悩めるニコン最新ピクチャーコントロール
Nikon Z 7・Z 6が正式発表され、最新プロセッサEXPEED 8を実装し、ピクチャーコントロールには「ミドルレンジシャープネス」が追加されましたね。
ピクチャーコントロールには既に「輪郭強調」「明瞭度」と言ったディテールに影響する設定値が存在します。これに加えて「ミドルレンジシャープネス」をどのように使ったら良いのか悩むところですね。
今回はそんな新機能を従来の設定値を同時に検証しながら使い方を模索していきたいと思います。
Index
各設定を個別にチェック
今回は画像処理の影響度合いを確認するため、同じRAWファイルから数値を再調整して現像・比較しています。ベースとなるRAWファイルのEXIFは以下の通り。
- Nikon Z 7+Z NIKKOR 24-70mm F4 S
- 70mm F8
- ISO 100
- 1/20秒
- AWB
- スタンダード(輪郭強調・明瞭度・ミドルレンジシャープネス全て「中間」)
輪郭強調
数字が小さいほどソフトな画像になり、大きいほどくっきりとした画像になります。たとえば、子どもや女性のポートレートをやわらかい印象にしたいなら弱めに、険しい山のシャープさを強調したいときには強めに設定します。この作例では、羽のやわらかさを表現したり、羽の一本一本をシャープに見せることで質感を強調したりできます。
効果が弱いとピントが外れているかのように甘くぼやけた描写となるようです。反対に効果を強めるとディテールがハッキリしていますね。
オーソドックスなシャープネスの調整として使うことが出来そうです。
強弱比較
明瞭度
数字が小さいほどソフト感が増し、大きいほどクリアー感が強くなります。[輪郭強調]が被写体の輪郭(エッジ)を強調したり、ソフトにしたりするのに対し、[明瞭度]はシャドー側とハイライト側の階調をできるだけ保持した感じの状態で画像をくっきりさせることができます。また、コントラストを調整すると、シャドー部やハイライト部の明るさが変わりますが、[明瞭度]ではオリジナル画像の明るさがあまり変わらないという特長も持っています。靄(かすみ)がかかったような被写体をディテールを保ったままくっきりさせたいとき、それとは逆にぱっきりとし過ぎて硬い感じがする被写体を、やわらかく優しい雰囲気に仕上げたいときなどにも効果的です。
輪郭強調と異なり、最低効果でもディテールは維持されていますね。効果を高めるにつれディテールの線が太くなっていくようです。
人物撮影時は弱めに設定することで「美肌モード」のような効果を得ることが出来るはず。
強弱比較
ミドルレンジシャープネス
[ミドルレンジシャープ]は、画像の精緻な部分や被写体の輪郭部分に効果的な[輪郭強調]と、画像全体や太めの線に効果的な[明瞭度]の、中間の細かさの模様や線に対してシャープネスを調整できます。
ニコンの説明文通り、輪郭強調と明瞭度どちらの特性を併せ持つ設定値のようです。その分数値に対しての効果量は「輪郭強調」「明瞭度」より少なく感じます。
「輪郭強調」もしくは「明瞭度」で表現したい設定値の微調整として使うことが出来そうです。
強弱比較
設定値を複合的に変化させる
輪郭強調+5・明瞭度ー5・M.R.シャープ-5
輪郭強調により、マイクロコントラストが強めの箇所はディテールが維持されています。
しかし、もともとマイクロコントラストが弱めだった箇所はディテールが綺麗サッパリ無くなっていますね。
輪郭強調-5・明瞭度+5・M.R.シャープ-5
「ディテールのエッジが損失しているものの、芯がハッキリしている」とでも言えば良いでしょうか。デジタルっぽさが弱く自然な描写のように感じます。
輪郭強調-5・明瞭度-5・M.R.シャープ+5
イマイチぱっとしませんが、他2つよりは使いやすい描写傾向。
全て最低効果
ソフトフィルターを噛ましたかのような描写となります。
ドリーミーなポートレートや植物の写真を撮りたい時にここを起点として調整すると良いかもしれませんね。主に調整する項目は「輪郭強調」か「ミドルレンジシャープネス」が良いでしょう。
全て最高効果
ディテールを強調したい工場写真やお爺さん・御婆さんポートレートに適してそうな描写です。
癖が強すぎると感じたら「明瞭度」を弱めると効果的。
迷ったら「クイックシャープ」
ニコンはミドルレンジシャープネスの実装と同時に、3つの要素をバランス良く変動させる「クイックシャープ」機能を追加しています。
クイックシャープの動きを見ると、輪郭強調と明瞭度の数値をほどほどに、ミドルレンジシャープネスを大きく動かして調整しているようです。個性的なシャープネスではありませんが、使いやすい描写となっています。
迷ったらクイックシャープで調整し、さらに好みの設定値を追い込むスタイルで良いかもしれません。
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