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RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編

キヤノン「RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM」のレビュー第一弾を公開。今回はカメラの外観や操作性、携帯性、AF/MFなどをチェックしています。

RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STMのレビュー一覧

RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STMのおさらい

2023年冬に発売されたキヤノンRF-Sシリーズ4本目となるレンズ。ズームレンジは「EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」と同じですが、全長は約30mmほど短く非常にコンパクトなレンズに仕上がっています。ただし、沈胴構造のため使用時は鏡筒を伸ばす必要があり、開放F値は望遠側が若干暗くなっている点に注意。注意点はあるものの、「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」と同じサイズで携帯性は魅力的と言えるでしょう。

  • 発売日:2023.12.8
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  • フォーマット:APS-C
  • マウント:キヤノンRF
  • 焦点距離:10-18mm
  • 絞り値:F4.5-6.3 ~ F32
  • 絞り羽根:7枚
  • レンズ構成:10群12枚
  • 最短撮影距離:AF時:0.14m (10mm~18mm時)、MF時:0.086m(10mm時)
  • 最大撮影倍率:AF時:0.23倍(18mm時) 、MF時:0.5倍(10mm時)
  • フィルター径:49mm
  • サイズ:約φ69mm×44.9mm(収納時)
  • 重量:約150g
  • 防塵防滴:-
  • AF:STM
  • 手ぶれ補正:搭載
  • その他機能:
    ・沈胴構造
    ・MF0.5倍マクロ

APS-Cミラーレス用のレンズは数あれど、その中でも最もコンパクトなレンズはRF-S10-18mm。サイズと重量以外は平凡なスペックですが、小型軽量なR50などと組み合わせると携帯性の高い広角システムとなりそうです。光学手振れ補正も搭載しているので、ボディ側に手振れ補正がなくとも動画撮影やスローシャッターを使いやすくなっています。

価格のチェック

小型軽量であると同時に、控えめな販売価格も魅力的。妥協点もいくつかあるものの、EOS Mシリーズが空いた穴を埋めるには十分な選択肢と言えるでしょう。

外観・操作性

箱・付属品

従来通り、黒を基調としたRFレンズらしいデザイン。表面にはレンズの製品画像とロゴがプリントされています。中は段ボールで間仕切りされていますが緩衝材はありません。レンズ本体の他、前後のキャップと説明書・保証書が付属。レンズフードは付属していないため、必要であれば別途用意する必要があります。

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外観

全体的にプラスチッキーで、キットレンズを彷彿とさせる質感です。極端に安っぽいわけでもありませんが、安っぽい印象は否定できません。実際(広角ズームとしては)安いので文句を言う筋合いもありませんが…。しかし、それでも5万円に近いレンズではありますので、せめてレンズマウントは金属製が良かったところ。

外装にはキヤノンのロゴや焦点距離などがプリントされています。目立たない色でシリアルナンバーの表示あり。フィルター装着時に写りこみにくいロゴとなっているのがGood。
フォーカスリングとズームリングはどちらもプラスチック製。表面の加工は異なっており、触覚で識別可能。フォーカスモードを切り替えるスイッチなどはありませんが、EOS R7やR10はカメラ側に切り替えスイッチを搭載しています。ズーム操作でプラスチック製の内筒が1cmほど伸びる。最も伸びるのは焦点距離が10mmの時で、ズーム中間域で短くなり、望遠端の18mmで再び少し長くなる。内筒を伸ばした際に顕著ながたつきはありません。

ハンズオン

全長44.9mm、重量150gは「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」とほぼ同じ。他社を含めて、APS-C用の広角ズームレンズの中では特にコンパクトで軽量なモデル。高級感はありませんが、携帯性が良く、カメラバッグの隙間にねじ込むことができる収納性は強み。

前玉・後玉

前面には広角ズームとは思えない小さな前玉を配置。周辺は49mm径のフィルターソケットを搭載。前面にはレンズ名などが記載されているものの、光の反射を抑えるためか白色プリントではなくエッチング加工が施されています。前玉にはフッ素コーティング処理がされておらず、比較して傷や汚れに強くありません。もしもダメージが予想されるシーンならば、フィルターを装着しておいたほうが良いでしょう。

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レンズマウントもプラスチック製。長期的な使用における耐久性が気になるところですが、今のところ問題なし。マウントは4本のビスで固定され、周囲に防塵防滴用のシールはありません。
マウント部にはレンズがマレーシア製造であることが分かる表示あり。レンズ後玉はマウント付近に固定されています。ズーム操作やフォーカシングで前後に動くことはありません。カメラのセンサー付近で空気の移動が少ないのはメリット。

フォーカスリング

細かいローレット加工が施された小さなプラスチック製フォーカスリングを搭載。回転は少し緩めですが滑らかに操作可能。

ズームリング

フォーカスリングと比べると幅が広いズームリングを搭載。沈胴構造となっているため、レンズ格納状態で撮影をすることは出来ません。使用時は10mmまでズームリングを操作する必要あり。沈胴構造にロック機能は無し。

レンズフード

プラスチック製の別売りレンズフードを入手。シンプルな作りで、特にこれと言った特徴はありません。フード内側の反射防止対策も最小限。逆さ付けにも対応していますが、フォーカスリングは完全に見えなくなり、ズームリングも操作し辛くなります。

ケラレ耐性

10mm F16の状態でフィルター無しから重ね付けでケラレるまでを確認。結果として3枚目まではケラレることなく装着することができました。4枚目の装着でケラレが発生するものの、望遠側にズームすると4枚でもケラレを回避することが可能。ただし、これは強制的に歪曲収差が補正されるカメラ出力のJPEGにおける話です。(未補正のRAWではより早くケラレの影響が発生する可能性が高い)

装着例

EOS R7に装着。
ボディサイズが大きめながら、バランスは良好。広角ズームとは思えない携帯性であり、気軽に持ち出すことが出来そうです。EOS R50など普及価格帯のミラーレスと組み合わせることで、さらに携帯性の高いシステムとなりそう。

AF・MF

フォーカススピード

フォーカスは静かで高速なステッピングモーターで動作。最短撮影距離から無限遠まで良好なAF速度を実現し、EOS R7と組み合わせた限りでは非常に快適。大部分のシーンでストレスフリー。後述するフォーカスブリージングが良く抑えられていることも関係しているのかなと予想。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

10mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

驚いたことに、接写性能が高いわりにフォーカスブリージングはほとんどありません。広角ズームレンズは画角変化が大きな製品も多く、これは嬉しい誤算となりました。ただし、接写時に樽型の歪曲収差が強くなり、レンズプロファイルでは補正しきれない収差が目立つようになります。

14mm

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10mmと同じ傾向ですが、歪曲収差の変動が少なく、フォーカスブリージングはほとんど目立ちません。

18mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

14mmと同じ傾向が続きます。

精度

EOS R7との組み合わせで日中・夜間どちらでも問題なし。カメラの測距輝度範囲を下回るような低照度ではパフォーマンスが低下するものの、精度には問題が無いように見えます。

MF

前述のとおり、フォーカスリングは少し緩めですが滑らかに回転。応答性や回転速度はカメラ側で調整できるため、好みの操作性に設定しやすくなっています。

まとめ

レンズのパラメータや外装、付属品の安っぽさは否定できないものの、実際に広角ズームレンズとしては安いので妥協すべき点。その代わり、APS-C用の広角ズームとしては小型軽量で、携帯性に優れたレンズに仕上がっています。EOS R7との組み合わせでAFは非常に快適。低照度や逆光シーンでも良好に動作し、最短撮影距離から無限遠までキビキビとした動作で利用できます。フォーカスブリージングもよく抑えられているので、動画撮影にも使いやすいと感じるかもしれません。フィルターも干渉しにくいため、バリアブルNDフィルターやC-PLフィルターが使いやすいのもGood。光学性能はテストや実際の撮影で確認中。諸収差は残すところを残している印象ですが、そのぶん解像性能は全体的に良好であるように見えます。小型軽量で携帯性が良く、低価格な広角ズームのわりには良くできているなと。

購入早見表

作例

オリジナルデータはFlickrにて掲載

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