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カメラ機材の栞 Vol.10 PERGEAR CFexpress Type A 260GB

日々の増えてゆくカメラ関連機材の中で、個人的に気になる商品の特集記事。第十弾の今回はPERGEARの「CFexpress Type A 260GB&カードリーダー」をピックアップ。

PERGEAR CFE-A

主な仕様

  • 80GB
    ・最大読み出し速度:800MB/s
    ・最大書き込み速度:800MB/s
    ・最低持続書き込み速度:600MB/s
  • 260/520GB
    ・最大読み出し速度:880MB/s
    ・最大書き込み速度:900MB/s
    ・最低持続書き込み速度:400MB/s
  • 3D TLC NAND
  • 重量:3g
  • 動作温度:-10 ~ 70℃
  • 対応フォーマット:~8K 30p
  • 保証期間:5年間

ポイント

ここが良さそう

  • まだまだ高価なCFexpress Type Aの中では安い
  • 製品紹介通りであればコストパフォーマンスの高い仕様
  • 最低持続書き込み速度の明記

ここが気になる

  • 謎のブランド
  • VPG400とは言及していない

CFexpress Type Aはソニーのデジタルカメラ「α7シリーズ」や「FXシリーズ」の最新モデルで対応している次世代のメモリーカードですね。SD UHS-IIと同程度のサイズで、より高速読み出し・書き込みを実現しています。サイズが大きいCFexpress Type Bと比べると速度が遅いものの、カメラのコンパクトサイズを維持しつつ導入したい場合は有利と言えるでしょう。

悩ましいのはメモリーカードの相場。初期のCFexpress Type AラインアップはソニーToughとProGrade Digital COBALTのみとなっており、どちらも容量に対して高めの価格設定(高性能ではあるのですが)。ここ最近でこそ、より安価な選択肢が増えてきたものの、CFexpress Type Bほどではありません。

その中で、PERGEARはCFexpress Type Bに近い低価格を実現。メモリーカードの性能を考慮するとSD UHS-IIの64/128GBよりもコストパフォーマンスの高い選択肢と言えそうです。

実際に使ってみた

おことわり

今回はPERGEARからの無償提供となります。と言っても、無償提供にあたり、レビュー内容の指示や金銭の授受は発生していません。また、比較するメモリーカードなどは実費で購入しています。無意識のバイアスがかかっている可能性は否定できませんが、そのあたりは過去のレビューを参考にしながら「このブログは無償提供の製品レビューでも信頼できる」と思ったら読み進めてください。

箱と中身

PERGEARらしい赤を基調としたデザインのパッケージ。箱の材質は珍しく木を採用しています。どこを見ても「CFexpress Type A」の記載はなく、「CFE-A」と短く表記。これについて「CFexpress」の名前やロゴを「記載できない」のか「記載していない」のか不明。

パッケージは「原装正品」と書かれたシールで封されています。と言っても剥がして跡が残るわけでもなし、シールを再度張り付けることも可能です。

箱の中にはそれぞれCFexpress Type Aメモリーカードとカードリーダーが入っています。CFexpress Type A用としてはパッケージサイズが大きいですが、これはメモリーカードリーダーやCFexpress Type Bとパッケージの材料を共有しているためと思われます。

CFexpress Type A 260GB

放熱性を意識しているのか、表面は金属製のカバーを仕様。パッと見た外観は他社のCFexpress Type Aカードとほとんど同じです。違うとすればCFexpressのロゴが入っていないことくらい。

同社のType Bカードもあったのでサイズを比較。Type Aのほうが圧倒的にコンパクトで、小さなカメラボディにも収まりやすいデザインと言えるでしょう。今のところType Aはフルサイズのα7シリーズのみですが、将来的にはAPS-Cやマイクロフォーサーズシステムでも採用して欲しいところ。(個人的にはType Bでも構いませんが)

追記

CinemaラインのFX30(APS-C)もCFexpress Type A 対応モデルでした。

ProGrade Digital COBALTとの比較。COBALTはCFexpressのロゴとVPG400のロゴあり。「書き込み速度」はCOBALTのほうが高速ですが、PERGEARの数字は「持続書き込み速度」となっている点に注意。メモリーカードに記載はありませんが、PERGEARは「3D TLC NAND」、COBALTは「pSLC」を採用。耐久性が高いのはpSLCですが、価格差を埋めるほどの価値を見出せるかどうかは個人差があると思います。

メモリーカードリーダー

メモリーカード単体に+4000円前後の追加でカードリーダーが付属します。1万円前後のリーダーが多い中では手ごろな価格設定。前面にはSDカードスロットを備え、側面でCFexpress Type A(やはりCFE-Aと表記)に対応。

ケーブルは本体に固定されているので交換できません。基本的にはC端子で、C-Aアダプターを連結可能。他の用途でC-Aアダプターを使えないように短めのストラップで固定されています。USB3.1対応製品ですが、転送速度に関する記述は見当たりません。

実写テスト

環境

  • カメラ:α7R V(6100万画素)
  • レンズ:FE 20-70mm F4 G
  • 露出:Mモード ISO 100・F4・1/8000秒
  • フォーカスモード:MF
  • 5/10/15秒の「高速連続撮影 Hi+」で撮影できたコマ数を記録
  • 非圧縮RAW 出力(1ファイル 約120MB)

PERGEAR CFE-Aのテスト

撮影時間 5秒 10秒 15秒
メカ 34 66 89
電子 22 45 67

α7R Vの連続撮影速度は最高で10コマ秒ですが、あくまでもこれは「圧縮RAW+メカニカルシャッター」使用時の話。ファイルサイズが大きくなる非圧縮RAWでは6.6コマ秒まで低下します。これはカメラ側の問題であって、メモリカード側が原因ではありません(後述)。少なくとも、静止画の連続撮影におけるPERGEAR CFE-Aの使用感でネガティブな印象はなく、pSLCの信頼性が必要なければ快適に利用できるメモリーカードと感じました。

ProGrade Digital COBALTとの比較

メカ Hi+ 5秒 10秒 15秒
PERGEAR 34 66 89
COBALT 34 66 98

同条件でProGrade Digital COBALTと比較。バッファが詰まらない10秒までの連続撮影ではほぼ同じパフォーマンスを発揮。15秒までの間にどちらもバッファが詰まり始めるものの、比較してCOBALTのほうが少し多くコマ数を稼ぐことが出来ました。頑張っても10コマ秒のα7無印やα7Rシリーズならば、大抵の撮影はPERGEARでも問題なく撮影できると思います。

30コマ秒の高速連写に対応しているα1を使う場合、そして少しでもコマ数を稼ぎたい場合はProGrade Digitalを買う価値があると言えるでしょう。どちらにせよ、15秒までにバッファが詰まり始めるため、連写を止めてバッファクリアを待つ必要あり。書き込み速度が倍以上となるCFexpress Type Bと比べると厳しい結果です。

まとめ

CFexpressの名前やロゴの記載がないものの、何の問題もなくカメラで使うことが出来ました。連続撮影中のバッファクリアやコマ数はProGrade Digital COBALTとかなり似ています。ただし、シャッターボタン押しっぱなしで1枚でもコマ数を多く稼ぎたい場合、またはpSLCの耐久性を重視するような場合はCOBALTなど他の選択肢も要検討。もちろん、それなりに高価な買い物になりますが…。

深い考えはなく、「SD UHS-IIよりも高速バッファクリアを体験してみたい」と言った考えであれば、手ごろな価格でパフォーマンスの高いメモリーカードになると思います。

購入早見表

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