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パナソニック LUMIX S 26mm F8 レンズレビューVol.1 外観・操作編

パナソニック「LUMIX S 26mm F8」のレビュー第一弾を公開。カジュアルでコンパクトな広角単焦点ですが、価格を考慮すると割り切りすぎた仕様のレンズと感じました。

今回の簡単なまとめ

従来のLUMIX Sシリーズレンズとは一線を画す、カジュアルでコンパクトな広角単焦点レンズです。3万円の単品価格を考慮すると、レンズには「MF限定」「F8固定」「自動アシスト非対応」「ピント距離表示非対応」など制限が多め。今のところ本レンズに代わる選択肢がLマウントに無いのは確かですが、気軽におススメできる価格ではありません。LUMIX S9購入特典として入手するのが無難。

とはいえ、しっかりとした光学系を搭載しているので、欠点を理解して購入するのであれば満足のいくレンズと感じるかもしれません。

A casual and compact wide-angle single focal length lens that sets itself apart from conventional LUMIX S series lenses. considering the 30,000 yen single lens price, the lens has many limitations such as "MF limited," "F8 fixed," "no auto assist," and "no focus distance indicator. There is no alternative to this lens in L-mount at the moment, but it is not at a price that we can casually recommend; it is safe to get it as a bonus for purchasing LUMIX S9.

Nevertheless, it has solid optics, and you may find the lens satisfactory if you purchase it with an understanding of its shortcomings.

LUMIX S 26mm F8のレビュー一覧

まえがき

LUMIX S9と共に正式発表されたフルサイズ対応の広角単焦点レンズ。一般的な交換レンズとは異なり、MF限定で絞りはF8に固定されています。いわゆる「ボディキャップレンズ」のような仕様ですが、搭載している26mm F8の光学系は5群5枚で、そのうち一枚にUEDレンズを採用した本格的な設計となっています。

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  • 発売日:2024年6月20日
  • 予約開始日:2024年5月29日10時
  • 希望小売価格:3万1900円
  • フォーマット:フルサイズ
  • マウント:Leica L
  • 焦点距離:26mm
  • 絞り値:F8固定
  • 絞り羽根:-
  • レンズ構成:5群5枚
  • 最短撮影距離:0.24.9
  • 最大撮影倍率:0.14倍
  • フィルター径:-
  • サイズ:φ67.1×18.1mm
  • 重量:58g
  • 防塵防滴:-
  • AF:MF限定
  • 手ぶれ補正:-

価格のチェック

小売店での売り出し価格は2万8710円で、ボディキャップレンズとしては決して安くない値付け。他社なら手頃な価格のF1.8・F2.8 AFレンズを購入可能な価格です。LUMIX S9の購入特典として入手する人も少なくないかと思いますが、果たしてレンズ単体3万円弱で購入する価値があるのかどうか気になるところ。

外観・操作性

箱・付属品

ぱっと見は他のLUMIX Sシリーズと同じ。黒を基調として赤ラインのシンプルなデザイン。箱のサイズはテレコンバージョンレンズのように小さく、交換レンズが入っているとは思えないほど。レンズ本体の他に付属品は非常に少なく、レンズリアキャップと説明書・保証書のみ。注意点としてレンズ前面を保護するキャップはありません。

外観

レンズマウントやフォーカスリングを含めて、全体的にプラスチック製。高級感のある作りではありませんが、同じくプラスチック感の強いLUMIX S9とは一体感があります。製造国とシリアルナンバーはマウント面に記載。中国製。

非常にシンプルな外装。焦点距離のロゴとマウント指標以外は加工無しでプリントされたもの。

ハンズオン

総プラスチックパーツと言うこともあり、レンズは58gと非常に軽量。ボディキャップレンズと言っても差し障りないくらいには軽いです。正直なところ質感もボディキャップ並。

前玉・後玉

最前面についているのは保護ガラスと思われ、鏡筒内に光学系を収納。前方にフィルターなどを装着することはできません。保護ガラスが傷ついてしまっては本末転倒となってしまいそうですが、保護ガラスの素材は不明。レンズ収納時や運搬時は前方を保護しておきたいところ。オリンパスのボディキャップレンズ(5000-8000円)のように、フォーカスリングを過回転させるとレンズガードが展開する設計だと良かったです。

保護ガラスの内側にある光学系はフォーカシングによって前後に移動します。

レンズマウントは前述したとおりプラスチック製。金属製ほど強度は無さそうですが、小型軽量な本レンズなら特に問題無さそうに見えます。電子接点を備えており、カメラ側にレンズ情報の伝達が可能。これにより、ボディ側手振れ補正が適切に動作し、撮影した写真にはレンズ名の情報が正確に付与されます。その一方、距離エンコーダーは非搭載なのか、MFアシストでピント距離をライブビューに表示することはできません。また、自動拡大にも非対応。

フォーカスリング

鏡筒前方に備わっているフォーカスリングを操作することで、繰り出し式フォーカスが0.25mから∞の間で移動。∞側はオーバーインが大きいため、何も見ずに操作するとピントが合っていない遠景写真を量産してしまうかもしれません。

装着例

LUMIX S5IIに装着。ほとんど重量を感じさせない、非常に軽量でコンパクトなレンズ。フォーカスリングを適切に操作できますが、やはり自動アシストや拡大、ピント距離表示には非対応。

MF

フォーカススピード

最短撮影距離から無限遠までの回転角は約45度と非常に狭い。ピント全域を素早く操作することが出来ます。ピントの山を正確に狙うにはストロークが短すぎると感じるものの、「26mm F8」は被写界深度が深く、過度に心配する必要はありませんでした。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

広角レンズの繰り出し式フォーカスと言うこともあり、ピント位置によって画角が大きく変化します。

精度

前述したようにストロークが短く、ピントの山に素早く合わせにくくなっています。さらに、無限遠側はオーバーインフが大きく、気軽にハードストップを利用できないのは残念。

まとめ

従来のLUMIX Sシリーズレンズとは一線を画す、カジュアルでコンパクトな広角単焦点レンズです。3万円の価格設定を考慮すると少しチープすぎる質感ですが、光学系はしっかりとした性能を備えているように見えます。(今後しっかりとテスト予定)

MF限定ですが「26mm F8」は被写界深度が深く、ピーキングを併用することで簡単にピントを合わせることが可能。MFに不慣れでも心配する必要はありません。ただし、純正品で電子接点を備えているにも関わらず、MFアシストが動作しなかったり、ピント距離が表示されないのはマイナス。単品で3万円しますが、機能性を考慮するとLUMX S9購入者に無料配布するのも納得の製品。

とはいえ、しっかりとした光学系を搭載しているので、欠点を理解して購入するのであれば満足のいくレンズと感じるかもしれません。

正直なところ、(他に選択肢が無いのは確かですが)このレンズを3万円出して購入するのはおススメしません(否定はしないものの、気軽におススメできる製品ではない)。おそらく、LUMIX S9購入者が使わずに中古市場へ流す可能性も十分にあり、より安価に入手できる可能性があります。

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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