オリンパス製ミラーレス「OM-D E-M5 Mark III」の徹底レビュー第6回目。今回はE-M5 Mark IIIで連写撮影時のバッファやドライブについてレビューするページを公開しました。
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E-M5 Mark III ドライブ&バッファ レビュー
仕様の確認
E-M5 Mark III | E-M1 Mark II | |
シャッター速度 | 60?1/8,000秒 | |
電子先幕シャッター | 60?1/320秒 | |
電子シャッター速度 | 60?1/32,000秒 | |
フラッシュ同調 | 1/250秒以下 | |
高速連続撮影 AF/AE固定 | 約10コマ秒 (メカ) 約30コマ秒 (電子) |
約15コマ秒 (メカ) 約60コマ秒 (電子) |
高速連続撮影 AF/AE追従 | 約6コマ秒 (メカ) 約10コマ秒 (電子) |
約10コマ秒 (メカ) 約18コマ秒 (電子) |
連続撮影枚数 | RAW 23コマ (30fps) RAW 150コマ (10fps) |
RAW 102コマ (15fps) RAW 321コマ (10fps) |
プリ連写機能 | プロキャプチャー 最大14コマ |
プロキャプチャー 最大35コマ |
バッファが小さい
上位機種である「OM-D E-M1X」「OM-D E-M1 Mark II」と比べて明らかに見劣りするポイント。どちらも「SD UHS-II」メディアに対応していますが、E-M5 IIIはバッファが小さく連続撮影枚数が約半分となっています。
とは言うものの、10コマ秒連写でRAW150コマを連続撮影できるパフォーマンスがあります。ひと昔前のスポーツ向け一眼レフカメラのことを考えると、特に問題とならない人が大多数のはず。(ただし注意点があるので後述します)
個人的に大きく影響するポイントはプロキャプチャーモードにおけるプリ連写の最大保存コマ数。
「プロキャプチャー」はシャッターボタンを全押しする前の瞬間を撮影できるプリ連写機能としてシャッターチャンスが読めない被写体に対して非常に有効な機能です。最大35コマ撮影できるE-M1 IIやE-M1Xでも、60fps連写で0.5秒のシャッターラグしか許されないピーキーな機能ですが当たると大きい。比較して連写速度が遅く、最大保存枚数が少ないE-M5 IIIはプロキャプチャーで圧倒的に不利と感じます。
最高連写速度が遅い
遅いと言っても、この価格帯のレンズ交換式カメラとしては遜色ないパフォーマンスです。18コマ秒のAF/AE追従連写や60コマ秒のAF/AE固定連写が可能なE-M1 IIやE-M1Xが驚異的と言うべきでしょう。
とは言うものの「E-M1 IIと同じプロセッサー・イメージセンサーを搭載しているのだから、連写速度に制限をかける必要無かったのでは?」と感じてしまうのは確か。(バッファが小さいので一瞬にして詰まってしまうでしょうが…)
実写動画で確認
- OM-D E-M5 Mark III
- M.ZUIKO 60mm F2.8 Macro (F2.8)
- Transcend SDHC 32GB Class10 UHS-II V90 TS32GSDC700S
- RAW+JPEG SF
- ISO 200
- 1/320s
ファイル出力形式に注意
動画を見てお気づきの方もいるかと思いますが、仕様と比べて明らかに連続撮影枚数が少なくなっています。
- 連写H 10fps 57コマ(仕様だと150コマ)
- 連写L 6fps 63コマ(仕様だと∞)
- 静音連写H 30fps 測定不能(仕様だと23コマ)
- 静音連写L 10fps 29コマ(仕様だと150コマ)
「おや?」と思って確認してみると…、仕様表は「RAW」出力時の撮影枚数であり、実写テスト時は「RAW+JPEG SF」で出力していました。
試しに「RAW」出力でテストしてみると、概ね仕様表通りの連写枚数となります。
つまり、連写・コマ数重視の撮影時はJPEG出力をオフにして臨むとバッファ詰まりが大幅に改善して撮影テンポを改善することが出来ます。
バッファクリアは流石のUHS-II
(センサーサイズを問わず、ここ最近のカメラとしては)低画素な2000万画素センサーを搭載しており、ファイルサイズが小さくバッファクリアは非常に高速。
前述したようにRAW+JPEG出力であっと言う間にバッファが詰まってしまったとしてもすぐに解消します。連続的に膨大なコマ数を要求しないような撮影シーンであればRAW+JPEGのバッファ量で問題無いはず。
雑感
「RAW+JPEG」時に連続撮影枚数が大幅低下する、という部分に気を付けておけば特に大きな問題はありません。RAW出力のみで使えばバッファは必要十分な量は確保されているはず。
バッファサイズは許容できるものの、最速連写速度を制限してしまったのは残念なポイント。せっかくローリングシャッターの影響が少ない高速読み出しが可能なセンサーを搭載しているのだから、ここで出し惜しみは痛い。18コマ秒の追従連写速度があれば、E-M5 IIIの価格帯における強みとなりそうなものですが…。
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参考:E-M1 Mark II・E-M1X
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