OM SYSTEM ED 20mm F1.4 PROはボケ好きにはたまらない独特の質感

2021年12月22日

LesnumeriquesがOM SYSTEM「M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO」のレビューを公開。小型軽量ながら良好な光学性能とビルドクオリティを備え、ボケ好きにはたまならい独特な質感を持つと評価しています。

Lesnumeriques：Test OM System M.Zuiko Digital ED 20mm F1.4 PRO?: un objectif compact, polyvalent et performant

外観・構造：

OM SYSTEMブランドで初となるM.ZUIKOレンズだ。そしてレンズラインアップで初となる20mmレンズである。

ブランドは変わったが、ビルドクオリティはオリンパスPROシリーズから変わりない。

特別なコントロールは無いが防塵防滴仕様である。

携帯性：

大口径レンズとしては小型軽量だ。全長63mm、直径61mm、重量247gのレンズである。

E-P7のようなボディと組み合わせることで快適な携帯性だ。

操作性：

L-Fnがないのはもちろんフォーカスクラッチ構造もない。AF/MFスイッチが無いのでカメラ側での操作が必要だ。

多機能を求めるのであれば25mm F1.2 PROとなる。

フォーカス：

E-M1Xとの組み合わせで厳しい環境でも完璧に動作した。

E-P7との組み合わせて少しAF性能が低下したものの、レスポンスは良好だ。

手ぶれ補正：

光学手ぶれ補正は搭載していないが、ボディ側で手ぶれ補正に対応している。

解像性能：

F1.4はシャープネスが少し低いが、F2.8まで絞ると十分に満足のいくシャープネスが得られる。25-50mm F1.7のような頂きではないが、称賛すべき性能だ。

中央と隅の画質が均質ではない点は不満である。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

OM SYSTEMの言う通り滑らかなボケだ。ボケ好きにはたまらない独特の質感である。

色収差：

とても良好な補正状態だ。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

歪曲収差は良く抑えられている。

周辺減光：

F1.4で顕著だが、1段絞るとほとんど気にならない。

コマ収差：

記載なし。

逆光耐性：

記載なし。

総評

OM SYSTEMは初めての自社ブランドのレンズとして良い製品を投入した。このM.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROは、完成度が高く、コンパクトで明るく、多目的に使用できるだけでなく、優れた光学性能を備えている。大きな欠点はない。

長所：
・小型軽量
・F1.4
・防塵防滴
・良好なシャープネス

短所：
・マニュアルフォーカスクラッチやL-Fnが無い
・F1.4で目立つ周辺減光

とのこと。
フォーカスクラッチやL-Fnボタンが無いのは残念ですが、8mm F1.8 PROや12-45mm F4 PROのように、小型軽量なPROレンズでは妥協するポイントと言えそうです。解像性能の均質性が欠けているものの、光学性能は良好で、諸収差の補正状態も問題が無い模様。特にボケは高く評価していますね。
手持ちの20mm F1.4は遠景で周辺部が甘かったり、軸上色収差の影響が残っていたりするものの、ひょっとしたら個体差の問題なのかもしれません。ボケは確かに綺麗で、F1.2 PROと同じように輪郭が溶ける様な描写となっています。LEICA DG 25mm F1.4のようなパンチはありませんが、透明感のある描写を楽しむことが出来ます（言語化し辛いのですが、体感としてハイライトの描写が得意に見えます）。

M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO 最新情報まとめ