される場合もある。
騒がしいボケとは、背景の輪郭や模様が強調されて見えるボケ。木の枝や葉、フェンスなど細かな模様が二重線になったり、ざわついた印象になったりする。背景が目立ちすぎるため、主題への視線が分散することがあります。
ボケの良し悪しは単純に明るいレンズほど優れるわけではなく、球面収差の補正状態やレンズ構成、絞り羽根の形状などによって変化します。また、撮影距離や背景との距離によっても印象は大きく変わります。
ボケの評価には好みも大きく関係。一般的にはなめらかなボケが高く評価されることが多いものの、被写体や作品の雰囲気によっては、少し騒がしいボケが独特の立体感や個性を生む場合もあります。そのため、ボケの質はレンズの性能だけでなく、写真表現の一部として捉えることが重要。

24mm
軸上色収差の影響が僅かにありますが無視できる程度。ボケの質感は前後に差が少ないニュートラル寄り。ただし、後ボケが少し柔らかく、前ボケが少し硬い。
後ボケ
前ボケ
50mm
ズーム中間域は前後ボケ質の差がほとんどありません。軸上色収差も良好に補正されています。
それじゃあ綺麗なボケか?と言うとそうでもなく、部分的に過補正だったり補正不足だったりするためか、微ボケが少し騒がしい印象。沈胴構造のコンパクトなズームレンズらしく、若干無理している感あり。
後ボケ
前ボケ
75mm
軸上色収差の影響はありません。前後ボケ質は広角側と傾向が逆。後ボケは少し硬く、前ボケが少し柔らかい。75mmの前ボケはこのレンズで最も自然で滑らかな描写。これが後ボケだったらと思うと惜しい。ただし、撮影距離によっては傾向が反転する可能性あり。(参考:下記「玉ボケ」)
後ボケ
前ボケ
玉ボケ
口径食・球面収差の影響
玉ボケとは、背景や前景にある小さな光源が、丸い光の円として写るボケ表現のこと。夜景のイルミネーションや木漏れ日、水面の反射などでよく見られる。一般的に、明るいレンズほど大きな玉ボケを作りやすく、背景を印象的に演出できるため、ポートレートやスナップ撮影で人気がある。
理想的な玉ボケは、円形で輪郭が目立たず、内部の明るさが均一な状態で。しかし実際にはレンズ設計の影響により、さまざまな特徴が現れることがある。例えば、輪郭が明るく縁取られた玉ボケは背景が騒がしく見えやすく、内部に同心円状の模様が現れるものは「玉ねぎボケ」と呼ばれる。
- 影響が強い
- 影響が弱い
また、画面周辺では玉ボケが円形を保てず、楕円形や猫の目のような形に変形することがある。これは周辺部で光が一部遮られるためで、「口径食」と呼ばれる現象によるもの。
- 前ボケ
- 後ボケ
24mm
縁どりが少し残る描写ですが、玉ねぎボケや口径食は穏やかで目立ちません。口径食はF2.0まで絞るとほぼ解消します。

50mm
絞り開放から口径食の影響は穏やかで目立ちません。

75mm
縁どりが弱い滑らかな玉ボケ。口径食の影響が少しありますが、大部分はほぼ円形を維持しています。

ボケ実写
24mm
近距離では適度に滑らかで綺麗なボケ。撮影距離が長くなると、周辺で縁取りや口径食が目立つボケが発生します。
近距離以外は球面収差の変動で騒がしくなる印象。この場合は少し絞ると改善。F2.8-4.0まで絞ると全体的に無難な描写。フレームに全身を入れるような場合、背景の大きなボケは期待できません。
50mm
全体的に滑らで綺麗。広角側よりもフレーム周辺・隅の描写が綺麗。撮影距離が少し長くなっても問題ありません。撮影距離に関わらず使いやすい。
75mm
近距離は滑らかで綺麗ですが、撮影距離が長くなると縁取りが目立つようになります。それでも、人物や大型動物などを撮影する場合を除けば、ボケが欲しい時に十分な質感のボケが得られるはず。
まとめ
普段からミラーレスカメラのレンズでボケを見慣れている人からすると、なんてことの無い質感です。さらに、センサーサイズは4/3型を少しクロップしているので、マイクロフォーサーズよりもボケにくい。
とは言え、沈胴式ズームレンズを搭載したコンパクトカメラから得られるボケとしては良好な部類。特に1型センサーのコンパクトカメラと比べると、良好な質感と大きなボケに違いなし。
(同価格帯のX100 VIなどと比べると不利。だってAPS-C F2.0 単焦点レンズですもの)
実写でボケの質感に関して不満を感じるシーンは多くありませんでした。必要な時は絞りを開けて撮れば綺麗に写り、優先順序が低い時はボケが小さくで気になりません。ごく稀に騒がしく感じる場合もありますが、絞ることで改善します。

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