このページではオリンパスの最新ミラーレス「OM-D E-M5 Mark III」のレビューを掲載しています。3回目となる本記事ではE-M5 Mark IIIの外観と操作性について。
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OM-D E-M5 Mark III 外観・操作性
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外観
E-M5 Mark III | E-M5 Mark II | |
ボディ材質 | プラスチック | マグネシウム合金 |
ボディサイズ 幅 | 125.3 | 123.7 |
ボディサイズ 高 | 85.2 | 85.0 |
ボディサイズ 奥 | 49.7 | 44.5 |
質量(メディア・バッテリー含) | 414g | 469g |
質量(ボディのみ) | 約366g | 417g |
防塵防滴 | 対応 | 対応 |
動作温度 | -10?40 ℃ | -10?40 ℃ |
マグネシウム合金外装だったE-M5 Mark IIと異なり、Mark IIIはプラスチック外装。手に取った時の質感や塊感はMark IIと比べて少し劣る。
しかし、エントリーミラーレスに多い「プラスチックボディらしい”軋みやたわみ”」は全くなし。剛性はとても良好に感じます。
素材の軽量化により、Mark IIと比べて50g軽く、E-M1 Mark IIより150g軽く、E-M10 Mark IIIと同程度となっています。個人的にはそこまで軽量化にこだわらずマグネシウム合金ボディを維持して欲しかったものですが…。とは言え、この50gの軽量化が必要な人にとって重要な改善と言えるでしょう。
プラスチック外装ながら防塵防滴仕様。このサイズのミラーレスでプラスチック外装の防塵防滴カメラは少ないはず。小型軽量化と防塵防滴仕様の両立は我々が思っている以上に難しかったかもしれませんね。
レンズ装着例
小型軽量ボディと言うこともあり、PROシリーズのズームレンズは不向き。適しているとすれば「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」くらいのはず。PRO単焦点レンズもやや大きく感じるかも。
やはりボディサイズを活かした軽量単焦点レンズとの相性がGood。似たスペックのE-M1 Mark IIやE-M1Xと比べて明らかにシステムサイズが小さくなる携帯性は強み。
2000万画素センサーは活かせないかもしれませんが、「M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6」「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」と言った小型ズームレンズと組み合わせるのも良いでしょう。
カメラグリップ
Mark IIと比べて前後ともに少しグリップサイズが大きくなっています。抜群に握りやすくなったとは言えないものの、「改善した」と少なからず感じます。
さらにしっかりとしたグリップが必要な場合は別売りパーツ「専用外付けグリップ ECG-5」を購入すると良いでしょう。E-M1 Mark IIと似たハンドリングとなりますが、収納サイズもそれなりに大きくなってしまう点には注意。さらにMark IIの外付けグリップと異なり追加バッテリーグリップを装着できません。
専用外付けグリップ ECG-5 | |||
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全体的に小さなカメラボディなので、両手でしっかりと掴むことが出来ます。もちろん片手での操作も比較的容易。
サイズが小さいので方向ボタンは操作し辛い。
E-M1Xのようなフォーカスレバーはありません。しかし、グリップからモニターまでの位置が比較的近く、AFターゲットパッド(ファインダー使用時にモニターのタッチ操作)が使いやすい。ターゲットパッドの操作領域が右半分固定なのが非常に残念。
コマンドダイヤル
従来と同様のローレット加工が施された金属製ダイヤルとなっています。指の掛かりは良いものの、爪とぎのような感触で少し痛いです。
回転操作の抵抗感がやや強めなので誤操作は少ない。
従来のオリンパスOM-Dシリーズと同様、Fnレバーと連動してダイヤルの役割を変更することが可能となっています。
自然なカメラグリップの状態でダイヤル操作可能。ただし、リアダイヤルを操作する時はサムレストに押しあてた親指付け根の固定が少し甘くなります。使用頻度が多い操作はフロントダイヤルへ割り当てたほうが使いやすい。
カメラ上部のボタン
Mark IIと比べて操作性が大きく変化したポイント。
E-M1 Mark IIに近い操作性を意識しているのは明らか。モードダイヤルは右肩へ移動し、E-M1系と似たデザインのボタンが左肩に加わりました。
どのボタンもカスタマイズ可能となっており、E-M1 Mark IIではカスタマイズが限定的だった左肩2ボタンの自由度が増しています。(ただし、E-M1系のように前後ダイヤルを操作してカメラ設定を変化することができる機能はありません)
前面・背面ボタン
Mark IIと同じように、前面には初期設定でプレビュー機能を割り当てたボタンが一つあります。自然なグリップ状態で押しやすい配置となっているので操作頻度の高い機能を登録しておくと良さそう。
背面ボタンは前述した通り、カメラをグリップすると親指の付け根付近となるので非常に操作し辛い。片手での操作は非現実的なので、左手でカメラを支えつつボタン操作することになります。(左手が使える状態ならば特に問題無し)
背面ボタンでボタンカスタマイズに対応しているのは方向ボタンと「AEL」「ISO」の3カ所。従来通り方向ボタンに割当できる機能は他と少し違うので優先的に決定しておきたいところ。
右肩のボタン二つは少し押し辛い。露出補正ボタンはまだしもRECボタンは意識して指を動かさないと厳しい。
ファインダー
E-M5 Mark III | E-M5 Mark II | |
ファインダー方式 | OLED | 液晶 |
ファインダー解像度 | 236万ドット | 236万ドット |
視野率 | 約100% | 約100% |
アイポイント(mm) | 27mm | 21mm |
最大ファインダー倍率 | 0.69 | 0.74 |
視度調整範囲 | -4?+2m-1 | -4?+2m-1 |
E-M1・E-M5系のカメラとしては初となるOLEDパネルを採用しています。(パネルはE-M10 Mark IIIと同じ?)
液晶と比べてコントラストと彩度が高いので、見慣れない内は違和感を覚えるはず。慣れてしまえば視認性が良く、ピント位置の把握はし易いと感じます。ただしリフレッシュレートは固定されており、E-M1 Mark IIやE-M1Xの120fpsと比べると滑らかさで劣る印象。
ファインダー倍率はMark IIと比べて小さくなっているものの、アイポイントが27mmと異様に長いので眼鏡を装着したまま余裕でファインダーを確認することが可能です。
大型アイカップ EP-16 | |||
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アイカップ EP-15 | |||
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大型アイカップ
安かったのでE-M5 Mark III用大型アイカップ「EP-16」を購入。E-M1 Mark IIの大型アイカップ「EP-13」とは別物なので注意。
EP-13ほどのサイズではありませんが、初期装備「EP-15」と比べると深く、広いアイカップとなっています。深底アイカップですが、アイポイントが長いのでケラレは発生しません。眼鏡装着したままでもギリギリ四隅まで見えます。
目に当たる部分が直線的な形状となっているのでEP-13ほど目にフィットしません。正直に言うと、EP-13のような「使いやすい!」という感動はありませんでした。よほどファインダーの遮光性を重視していなければ買い足す必要はないかなと。
大型アイカップ EP-16 | |||
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モニター
E-M5 Mark III | E-M5 Mark II | |
リフレッシュレート | 不明 | 不明 |
モニター形式 | TFTカラー | TFTカラー |
モニター解像度(ドット) | 約104万ドット | 約104万ドット |
モニターサイズ | 3.0型 | 3.0型 |
可動方式 | バリアングル | バリアングル |
タッチパネル | 対応 | 対応 |
従来通りの3.0型 104万ドット液晶バリアングルモニタ。特にこれと言った変更点は無し。
同じく従来通りの仕様として、バリアングルモニター展開時に自動でアイセンサー無効とはなりません。他社ではアイセンサーの動作を設定できるカメラもあるので導入して欲しいところ。
フラッシュ
フラッシュを内蔵していない代わりに外付けフラッシュ「FL-LM3」が付属します。専用の巾着袋もあったりする。
パワーは一般的なカメラ内蔵フラッシュと変わりませんが、前後左右に発光方向を変化させることが可能。自由なバウンスを可能とするフラッシュが付属しているカメラを他社で見たことが無いので地味に強みとなるポイント。
コマンダー機能にも対応しているので意外と便利。
SDカードスロット
小型軽量ミラーレスいおいて、SDカードスロットはバッテリー同室が主流。そんな中、E-M5 Mark IIIは前モデルと同じくカメラ側面にSDカードスロットを配置しています。三脚やカメラケースを装着してもSDカードを交換しやすいのはGood。
SDカードの向きは前モデルと裏表逆になっているため注意が必要。
防塵防滴仕様らしく、内部は浸水しないように対策が施されています。
バッテリー・追加グリップ
E-M5 Mark III | E-M5 Mark II | |
バッテリー | BLS-50 | BLN-1 |
追加グリップ | ECG-5 | HLD-8 ECG-2 (アルカスイス互換) |
USB充電 | 対応 | - |
USB給電 | - | - |
撮影可能枚数 静止画 |
約310枚 | 約310枚 |
撮影可能枚数 動画 |
約60分 | 80分 |
従来の「BLN-1」バッテリーではなく、PENやE-M10で使用している「BLS-50」を使用しています。ややグレードダウンしていますが、カメラの省電力化で継続能力は前モデルと同等となっている模様。E-M1 Mark II・E-M1Xの「BLH-1」を使っている身としては少し物足りない感じがします。
Mark IIは追加バッテリーグリップでBLH-1を2個使用できましたが、このモデルには追加バッテリーグリップが用意されていないので注意。その代わり、USB充電に対応したのでモバイルバッテリーなどを用意しておくと良いでしょう。ただしUSB給電には対応していないので連続使用する場合には予備バッテリーが欲しいところ。
追加グリップはECG-5のみ。Mark IIのECG-2のようにアルカスイス互換の切り込みはありません。ただし、HLD-8のように追加グリップ上にコマンドダイヤルを搭載しています。
リチウムイオン充電池 BLS-50 | |||
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アクセサリポート
カメラ左側面には「USB2.0 Micro B・HDMI D・3.5mm マイク・2.5mm リモート」の4端子を備えています。バリアングルモニタを展開すると干渉する可能性が高いので注意が必要。
底面のECG-5用端子。バッテリーグリップに対応していないためか、E-M5 Mark II用と比べると明らかにピンの数が少なくなっています。
雑感:小ぶりながらオリンパスらしい1台
E-M1 Mark II・E-M1Xとハイグレードモデルは大型ボディの投入が続きましたが、久しぶりに小型軽量な「これぞマイクロフォーサーズ」と感じるカメラボディが登場しました。
小ぶりなボディながら、頑丈で防塵防塵防滴仕様。さらにグリップを始めとした操作性の犠牲が最小限となっており、上手くまとめています。
OM-D E-M5 Mark IIIの価格設定を考えると、「プラスチック製ボディ」「バッテリーグリップ非対応」という点が主なマイナスポイント。「AFターゲットパッド」がモニター右半分固定となっているのはファームウェアアップデートでなんとかして欲しいところ。
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参考:E-M1 Mark II・E-M1X
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ボディ | |||
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OM-D E-M1X | |||
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