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AstrHori 28mm F13 2X Macro Probe ハンズオン【カメラ機材の栞 Vol.12】

日々の増えてゆくカメラ関連機材の中で、個人的に気になる商品の特集記事。第十二弾の今回はAstrHori のプローブマクロレンズ「AstrHori 28mm F13 2X」をピックアップ。

AstrHori 28mm F13 2X

  • ブランド:AstrHori
  • 用途:マクロレンズ
  • 価格:152,850(Amazon 2ndFocus
  • 主なスペック・特徴:
    ・焦点距離:28mm
    ・絞り:F13-T40
    ・レンズ構成:16群21枚
    ・最大撮影倍率:2.0倍
    ・最短撮影距離:0.48m
    ・サイズ:60×457mm
    ・重量:698g
    ・防水:先端部
    ・その他:LEDライト内蔵

ポイント

ここが良さそう

  • 先端が防水
  • 先端にLEDライト搭載
  • 2倍マクロ

ここが気になる

  • 開放絞りがF13
  • 電子接点なし
  • 非常に高価

Rockstarとしても知られている「岩石星」AstrHori ブランドの広角マクロプローブ。開放F値が非常に大きく、広角28mmで2倍マクロに対応する特殊なレンズです。先端が防水仕様となっており、水中や水面など、通常のカメラやレンズでは撮影できないようなシーンに対応

競合レンズはほとんど存在しませんが、VenusOpticsが「LAOWA 24mm F14 2×MACRO PROBE」「LAOWA 24mm T8 2X Macro Pro2be」をラインアップしています(どちらかと言えばLAOWAのほうが早めに着手した分野)。比較してAstrHoriはLAOWAよりも遥かに安く、24mm F14の半値程度で入手可能となっています。T8の明るいLAOWA 24mmも魅力的ですが、販売価格は100万円を超えています。

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実際に使ってみた

おことわり

今回は2ndFocusより無償貸与の「AstrHori 28mm F13 2X」を使用しています。提供にあたりレビュー内容の指示や報酬の受け取りはありません。従来通りのレビューを心がけますが、無意識にバイアスがかかることは否定できません。また、従来よりも使用期間が短く、短期間に集中して試写・テストを実施ています。そのあたりをご理解のうえで以下を読み進めてください。

外観・付属品

レンズ本体は専用のハードケースに分解された状態で収納。組み立てると超望遠レンズ並みの全長となります。中にはウレタン素材の緩衝材に包まれたレンズとキャップ、LEDライト用ケーブルが入っています。

 

レンズ本体は金属製のしっかりとした作り。電子接点が無いので、絞り・フォーカスのフルマニュアル操作が必須。組み立てる先端部は防水仕様。根本付近にLEDライトの電源用USB-Cポートがあります。

 

防水側とマウント側の装着は独自のバヨネット形状。防水側をマウント側に装着したらダイヤルでロックします。接合部周辺からカメラ側は防水仕様となっていないので注意。組み立てた状態は全長がとても長い。超望遠ズームレンズ並みとなり、カメラバッグへの収納が難しい状態です。分解したとしても、防水部分の鏡筒が非常に長いので注意。専用のハードケースで運搬するのが無難。仕様では最短撮影距離が0.48mと長く見えますが、全長が長いのでワーキングディスタンスはほぼありません。撮影時は内蔵しているLEDライトなどで被写体を照らす必要があります。

操作性

絞りとフォーカスリングはマニュアル操作のみ。どちらもフォローフォーカスに対応しています。手で操作する場合、触感が似通っているので誤操作する可能性あり。特に手持ち撮影の場合はカメラを支えながらフォーカスリングを操作するのが難しいです。

 

先端の内蔵LEDライトは付属のUSBケーブルを装着、電源を用意することで点灯可能。開放F13のレンズですが、LEDライトをフル発光させることでISO感度の上昇を抑えることが出来ます。ただし、硬いLED光は金属面や水面などに反射して写りこむことがあるので注意が必要です。マクロ撮影時はワーキングディスタンスが短いにも関わらず、最短撮影距離は長め。手持ち撮影をはじめ、三脚で撮影する際も構図の調整が難しい。角度を少し調整しようと思ったら、カメラ側を大きく移動させる必要があります。

実写

花や昆虫の0.5-1.0倍程度のマクロでは中央からフレーム隅まで安定感のある画質が得られます。ただし、倍率色収差の影響が非常に目立つのでカメラ側での補正は必須に近い。解像性能のピークは絞りが「F13」ということもあり、あまり期待しないほうが良いです。特に高解像センサーとの相性が悪く、どちらかと言えば高ISOに強い低解像センサーの機種と組み合わせるのがおススメ。悪くは無いですが、数値的な結果を求めるにはお門違いなレンズ。拡大すると描写の甘さが分かるものの、ウェブやスマホサイズの動画視聴用と考えれば特に問題ありません。必要十分な性能です。それよりも、「F13」の開放絞りに対応するためISO感度が上がりやすく、カメラ側の高ISO性能が画質の足を引っ張ります。内蔵LEDライトやビデオライトなどで光量を上げないと厳しい印象あり。特に手持ち撮影の静止画では苦労します。さらに撮影倍率を高めると、等倍マクロでは撮影できない面白い写真を撮ることが出来ます。また、広角28mmのF13と言うこともあり、被写界深度が深く使い勝手は良好。ただ、実効F値が高くなり、日中でもISO 1600や3200を使うことになります。被写体ブレ・手振れを防ぐためにも高速シャッタースピードが必要。防水仕様と言うこともあり、積極的に水辺にアプローチできるのが本レンズの特徴。水中にレンズを突っ込むのもアリですが、水が噴出したり流れている面に近寄るのも面白い撮影体験になると思います。

細長いレンズのため、カメラ本体や太いレンズでは入らないような隙間に突っ込んで撮影することも可能。やはり光量がネックとなりますが、ISO感度やフラッシュ、LEDライトなどで対応可能。屋内であれば三脚でじっくり撮影するのがおススメです。F13と暗いレンズですが、2倍マクロを活かすことで背景をぼかすことは可能。ボケが綺麗なレンズとは言えませんが、玉ボケのムラを許容できるのであれば特に大きな問題はありません。内蔵のLEDライトは太陽を背にした逆光時、日陰となる被写体の顔を照らす程度には明るいです。もちろん接写時限定ですが、マクロ撮影では有用と感じました。逆光耐性は御覧の通り。悪くはありません。どちらかと言えば動画用のレンズだと思いますが、静止画用としても面白い写真が撮れると感じました。特殊な形状と操作性、内蔵LEDの使用に慣れが必要ですが、撮り方が分かってくると想像力を刺激されるレンズです。

まとめ


カメラメーカーや国内レンズメーカーでは体験できないマクロ撮影が可能となるレンズ。
非常に特殊ですが、この種のレンズとしては手ごろな価格設定。これ以上安いマクロプローブレンズはありません。そのうえで、13万円が安いと感じたらおススメでき、高いと感じたら普通のマクロレンズを検討すると良いでしょう。(同価格帯でカメラメーカーのマクロレンズも購入可能)実際に水中に突っ込んだり、水飛沫を浴びたり、動物に舐められるくらい近寄って撮影しました。最初こそ抵抗がありましたが、水に漬かっても浸水することは無く、前玉は思いのほか綺麗な状態を維持しています。13万円のレンズでラフな使い方に躊躇しなければ、普通のマクロレンズよりも楽しい。一般的なマクロレンズと比べると、完璧からは程遠い光学性能。しかし、それでもウェブや小さめのプリント、動画撮影では気にならない程度の問題です。欠点は色々とありますが、それ以上に貴重な撮影体験を提供してくれるレンズと言えるでしょう。前述したように、高解像カメラよりも、高ISO感度に強いカメラがおススメです。欠点を挙げるとしたら、それは「28mm」がやや狭くて中途半端であること。
28mmの画角は被写体に視線を集中する分には丁度良いと感じますが、ダイナミックな広角マクロを撮影するにはちょっと狭い。広い画角で周辺環境を意識したマクロ撮影がしたいのであれば「LAOWA 24mm F14 2X MacroProbe」を検討する必要がありそうです。ただし、価格は倍以上となりますが……。

購入早見表

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作例

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