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Mr.Ding Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II レビューVol.1 外観・操作 編

Mr.Ding Studio「Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II」のレビュー第一弾を公開。今回はレンズの外観や操作性、カメラに装着してMFの使いやすさなどを確認しています。

Noxlux DG 50mm F1.1 E58 IIのレビュー一覧

おことわり

今回は2ndFocusより無償貸与の「Mr.Ding Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II」を使用してレビューしています。提供にあたりレビュー内容の指示や報酬の受け取りはありません。従来通りのレビューを心がけますが、無意識にバイアスがかかることは否定できません。そのあたりをご理解のうえで以下を読み進めてください。

まえがき

2022年に「SYOPTIC 50mm F1.1」として登場し、その後に改良・リブランドされた「Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II」が2023年末にリリース。今年に入って、国内代理店の2ndFocusが取り扱いを始めたレンズです。初期型は絞りリングの回転方向がフォクトレンダーとは逆でしたが、II型では同じ回転方向で操作することが可能。

  • 公式ウェブサイト
  • 正規代理店:2ndFocus
  • 発売日:2024.2.2
  • 初値:
  • マウント:Leica M
  • フォーマット:フルサイズ
  • 焦点距離:50mm
  • レンズ構成:6群8枚
  • 開放絞り:F1.1
  • 最小絞り:F16
  • 絞り羽根:11枚 円形絞り
  • 最短撮影距離:0.7m
  • 最大撮影倍率:不明
  • フィルター径:58mm
  • 手ぶれ補正:-
  • テレコン:-
  • コーティング:不明
  • サイズ:63×64mm
  • 重量:390g
  • 防塵防滴:-
  • AF:MF限定
  • 付属品:レンズフード・キャップ

ダブルガウスタイプの発展型となる6群8枚のレンズ構成を採用。構成中には1枚の低分散ガラスと4枚のランタノイド光学ガラスを使用しているとのこと。MTF曲線から高解像レンズとは言えないものの、フレームの広い範囲で安定した結果が得られているように見えます。

価格のチェック

国内での販売価格は7.7万円。主な競合製品は「NOKTON 50mm F1.1」「7Artisans 50mm F1.1」あたりでしょうか。NOKTONよりも安く、7Artisansよりも高い。謎のブランドの50mm F1.1に7万円は躊躇してしまうものの、このクラスとしては珍しく低分散レンズを使用。結果として、どのような描写が得られるのかは今後のレビューで確認していきたいと思います。

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外観・操作性

外観

レンズは総金属製のしっかりとした作り。表面はアルマイト処理が施されているので傷がつきにくくなっています。ピント位置や絞り値の表示はプリントではなく、エッチング加工の上で塗装されています。長期的な使用で表示が消えてしまう可能性は低い。

プラスチック製の外装を採用したレンズと比べると重めですが、高級感が得られる適度な重厚感と捉えることもできます。重いと言っても390gですので、一日中の撮影でも苦になることはありませんでした。

レンズには同じ種類の加工が施されたフォーカスリング・絞りリング・滑り止めを備えています。一見すると区別が難しいようですが、実際に触ってみると、凹凸やリングの幅が異なるため、触感で識別が可能。

ハンズオン

前述したように、(ミラーレス用レンズと比べると)50mm F1.1としてはコンパクト。重さも390gと適度で、過度に重たさは感じません。

前玉・後玉

凸形状の前玉を加工用に58mmフィルターソケットを配置。前玉が突出しているので、クローズアップフィルターなど特殊形状のフィルターを装着する際は接触しなように注意したほうが良いでしょう。レンズに関して、どのような種類のコーティングが施してあるのか不明。フッ素コーティングの記述も無いので、水や汚れの付着が想定される場合は保護フィルターの装着がおススメ。

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金属製のレンズマウントは4本のビスで本体に固定されています。

フォーカスリング

金属製のフォーカスリングは「0.7m ~ ∞」のピント位置を約90°のストロークで操作可能。NOKTONと比べて遜色のない抵抗・滑らかさで回転します。小さな力での繊細な微調整も可能。

絞りリング

金属製の絞りリングを搭載。F1.1からF16まで、ほぼ1EV刻みでクリック付きの操作が可能(F11は省略されています)。絞り表示の間で固定することもできますが、クリックを解除することはできません。

レンズフード

58mmフィルターソケットの外側にねじ込み式のレンズフードが付属。この状態でも一般的なフィルターであれば装着可能ですが、外側に枠が膨らむフィルターの場合は干渉する可能性があります。

ちなみに、付属のかぶせ式キャップはフード装着を前提としたサイズになっています。フードを取り外した状態でかぶせ式キャップを装着しようとしても、緩すぎて固定することができません。通常のつまみ式キャップを用意しておく必要があります。

装着例

M型ライカがないのでアダプター経由でライカLマウントカメラに装着。フルサイズ対応の50mm F1.1としては小型軽量で、一眼レフ用の50mm F1.4と同程度か小さいくらい。従来通り、最短撮影距離が0.7mと長めですが、ヘリコイド搭載アダプターであれば撮影距離を短縮することが可能。

MF

フォーカススピード

適度なトルクとストロークで滑らかに回転するので、MFレンズとしては快適なほう。とは言え、F1.1の薄い被写界深度を使ったピント合わせには苦労します。また絞り開放は球面収差や軸上色収差の影響が残っているので、ピントの山が少し分かりにくくなっています。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

スライドショーには JavaScript が必要です。

繰り出し式フォーカスということもあり、0.7mの最短撮影距離ながら目に付く画角変化が発生。

まとめ

静止画向けのMFレンズとして、適切なトルクの絞りリングとフォーカスリングを搭載。外装の作りも悪くなく、全体的に致命的な欠点は無いように見えます。敢えて言えば。価格設定を考慮すると絞りは1/2段刻みにしてほしかったところ。光学性能はテスト中ですが、基本的にはダブルガウスらしい傾向。像面湾曲は良く抑えられていますが(悪化するポイントがあるので後日レビュー)、四隅に向かってコマ収差の影響が強くソフトな画質。絞ると大幅に改善しますが、フレーム全域で良好な結果を得るにはF8まで絞りたいところ。軸上色収差はこのクラスで遜色のない結果。肝心のボケはどうかというと、癖はあるものの面白いレンズ。球面収差がやや強めに残存しており、後ボケよりに柔らかいボケを得ることができます。撮影距離が長めでも同傾向が続き、前ボケは強めの2線ボケとなるので注意が必要です。

購入早見表

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作例

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