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M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO レンズレビューVol.5 ボケ編

「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO」のレビュー第五弾 ボケ編を公開。ボケ味にこだわったPROレンズらしく、標準レンズとしては綺麗で滑らか、そして柔らかいボケが得られました。

簡易的なまとめ

ボケ質を重視したレンズだけあって、滑らかで柔らかい後ボケが得られます。ボケの縁取りが弱く、背景が滑らかに溶けていくような、上品なボケ味を実現しています。ボケのサイズはフルサイズで言うところのF2.4相当ですが、ここまで柔らかいボケが得られるレンズはそうおおくありません。

撮影距離によって描写が少し変動するものの、ボケ質が重要となるシーンでは概ね良好な結果が得られます。フレーム隅まで目立つ欠点が無く快適。

The lens is designed with an emphasis on bokeh quality and produces a smooth and soft bokeh.The edges of the bokeh are weak, and the background smoothly melts away, creating an elegant bokeh effect.The bokeh size is equivalent to that of a full-size lens at f/2.4, but there are not many lenses that can produce such soft bokeh.

Although the rendering varies slightly depending on the shooting distance, it generally produces good results in situations where bokeh quality is important.The lens is comfortable with no noticeable flaws, even in the corners of the frame.

M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROのレビュー一覧

球面収差

F1.2

「球面収差を活かして滲むボケを実現」とメーカーが主張しているように、F1.2の絞り開放で球面収差の影響が見られます。オールドレンズのように極端な影響ではないものの、後ボケは縁取りが弱く、前ボケは硬い描写。

F2

F2まで絞ると球面収差の影響はほぼ解消します。解像性能テストの結果から分かるように、シャープな結果を得たい場合は少なくともF2までは絞ると良いでしょう。逆に「レンズの味」は薄れてしまうので、F1.2 PROの醍醐味を活かすのであればF1.2がおススメ。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

球面収差のテスト結果からも分かるように、後ボケは縁取りが弱く、滲むように柔らかい描写。ただし、NOKTONの接写時のように極端な球面収差は発生しません。使いやすさを残しつつ、適度な収差で味付けされています。

前ボケ

後ボケと比べるとやや硬め。と言っても極端に悪目立ちするほど酷くなく、許容範囲内に収まっています。軸上色収差が残存しているため、硬いボケに収差の色付きが発生すると目立つ可能性あり。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

非球面レンズを複数使用していますが、研磨ムラは目立たない程度に抑えられています。軸上色収差の影響は軽微。F1.2の大口径レンズであることを考慮すると、口径食は良く抑えられています。

ボケ実写

至近距離

フルサイズで言えば50mm F2.4相当ですが、接写時は十分な量の後ボケを得ることができます。質感を議論するほど微ボケは目立ちませんが、ハイライトがとても滑らかに見えます。

近距離

撮影距離が少し長くなっても滑らかで柔らかい描写を維持。フレーム端や隅でも問題は全くありません。

中距離

さらに撮影距離が長くなると、ボケがやや小さくなります。低価格のレンズはボケが粗くなるポイントですが、本レンズは良好な描写を維持しています。

中距離2

さらに撮影距離が長くなると、ボケの縁取りが目立つようになります。球面収差が変動しているのでしょうか。軸上色収差の影響も見られ、状況によっては少し騒がしい描写となる可能性あり。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

フレームに全身を入れる場合、背景のボケは騒がしく、コマ収差の影響も見られます。細部を見ると粗が目立つものの、全体で見るとハロでコントラストが低く、柔らかい描写。ポートレートでは独特の柔らかさを感じるかもしれません。上半身、バストアップと近づくにつれ、後ボケが欠点のない柔らかい描写に変化。

まとめ

ボケ質を重視したレンズだけあって、滑らかで柔らかい後ボケが得られます。ボケの縁取りが弱く、背景が滑らかに溶けていくような、上品なボケ味を実現しています。ボケのサイズはフルサイズで言うところのF2.4相当ですが、ここまで柔らかいボケが得られるレンズはそうおおくありません。

撮影距離によって描写が少し変動するものの、ボケ質が重要となるシーンでは概ね良好な結果が得られます。フレーム隅まで目立つ欠点が無く快適。

ボケ質を重視したレンズですが、ピント面のシャープネスやコントラストは適度に維持されています。解像性能を犠牲にするほど球面収差の影響は強くありません。あくまでも味付け程度。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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