キヤノン「EOS R7」のレビュー第六弾を公開。今回は解像力チャートや実写サンプルでEOS R5や競合機種との結果を見比べてながらEOS R7の解像性能についてチェックしています。
EOS R7のレビュー一覧
- キヤノン EOS R7 徹底レビュー 完全版
- キヤノン EOS R7 徹底レビューVol.8 カスタマイズ編
- キヤノン EOS R7 徹底レビューVol.7 AF・MF編
- キヤノン EOS R7 徹底レビューVol.6 解像性能編
- キヤノン EOS R7 徹底レビューVol.5 ISO感度編
- キヤノン EOS R7 徹底レビューVol.4 ダイナミックレンジ編
- キヤノン EOS R7 徹底レビューVol.3 メニュー編
- キヤノン EOS R7 徹底レビューVol.2 ドライブ編
- キヤノン「EOS R7」徹底レビューVol.1 外観・操作性編
- キヤノン EOS R7 ハンズオン 外観と起動時間やシャッター音の確認
解像性能
チャートテスト
レンズテストで恒例の解像力チャートを使用してEOS R7の解像性能をテストした。使用レンズはSIGMA 70mm F2.8 DG HSMで統一している。
このチャートの解像上限は4700付近だ。EOS R5は上限に近い数値まで解像していることが分かる。EOS R5には及ばないが、少なくとも3000万画素のEOS Rと比べて良好な結果が得られている。ただし、R7は絞ると回折の影響で解像性能が徐々に低下。特にF8以降には顕著な低下が見られるので注意が必要だ。F11以降はEOS Rと結果が逆転するので、絞り過ぎには気を付けたい。
同じテスト環境で絞りを固定し、ISO感度ごとに測定した結果をグラフにした。ベースISOからISO 800までは良好な解像性能を発揮している。この際のパフォーマンスはEOS R以上であり、競合機種となる富士フイルムの2600万画素センサーよりも良好だ。ただし、ISO 1600から解像性能の低下が始まり、ISO 3200に向かって急速に数値が下がってゆく。ISO 6400以降はノイズが多すぎて測定不能だった。X-S10はこの点でノイズを良く抑え、ISO 12800までEOS Rとよく似た結果が得られている。
モアレ
競合他社はローパスフィルターレスが主流となりつつあるが、キヤノンはローパスフィルターを採用し続けている。このため、ディテールはローパスフィルターレスほどではないかもしれないが、モアレは確実に抑えられている。ただ、富士フイルムが独自配列である「X-Trans」のCMOSセンサーはローパスフィルターレスながらEOS R7並みだ。解像限界を超えた先で発生する色付きも良く抑えられている。
EOS R7 | X-S10 |
実写テスト
このテストではEF-Sレンズの中では特に解像性能が高い「EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM」を使用している。解像性能はF2.8からF8まで一貫しているが、F11以降で回折の影響が顕著だ。ディテールが目に見えて低下するので、細部を重視するのであれば、絞りはF8付近までを目安に抑えたほうが良い。
全体 | |||
F2.8 | F4.0 | ||
F5.6 | F8.0 | ||
F11 | F16 | ||
F22 | F32 |
EOS R5との比較
EOS R5との比較では、定点から「SIGMA 70mm F2.8 DG HSM」を使用して同じ個所をクロップした。当然ながら、APS-Cフレームでより高解像なEOS R7のほうが解像していることが分かる。ただし、同じ被写体を同じ構図で撮影して見比べたとしても、解像性能の差はわずかに見える。RFレンズのAPS-Cクロップを前提として、EOS R7の購入を検討しているのであればおススメしない。また、回折の影響を受けやすく、F11まで絞るとEOS R7の高解像を活かしきることが出来ない。
EOS R7 | EOS R5 | |
F2.8 | ||
F5.6 | ||
F11 |
まとめ
低ISO感度を利用することで、APS-Cとしては非常に良好な解像性能を得ることができる。当然ながらレンズ側に要求される解像性能も高くなる点に気を付けておきたい。また、ISO感度が高くなると、徐々にパフォーマンスが低下し、高ISO感度では2600万画素の富士フイルムセンサーと立場が逆転してしまう。ノイズ処理次第では良好となるので、カラーノイズ補正は外さないようにしておこう。また、影響を受けやすい絞り過ぎによる回折も避けたいところだ。
2400万画素クラスと比べると「お作法」が求められるセンサーだが、解像性能が良好である点に違いは無い。ただ、解像性能の観点だけでEOS R7を購入するにはパンチが足らない。既にEOS R5を所有しているのであればEOS R5のAPS-Cクロップで十分と言えるし、競合他社と比べて解像性能の優位性は限定的だ。ローパスフィルターはモアレや偽色の効果的な抑制が可能だが、X-Trans CMOSと比べて強みがあるわけでもない。
それでも、EOS R5以外のキヤノンユーザーであれば、EOS R7の解像性能が役に立つ人は多いと思う。手持ちのRFレンズ・EFレンズをAPS-Cクロップで最も解像させることカメラであり、望遠レンズやマクロレンズと組み合わせることで有効活用することが出来る。
参考情報
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作例
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