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NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 徹底レビュー完全版

このページではニコン「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」のレビューを掲載しています。

NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sのレビュー一覧

管理人の評価

ポイント 評価 コメント
価格 他社と比べると良心的
サイズ スリムだが少し長い
重量 少し軽い
操作性 ズームリングが重め
AF性能 爆速ではない
解像性能 長所/短所あり
ボケ F4ズームとしては良好
色収差 非常に良好
歪曲収差 ソフトウェア補正が必須
コマ収差・非点収差 良好な補正状態
周辺減光 ズーム両端で目立つ
逆光耐性 非常に良好
満足度 おススメしやすいF4ズーム

評価:

卒なくこなすF4便利ズーム

広角側の隅が少し甘かったり、AFが競合他社と比べて少し遅かったりするものの、全体的に見ると致命的な欠点が無く、幅広い状況で卒なくこなせる光学5倍ズームレンズに仕上がっている。購入の決め手には欠けるかもしれないが、便利なズームレンジで「F4」を使いたければ無難な選択肢に仕上がっている。
敢えて言えば広角側の隅がやや甘く、競合他社と比べるとAF速度がイマイチ伸び悩んでいるのが気になった。光学的には歪曲収差が残っているので、現像環境によっては修正が難しい歪曲収差を目の当たりにするかもしれない。それでも、他社と比べてまだ手ごろな価格設定を考慮するとおススメしやすいズームレンズだ。

まえがき

概要
レンズの仕様
マウント Z 最短撮影距離 0.35m
フォーマット 35mm 最大撮影倍率 0.39倍
焦点距離 24mm-120mm フィルター径 77mm
レンズ構成 13群16枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F4 テレコン -
最小絞り F22 コーティング ARNEO・F
絞り羽根 9枚(円形絞り)
サイズ・重量など
サイズ φ84mm×118mm 防塵防滴 対応
重量 630g AF STM×2
その他 マルチフォーカス
付属品
レンズフード・ソフトケース

2021年10月に正式発表されたNIKKOR Zシリーズで5本目となる標準ズーム。広角24mmから望遠120mmまでを開放F値「F4」でカバーした便利なレンズであり、24-70mm F4の狭いズームレンジが不満で、24-200mm F4-6.3の変動するF値を好まない場合の選択肢となる。

レンズサイズは沈胴構造の24-70mm F4よりも一回り大きく、24-200mm F4-6.3以上で、24-70mm F2.8に近い。コンパクトな標準ズームとは言えないものの、このクラスのズームレンズとしては比較的標準的なレンズサイズと言えそう。望遠端が120mmと少し長いことも考慮したいポイント。

フォーカスはステッピングモーター使い、個別の2ユニットを駆動するフローティングフォーカス構造を採用(ニコンはこれをマルチフォーカスと呼称)。静かで滑らかなAFを実現すると共に、近接時の収差変動を抑えたフォーカシングが可能。
最短撮影距離はズーム全域で0.35mを実現。この数値はキヤノンやソニーの24-105mm F4よりも良好ですが、パナソニックの24-105mm F4のようなハーフマクロには及ばない。とは言え、24-120mmで最大撮影倍率0.39倍を使えるのは魅力的。

AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRとの比較
Z AF-S
焦点距離 24-120 24-120
開放絞り F4 F4
最小絞り F22 F22
絞り羽根 9 9
最短撮影距離 0.35m 0.45m
最大撮影倍率 0.39倍 0.23倍
フィルター 77mm 77mm
サイズ 84mm×118mm 84×103.5mm
重量 630g 710g
AF駆動 STM SWM
VR - 3.5段分
テレコン - -
防塵防滴 対応 対応
コーティング ARNEO・Nano Nano
MTF 広角
MTF 望遠

スペックシートを見比べてみると、レンズサイズは同程度ながら、100gほど軽量化しているのが分かる。顕著に異なるのが最短撮影距離と撮影倍率で、小さな被写体を撮影する機会が多いのであれば満足度の高いレンズとなるはず。さらにコーティングには新しくARNEOコートを使用、メンテナンス性を高めるフッ素コーティングにも対応しているのは嬉しいポイント。
MTFを確認してみると、広角・望遠どちらでも中央の解像性能が高まっているのが分かる。広角24mmでは四隅での画質低下が抑えられ、120mmでは中央から像高5割まで高解像を維持し、周辺部のパフォーマンスも良好に見える。

注意点として、NIKKOR Zの24-120mmは光学手ぶれ補正(VR)を搭載していない。ボディ側に手ぶれ補正を搭載しているので必要性が低下しているのは確か。とは言え、ボディ側の補正は望遠側で効果が薄く、120mmの望遠端でボディ側の補正効果がどれほど期待できるのか気になるところ。ちなみに、他社(キヤノン・ソニー・パナソニック)は全て同クラスのレンズに光学手ぶれ補正を搭載している。

価格のチェック

売り出し価格は一眼レフ用と同程度で、顕著な値上がりは見られない。ミラーレス用レンズは比較的高価になる傾向がある中では良心的な価格設定と感じる。

NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
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レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

黒を基調としてブランドカラーの黄色をアクセントに使用したNIKKOR Zらしい箱。個人的にはFマウントにおける箱のデザインが好みだった。

中は段ボールで間仕切りされている。レンズ本体を包んでいる緩衝材は薄っぺらく、耐衝撃性があるようには見えない。段ボールで間仕切りされているとはいえ、レンズが入ったままの箱を乱雑に扱わないように気を付けたい。

レンズ本体の他にレンズフード、レンズポーチ、説明書、保証書が付属している。

外観

装飾は最小限で、モダンかつエレガントなデザイン。一眼レフ時代にあった「金環」は存在しないが、「S-Line」を示す「S」をNIKKORのロゴの隣に大きく表示している。
外装は主にプラスチックを使用しているが、レンズマウント付近は金属製の鏡筒を採用。どのような意図があるのかは不明だが、しっかりとした質感である。

ズームリングやフォーカスリングの表面はゴム製カバーが装着されグリップを向上。コントロールリングはプラスチック製だが、指がかかりやすいように表面が加工されている。
3つのリングの他にはAF/MFスイッチとL-Fnボタンを搭載。ズームリングを固定するスイッチは存在しない。

ズーム操作により内筒が伸びる。このクラスとしては一般的な仕様だ。ただ、このクラスとしては珍しく、内筒が2段式となっている(ソニーやキヤノンの同クラスは1つの内筒が前後する)。特に大きな問題は無いが、個人的に1段のほうが見栄えが良いと感じる。この違いで防塵防滴にどのような違いが発生するのかは不明。ちなみに内筒はプラスチック製だ。

ハンズオン

重量は630g、全長は118mm。全長は競合レンズと比べて僅かに長いが、重量はキヤノンやソニーよりも少し軽い。ただし、キヤノンやソニーが光学手ぶれ補正を搭載していることを考え得ると、有意義な軽量化とは言えない。

沈胴構造を採用しているZ 24-70mm F4 Sと比べると縮長が長く、収納性は遥かに悪い。ただし、(レンズを伸ばした)使用時は24-120mmと同程度の長さとなる。

前玉・後玉

凸型の前玉にはフッ素コーティングが施されているので水滴や汚れが付着してもメンテナンスしやすい。とは言え、ダメージが予想できる撮影シーンではプロテクトフィルターを装着するのがおススメ。対応するフィルター径は77mmだ。

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後玉は大口径Zマウントらしく非常に大きい。これが周辺部の画質改善に役立っているのかどうかは今後のレビューでチェックしていきたい。

レンズマウントは金属製で、4本のビスで固定。周囲は防塵防滴用のシーリングが施されている。

ズーム操作で焦点距離が長くなると、後玉は前方へと移動する。後玉が奥へ移動すると、反射防止用の黒塗り加工などを確認することができる。

フォーカスリング

約15mmのフォーカスリングを搭載。適度と言うには少し緩いくらいで滑らかに回転する。回転速度に応じてピント移動量が変化し、素早く回転した場合は全体的に90度未満のストロークでピント全域を素早く操作することできる。回転速度の変化に敏感に反応するので素早く高精度なマニュアルフォーカスが可能だが、少し慣れが必要。

ズームリング

35mm幅のズームリングを搭載。焦点距離は24mm、28mm、35mm、50mm、70mm、85mm、120mmを表示。ここまで小刻みに焦点距離を表示している標準ズームも珍しいが、主要な焦点距離を網羅しているので、撮影する焦点距離が決まっている場合は便利である。
フォーカスリングと比べると回転操作が非常に重い。ズーム全域でトルクの変化や引っかかりは無いものの、素早くズーム操作するには少し重すぎると感じる。

レンズは24mmで最も短く、120mmまでズームすると約6cm伸びる。ズームリングのロック機能は無いので、カメラバッグから取り出す際にレンズフードなどが引っかからないように気を付けたい。

コントロールリング

カメラ側で機能をカスタマイズできるコントロールリングを搭載。便利な第三のリングだが、Z 7では割り当てることが出来る機能が3種類しかない(絞り・ISO・露出補正)。コントロールリングに(リニアレスポンスの)フォーカス操作を割り当てることが出来る良かった。
リングは無段階で回転するので動画撮影に適しているが、静止画で操作するには慣れが必要だ。リングをロックすることは出来ないので、誤操作に気を付けたい。

スイッチなど

レンズ側面にはカスタマイズに対応したL-FnボタンとAF/MF切替スイッチを搭載。L-Fnボタンは水平よりも少し上側に向いて配置されているので、左手で微妙に押し辛い。個人的には「S」のロゴがある部分に配置して欲しかった。

レンズフード

プラスチック製のシンプルな花形レンズフードが付属している。ロック機構は無いものの、レンズ本体にしっかりと固定でき、誤って脱落する可能性は低い。

フードは逆さ付けに対応しているが、このままではフォーカスリングが隠れてしまうので、そのまま使うのはおススメできない。

装着例

Nikon Z 7と組み合わせてみた。バランスは悪くないが、24-70mm F4 Sに慣れているとレンズが長く感じる。当然ながらカメラバッグへの収納性は悪い。光学手ぶれ補正を搭載していないためか、比較的スリムなレンズだ。大きめの手袋を装着してもグリップとレンズの間には余裕があり、フロントFnボタンは押しやすい。

AF・MF

フォーカススピード

ステッピングモーター駆動で動作する二つのフォーカスユニットを搭載。静粛性と高速性を両立したミラーレスらしいAF性能である。ただし、競合他社のDDSSM駆動やナノUSM駆動と比べると瞬発力で僅かに見劣りする。大部分の被写体で満足のいくフォーカス速度だが、スピードを重視する撮影シーンでは「あと一息」を感じるかもしれない。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指す。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となる。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。
今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離と無限遠で撮影した結果が以下の通り。

ニコンが「フォーカスブリージングを抑えた設計」と主張しているように、ピント移動による画角の変化は目立たない。もちろんゼロではないものの、良く抑えられているように見える。特に接写性能の高い望遠側でフォーカスブリージングがほとんど目立たないのは評価すべきポイント。

精度

Z 7と組み合わせた限りでは特に大きな問題を感じない。低照度やローコントラスト時はAF速度が低下するものの、ピントの精度は良好に見える。

MF

前述した通り、フォーカスリングは回転速度に応じてピント移動距離が変化する。慣れれば素早く高精度な操作が可能だが、最初のうちは「回しすぎ」が多発するかもしれない。フォーカスリングの感度を調節できると良かった。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:Z 7
  • 交換レンズ:NIKKOR Z 24-120mm F4 S
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 64 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

24mm

中央は絞り開放から非常にシャープで、4500万画素のZ 7と組み合わせる限りではF4からピークのパフォーマンスを発揮している。絞りによる改善はほとんどなく、F8以降で回折の影響により性能が徐々に低下する。小絞りで解像性能は低下するものの、数値を見てみると、F11でも4000を超える良好な結果となり、F16-F22でも3500前後と実用的だ。実写ではコントラストが少し低下しているものの、現像時のシャープネス・コントラストの調整で十分に使える画質だ。

比較して周辺部は性能が顕著に低下し、隅は解析ソフトでなんとか読み取ることができる程度までソフトとなる。これは絞ると改善するが、中央に匹敵する解像度は得られない。
24mmは強めの樽型歪曲が発生しており、Adobe lightroomでは歪曲収差を強制的に補正するプロファイルがRAWに格納されている。この結果、歪曲収差の補正により隅が強めに引き伸ばされ、解像力に影響を与えているものと思われる。この焦点距離におけるテスト結果は、同じく歪曲収差の補正が強めな24-70mm F4 Sとほぼ同じだ。

注意ポイント

広角レンズで定型の解像力チャートを使う場合、チャートに接近して撮影する必要がある。この結果、パフォーマンスが低下しやすい近接撮影で性能をてテストしている点に気を付けてほしい。実写の撮影距離ではまた違った結果になると思うし、近接でのテスト結果は他社を含めて似たような結果となる傾向がある。

数値

中央 周辺部 四隅
F4.0 4752 3167 1475
F5.6 4776 3448 1677
F8.0 4607 3716 3051
F11 4300 3976 3456
F16 3932 3775 3291
F22 3338 3031 2843

作例

中央は絞り開放からシャープだが、隅まで均質的な画質を得たい場合はF8まで絞りたい。周辺部まで良好で良いのならばF5.6で許容範囲内と言ったところ。

35mm

中央は24mmほど高解像ではないものの、絞ると4500近い高解像な結果を得ることが出来る。また、周辺部や隅は24mmと比べて大幅に改善し、絞り開放から良好な解像性能だ。ただし、絞っても大きく改善することはない。全体的に見て、絞り値全域で安定した結果を得ることができ、小絞りで回折が発生した後でもまずまず良好な結果を得ることが出来る。

24-70mm F4 Sは35mmでも隅のパフォーマンスがイマイチ伸び悩むので、この領域では24-120mmのほうが優れている。ただし、中央や周辺部の解像性能は24-70mm F4 Sのほうが良好だ。

数値

中央 周辺部 四隅
F4.0 3527 3638 3424
F5.6 3601 4287 3594
F8.0 3725 4362 3755
F11 3694 4194 3718
F16 3613 3576 3249
F22 3014 2971 2671

作例

隅に僅かな甘さが見られるものの、1段絞ると問題が無くなる。

50mm

中央は絞り開放から4500に近い優れた結果が得られ、さらに周辺部も同程度の高い解像性能となる。隅はワンランク低下するが、F5.6まで絞ることで中央と同等の高解像な結果が得られる。性能は絞ると回折の影響を受けて低下するが、F11までは4000近い優れた結果となり、F16でも非常に良好な結果を期待できる。全体的に見て、このズームレンズにおけるスウィートスポットと言える。中央以外が伸び悩む24-70mm F4 Sと比べると差が付くポイントだ。

数値

中央 周辺部 四隅
F4.0 4456 4343 3778
F5.6 4493 4306 4600
F8.0 4119 4324 4379
F11 3954 4214 3902
F16 3490 3810 3512
F22 3008 2965 2971

作例

絞り開放から全く問題が見られない。単焦点レベルと言ってもいい水準であり、拍手喝采の結果だ。

70mm

引き続き中央はF4から4500に近い高い解像性能が得られる。周辺部は50mmと比べると性能の低下が見られるが、それでも以前として高い解像性能だ。隅も良好な結果を維持しており、特にF5.6~F8で優れた結果となる。胸を張って良い結果だと思う。24-70mm F4 Sの望遠端と比べると、24-120mmの70mmは全体的に少し良好な結果を得ることができる。

数値

中央 周辺部 四隅
F4.0 4476 4100 3694
F5.6 4646 4100 4399
F8.0 4532 3965 4362
F11 4022 3950 3782
F16 3531 3757 3688
F22 3014 2902 2878

作例

100mm

広角や標準~中望遠域と比べると全体的に解像性能がワンランク低下する。標準ズームとしては一般的な傾向だが、周辺部や隅まで均質的な性能を維持している点で評価できる。さらに絞っても回折の影響を受けにくく、最小絞りのF22でも3000前後の実用的な結果が得られる。非常に安定感のある望遠画質だ。

数値

中央 周辺部 四隅
F4.0 4687 3744 3406
F5.6 3984 3838 3417
F8.0 3733 3538 3800
F11 3871 3632 3795
F16 3304 3285 3550
F22 2995 2977 2850

作例

実写で確認すると、細部のディテールが僅かに低下し、隅に向かって少しソフトになっていることが分かる。絞ると改善するが、F5.6では隅まで向上しないので、F8まで絞りたい。

120mm

基本的には100mmと同じ傾向だ。
広角や標準域と比べるとピークの性能は低くなるが、周辺部や隅まで安定した解像性能が得られる。実写では隅に向かってコントラストが低下しているのが分かるものの、解像性能の結果だけでいえばとても良好だ。

数値

中央 周辺部 四隅
F4.0 3981 3757 3332
F5.6 4306 3965 3379
F8.0 4060 3814 3620
F11 3795 3625 3455
F16 3493 3512 3379
F22 3065 3039 2969

作例

遠景解像力

テスト環境

  • カメラ:Z 7
  • 三脚:Leofoto LS-365C
  • 雲台:Leofoto G4
  • 露出:絞り優先AE
  • RAW:Adobe Lightroom Classic CCで現像
    ・シャープネスオフ

24mm

中央

絞り開放から非常にシャープであり、ピークと言っても過言ではない。このため、絞ることによる解像性能の改善は期待できず、回折の影響が出始めるF11まで一貫して高解像を維持している。以降は性能が低下するものの、F16はまだ実用的な性能だ。F22まで絞るとかなりソフトとなるので出来れば避けたい。

周辺

中央と同じく絞り開放から非常にシャープだ。絞りによる改善はほとんど見当たらず、ピークの性能をF10まで維持している。

絞り開放は中央や周辺部と比べるとソフトな画質でコントラストも低い。絞っても顕著な改善は期待できないが、F8前後でピークの画質となる。この際は十分シャープで、細部のコントラストも良好となる。

28mm

中央

基本的に24mmと同じ。絞り開放から非常に良好なピークの性能を発揮しており、絞りによる改善は期待できない。F10までパフォーマンスを維持し、以降は回折による画質の低下が見られる。

周辺

中央と比べると僅かに画質が低下しているようにも見えるが、ほとんど同じ。絞りによる改善は見られず、絞り開放からF10まで一貫して高性能な解像性能を発揮する。

24mmと比べると良好だが、それでも隅の端ではコントラストの低下や像の甘さが見られる。F8まで絞ると像の甘さは最小限に抑えられ、フレーム全体でとても良好な解像性能を発揮する。

35mm

中央

引き続き絞り開放からピークの性能を発揮しており、少なくとも4500万画素のZ 7では絞りによる改善が見られない。

周辺

24mmや28mmよりも良好に見える。中央と見分けがつかない程シャープであり、絞りことで僅かにコントラストが改善する。シャープネスを適用していないにも関わらずキレッキレだ。

中央や周辺部と比べると画質はワンランク低下する。とは言え、驚くような画質の乱れは無く、画像処理次第で絞り開放から実用的な解像性能である。F5.6~F8まで絞るとさらに安定するので、絞れる環境であればF8まで絞って使いたい。コントラストも改善する。

50mm

中央

引き続き絞り開放からピークの性能を発揮。敢えて言えば回折の影響が出始めるのが早く見える。コントラストは絞り開放でピークとなり、絞ると徐々に低下する。

周辺

35mmと同じく中央と遜色のない解像性能だ。絞りによる改善は見られず、僅かなコントラストの向上に留まる。

広角側と比べると絞り開放から安定感のある性能だ。さらに絞るとコントラストやシャープネスが改善し、F5.6~F8でピークとなる。このレンズにおけるスウィートスポット。

70mm

中央

相変わらず絞り開放からシャープでコントラストも良好。これと言って非の打ち所がない。

周辺

35mmや50mmと同じく非常に良好な解像性能を維持。

50mmと同じく絞り開放からシャープで、F5.6~F8まで絞ると中央や周辺と遜色のない、均質性が高いパフォーマンスを発揮する。

85mm

中央

70mmと同じ。

周辺

概ね70mmと同じだが、絞ることで細部のコントラストが改善する。

絞り開放から良好だが、絞るとさらにコントラストが改善する。

120mm

中央

望遠端と言うこともあり、絞り開放からピークの性能とはいかない。1段分(F5.6)絞るとコントラストが大きく改善するので、風景撮影の場合はF5.6~F8を意識して撮影すると良いかもしれない。

周辺

望遠端ながら周辺部における画質低下が少ない。絞り開放から実用的な解像性能を発揮しているが、1段絞ることでコントラストが少し向上する。

十分良好な画質だが、ズーム中間域と比べると少し甘い。絞ると解像性能は改善するが、コントラストはほとんど同じ。

撮影倍率

このレンズの最短撮影距離はズーム全域で0.35mである。このため、広角24mmの撮影倍率は非常に小さいが、望遠端120mmに向かって撮影倍率が高くなる。120mmの撮影倍率は0.39倍となり、このクラスのズームレンズとしては非常に高い数値となる。キヤノンやソニーの競合レンズよりも良好だ。ただし、パナソニックの「LUMIX S 24-105mm F4 Macro O.I.S.」が実現している0.5倍には及ばない。また、パーフォーカルレンズでは無いので、ズーム操作によりピント位置が少しずれるので注意が必要だ。

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指す。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の影響が考えられる。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合もある。ただし、近距離でフラットな被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要は無い。

無限遠でも影響が見られる場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がない。

参考:Wikipedia 像面湾曲

実写で確認

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレーム四隅に現れる色ずれを指す。絞り値による改善効果が小さいため、この問題を解決するにはカメラボディでのソフトウェア補正が必要。ただしボディ側の補正機能で比較的簡単に修正できるので、残存していたとして大問題となる可能性は低い。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向がある。

参考:Wikipedia 色収差

24mm

目立つ色収差は見られない。キヤノンやソニーと比べると良好な補正状態だ。

35mm

24mmと同じくほとんど問題ない水準に抑えられている。

50mm

広角側と同じく問題なし。

70mm

望遠側でも問題は見られない。

120mm

望遠端でも良好な補正状態だ。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれを指す。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられる。簡単な後処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えて欲しいところだが、大口径レンズでは完璧に補正できていないことが多い。

軸上色収差を完璧に補正しているレンズはピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できる。

参考:Wikipedia 色収差

24mm

僅かに色づきが残っているようにも見えるが、じっくり観察しなければ分からないような影響度合いだ。実写で心配する必要は無いように見える。

35mm

24mmよりも良好な補正状態で、等倍で確認しても軸上色収差をハッキリと確認することは出来ない。

50mm

35mmと同じく全く問題ない。

70mm

望遠側でも軸上色収差の問題は見られない。

120mm

望遠端でも非常に良好な補正状態だ。望遠側は軸上色収差が目に付く競合他社が存在するので、ニコンは良好な補正と言える。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがち。個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくないと感じる。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人がいてもおかしくない。
参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルを以下に示す。

描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によって変化し、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向がある。
特殊な方法として「アポダイゼーション光学素子」などを使って強制的に滑らかなボケ描写を実現しているレンズも存在する。

24mm

比較的ニュートラルなボケ質だが、敢えて言えば少し後ボケのほうが滑らかで綺麗である。このレンズの24mmで前ボケを入れる状況は非常に少ないと思われるので、バランス良好と言える。色収差の影響はほとんどない。

50mm

24mmと同じ傾向が続く。後ボケが僅かに滑らかで、前ボケが僅かにぎくしゃくしている。やはり「50mm F4」は後ボケ重視で問題ないと思うので、バランス良好と言える。

120mm

広角や中間域と同じく、少し後ボケ寄りのニュートラルな描写だ。使いやすい描写を維持した上で、より重要な後ボケが綺麗な描写は使いやすいレンズだと思う。120mmでは前ボケが入る機会もあるだろうが、驚くほど騒がしい描写になるとこは無いだろう。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

ここで言う「口径食」とはレンズ口径がボケへ影響していることを指す。
口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまったりする。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法が無い。しかし、絞ると羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じてF値を変化させる必要あり。

逆に口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが出来る。これは玉ボケに限った話ではなく、一般的な四隅のボケ描写の質感にも繋がる。口径食が強いと、ボケが小さく感じたり、場合によってはボケが荒れてしまう場合もある。
できれば口径食の小さいレンズが好ましいが、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要がある。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生する(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまう。

24mm

24mmは最短撮影距離が長く、大きな玉ボケを得ることが難しい。ボケは小さいものの、内側の描写は(非球面レンズを使っているズームとしては)滑らかで綺麗である。フレームの大部分で遠景を維持しているが、四隅のみ口径食の影響が強く現れる。状況によってはこれが騒がしくなるかもしれない。口径食は2段絞ると改善するが、その頃にはボケがかなり小さくなってしまう。

35mm

24mmと同じく玉ボケの内側は滑らかで綺麗だ。四隅の口径食は遥かに穏やかとなり、絞り開放から実用的なボケ質と言える。全体的に色収差を良く抑えているのもGood。ただし、隅のみ倍率色収差の影響が僅かに残っている。

50mm

絞り開放から隅までほぼ円形を維持している。イメージサークルが少し広いのかもしれない。この結果は近距離・遠景解像性能の均質性からも見て取ることが出来る。絞り開放で隅まで安定感のあるボケ質を得たいなら50mm前後を使うと良いだろう。

70mm

50mmと比べると隅の口径食がいくらか強くなる。ただし、影響を受けるのは隅の本当に端の部分だけで、大部分の領域は円形を良く維持している。もしも口径食が気になる場合はF5.6まで絞るとほぼ解消する。

120mm

広い範囲で円形を維持しているが、隅のみ口径食が強くなる。もしも気になる場合は1段絞るのがおススメだ。とは言え、120mm F4はボケが大きくなるので口径食の問題が気にならない場合も多い。ケースバイケースで対応したいところ。

ボケ実写

24mm

中央から広い領域で滑らかな描写だ。24mmの広角としては健闘していると思う。比較的コントラストが高い部分でも過度な騒がしさは見られない。ただし、四隅の口径食や倍率色収差が目立つ可能性は残されており、状況によっては少し絞ったほうが良いかもしれない。

50mm

広角24mmと比べると隅まで均質的で滑らかな描写だ。単焦点レンズと比べると縁取りが少し強いと感じるかもしれないが、並みの単焦点(コマ収差や非点収差の影響が目立つ)よりは綺麗なボケが得られると思う。

120mm

全体的にボケ量が多くなるのでボケ質はあまり気にならない。とは言え、滲むような滑らかなボケではなく、コントラストが高い背景では少し騒がしい場合があるかもしれない。もちろん標準ズームレンズとしてはとても良好な結果だ。

撮影距離

全高170cmの三脚を人物に見立て、全身、膝上、上半身、顔のクローズアップを意識して撮影した。全ての作例は絞り開放F4である。

24mm

24mm F4でフレームに全身を入れると後ボケを得るのは非常に難しい。膝上・上半身くらいまで近寄ると背景が少しボケるようになり、バストアップや顔のクローズアップで背景が分離できそうなボケを得ることが出来る。この際のボケは24mm F4としてはまずまず良好だ。

50mm

24mmよりはボケ量が多くなるものの、それでも全身を50mm F4で撮影すると後ボケは大きくならない。得られないわけでは無いが、状況はかなり選ぶと思う。上半身くらいまで近寄ると背景から分離できるようになる。この際のボケ質はとても良好だ。

120mm

120mm F4ではフレームに全身を入れるくらいの撮影距離でも十分な後ボケを得ることが出来る。この際のボケ質はズームレンズとしては十分良好だが、単焦点レンズと比べると少し騒がしく見えるかもしれない。膝上くらいまで近寄ると実用的なボケを得ることができる。上半身・顔のクローズアップであれば、背景から綺麗に浮かび上がらせることが出来る。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうことを指す。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすい。主に魚眼効果と似た形状の「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれる。

参考:Wikipedia 歪曲収差

比較的補正が簡単な収差だが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となる。

24mm

非常に目立つ樽型の歪曲収差が発生する。明らかにカメラ側のソフトウェア補正を前提とした光学設計だ。ミラーレスカメラにおいて、この設計は非難するほどの問題ではないが、適切な補正プロファイルを利用できない現像環境では注意が必要である。陣笠状に歪んでいるので、手動補正は非常に難しいと思われる。

35mm

24mmとは打って変わって糸巻き型の歪曲収差へと変化する。影響の度合いは小さいが、直線的な被写体をフレームに入れると歪曲収差が目立つ可能性あり。レンズプロファイルを適用できるLightroomや純正ソフトであれば気にする問題ではない。

50mm

35mmよりも強めの糸巻き型歪曲が発生する。やはり直線的な被写体をフレームに入れると目立つ可能性が高い。

70mm

50mmよりもさらに強い糸巻き型歪曲が発生する。

120mm

70mmと同程度だ。全体的に見て、キヤノンやソニーの競合製品よりも歪曲収差が強めに残っている。歪曲収差の光学的な補正は割り切って、他の収差補正や小型化を優先したのだと思われる。

周辺減光

周辺減光とは?

周辺減光とは読んで字のごとく。フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ちを指す。中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となる傾向。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生する。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象だが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景で高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

実写で確認

24mm

最短撮影距離

最短撮影距離でも絞り開放付近では光量落ちの影響が僅かに発生する。影響は軽微なので、画質に大きな影響を与えることなくヴィネッティング補正で対処可能だ。光学的に抑えたい場合は少なくともF5.6まで絞ると大部分で解消する。

無限遠

最短撮影距離と比べると僅かに影響が強くなる。それでも影響は軽微で、F5.6~F8まで絞ると問題はなくなる。

35mm

最短撮影距離

24mmと比べると絞り開放からほとんど問題ない。少し絞ればほとんど解消する。

無限遠

最短撮影距離と比べると僅かに光量落ちが強くなるものの、問題は軽微で無視できる程度だ。

50mm

最短撮影距離

35mmと同じく全く問題ない。

無限遠

35mmと同じく僅かな光量落ちが発生しているものの、影響は軽微だ。

70mm

最短撮影距離

35mmや50mmと比べると、光量落ちが僅かに強くなっている。それでも問題視するほどではなく、気になるのであればヴィネッティング補正で問題なく修正可能である。絞ればF5.6で解消する。

無限画

やや強めの光量落ちが発生し、これは1段絞っても完璧に抑えることは出来ない。光学的に良好な結果を期待する場合はF8まで絞りたいところ。

120mm

最短撮影距離

70mmよりもやや強めの光量落ちが発生する。影響の度合いとしては24mmと同程度だ。大問題となることは無いが、F5.6まで絞っても隅に僅かな影響が残る。完璧に抑えたい場合はF8まで絞ると良いだろう。

無限遠

このズームレンズで最も光量落ちが強く発生するポイント。ヴィネッティング補正を外した絞り開放を使用すると、隅に向かって強めの減光が目立つ。1段絞っても光量落ちは目に付き、完璧に抑えるためにはF11付近まで絞る必要あり。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないことを指す。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要がある。

参考:Wikipedia コマ収差

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる。

24mm

完璧な補正状態とは言えないが、影響はわずかで、実写では無視できる範囲に収まっているように見える。

35mm

基本的には24mmと同程度だが、全体的に影響は少し強めとなる。この収差を抑えたい場合はF5.6まで絞るのがおススメだ。

50mm

35mmと同じく、収差の影響が残っている。これを改善する場合はF5.6~F8まで絞りたいところ。

70mm

50mmと比べると収差は穏やかとなるが、依然として影響は残っている。

120mm

24mmと同じく影響は極僅かだ。

逆光耐性・光条

24mm

強い光源を正面に受けてもフレアは良く抑えられ、良好なコントラストを維持している。ゴーストは皆無と言えないものの、影響は最小限で、不快な発色や形状の描写は見られない。ソニーやキヤノンの同クラスのレンズと比べると遥かに良好な結果だ。絞ると拡散していた薄いフレアが収束して少し目に付くゴーストへと変化する。

光源を隅に配置してもフレアやゴーストの影響は少ない。周辺部に僅かなゴーストの発生を確認できるが、フレアによるコントラスト低下の兆候は無い。絞ると徐々にゴーストが顕在化するのは中央と同じ。

50mm

24mmと比べるとゴーストの影響が少し強くなっているように見える。フレアの影響はほとんど見られない。絞りによる描写の変化は少なく、光条のみ明瞭となる。

フレーム隅に光源を配置すると、僅かにゴーストの影響が見られるが軽微で無視できる程度。絞るとゴーストが収束して小さくなるが、光源周辺の隠れていたフレアがじわりじわりと出現しているのが分かる。

120mm

レンズフレアの影響が少し強くなるものの、ゴーストは目立たず問題は軽微。絞るとフレアは抑えられるものの、センサー面の反射と思われるRGBのゴーストが顕著となる。

絞り開放付近はゴースト・フレアどちらも目立たず、良好な逆光耐性に見える。絞ると徐々にゴーストが出始めるが、顕著となるのはF16やF22など小絞りを使った場合のみ。

光条

光の筋が伸び始めるのはF5.6から。F8付近で光条が徐々に明瞭となり、F11~F16でシャープな光条が得られる。ベストはF22だが、回折の影響を考慮するとF16で手を打つのも一つの手。絞った際の光条は非常にシャープで綺麗。キヤノンやソニーにおける同等のモデルよりも良好だ。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • 120mmまでカバーするズームレンズ
  • 防塵防滴
  • フッ素コーティング
  • ズームリングの回転が滑らか
  • コントロールリング・L-Fnボタン搭載
  • AFが十分高速かつ静かで滑らか
  • 非常に高い最大撮影倍率
  • フォーカスブリージングが目立たない
  • ピント位置に関わらず中央解像性能が非常に高い
  • 望遠側は接写時でも均質的な解像性能
  • 色収差の補正状態が良好
  • ニュートラルで見栄えの良いボケ質
  • 玉ボケが滑らかで綺麗な描写
  • まずまず良好なコマ収差補正
  • 競合他社と比べて非常に良好な逆光耐性
  • 絞った際の綺麗な光条

光学倍率の高いズームながら、全体的に良好なパフォーマンスを期待できるレンズに仕上がっている。100%を求めなければ解像性能・収差の補正状態、逆光耐性、AF、ボケなど、大部分は満足のいく結果が得られると思う。競合他社のF4ズームレンズと比べて特に優れているのは望遠側で均質性の高い解像性能と逆光耐性、そして色収差の補正状態だ。さらに価格設定も良心的である。

悪かったところ

ココに注意

  • ズームリングのロック構造が無い
  • ズームリングの回転が少し重すぎる
  • フォーカスリングは応答性をリニアに切り替えることが出来ない
  • 競合他社と比べてAFが僅かに遅い
  • 広角側で接写時の周辺解像性能が低下する
  • (自動的に補正されるが)光学的な歪曲収差が非常に目立つ
  • (自動的に補正されるが)ズーム両端の光量落ちが目立つ

致命的と感じる欠点は無いが、他の標準ズームレンズや競合他社の同クラスと比較した際に見劣る部分はいくつかある。例えば24mmの隅が少し甘かったり、AF速度が電光石火と言えない、ズームリングのロックが無い、などなど。
どの欠点にしても妥協できる範囲内に収まっていると感じ、場合によってはレンズ補正などで問題を回避することも可能だ。特にこれと言って問題視するポイントは無いように感じる。

総合評価

満足度は95点。
完璧を求め化ければ、高性能かつ便利なF4ズームレンズだ。広角24mmから望遠120mmまで開放F値「F4」を利用することができ、望遠側ではハーフマクロに近い撮影倍率でクローズアップ撮影ができる。ズーム全域で中央解像性能が良好で、フレーム隅でも絞れば良好となる場合が多い。特に望遠側は絞り開放から均質性が高くて良好である。収差の影響はソフトウェア補正込みでよく抑えられ、逆光耐性も良好で、オートフォーカスは他社と比べなければ快適で良好だ。滑らかなズームリングやL-Fnボタン、コントロールリングなど操作性も充実している。注意すべきポイントは少なく、価格も良心的だ。

購入早見表

NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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