キヤノン「RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM」のレビュー第二弾を公開。今回は恒例の撮影地点からレンズの遠景解像性能をEOS R7に装着してェックしています。
RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STMのレビュー一覧
- RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM レンズレビュー 完全版
- RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM レンズレビューVol.6 周辺減光・逆光編
- RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM レンズレビューVol.5 諸収差編
- RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM レンズレビューVol.4 ボケ編
- RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM レンズレビューVol.3 近距離解像編
- RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM レンズレビューVol.2 遠景解像編
- RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
遠景解像力
テスト環境
- 撮影日:2023.12.11 晴天 風あり
- カメラ:EOS R7
- 三脚:Leofoto LS-365C
- 雲台:SUNWAYFOTO GH-PRO II
- 露出:絞り優先AE ISO 100固定
- RAW:Adobe Lightroom Classic CC 現像
・シャープネスオフ
・ノイズリダクションオフ
・レンズ補正オフ
・その他初期設定
10mm
周辺部に倍率色収差の影響こそ残っているものの、全体的にとても良好。絞り開放のF4.5でも中央から隅までシャープ。絞ると周辺部が少しシャープになるものの、絞り開放とほとんど差が無いように見えます。注意点として、これはあくまでも歪曲収差を補正前であること。強めの歪曲収差を補正することで周辺部の画質が低下する可能性があります(Lightroomで検証したいところですが、今のところ補正データがありません)。
中央
F4.5から非常にシャープでほぼピークの状態。絞っても大きな改善はありませんが、コントラストが僅かに改善しているようにも見えます。回折の影響でF11は既に画質が低下し始めているので、被写界深度に問題がなければF8までの使用がおススメ。
周辺
中央と同じくF4.5からピークの状態。絞っても大きな変化はありませんが、5.6-8で少しシャープな結果が得られます。
四隅
小型軽量で低価格な広角ズームの妥協点、かと思いきや意外にも良好。倍率色収差は僅かに残存していますが無視できる範囲内。非点収差やコマ収差の影響は小さく、シャープでコントラストの高い結果が得られているように見えます。絞ってもほとんど変わりませんが、ピークはF5.6-8。
12mm
全体的に10mmと同じ傾向。絞り開放のF5.0から全体的にシャープで、絞りによる改善はわずか。歪曲収差が大きいので補正時に画質低下は避けられないものの、元の画質が良好であれば良い結果を期待できそうです。
中央
10mmと同じく非常にシャープ。何も言うことがありません。
周辺
中央と同じく問題なし。
四隅
中央・周辺部と同じくらいシャープ。
14mm
ズーム中間域も引き続き全体的に良好。F5.6からシャープな結果が得られ、絞る必要性はほとんどありません。回折が発生するまでの絞り値は狭いものの、困ることは無いでしょう。
中央
じっくり観察すると、F5.6の絞り開放がピークであり、絞ると回折の影響で画質が徐々に低下しているように見えます。
周辺
中央と同じく画質のピークは絞り開放付近。
四隅
ズーム中間域でも隅までシャープ。画質の乱れは全くありません。
16mm
中央や周辺部の広い範囲は絞り開放から引き続き良好。ただし、隅が僅かにソフトな画質となっているように見えます。と言っても極端な画質低下は見られず許容範囲内。全体のバランスを整えるならF8がおススメ。
中央
これまで通り絞り開放から非常に良好。
周辺
中央と同じく非常に良好。
四隅
14mmまでと比べるとコントラストがやや低めに見えます。細部のシャープさも若干低下しており、絞っても大幅に改善することはありません。これ以上が必要であれば、カメラ側の画像処理で改善が必要な部分。
18mm
引き続き中央は非常に良好ですが、周辺部から隅に向かって緩やかな画質低下が見られます。絞りによる改善効果が得られる前に回折の影響が強くなるため、F6.3から大きな向上は期待できないように見えます。
中央
シャープでコントラストも高めですが、広角や中間域と比べると精細を欠いているように見えます。細かいこと言わなければ全く問題なし。
周辺
中央と比べると僅かに画質が低下しています。F8まで絞ると僅かに改善。それ以上は回折の影響が強くなります。
四隅
低価格の小型軽量な広角ズームとしては悪くない結果だと思いますが、このレンズで最もパフォーマンスが低下するポイント。ややソフトな画質となり、絞りによる改善は僅か。ピークはF11付近ですが、中央や周辺部は回折の影響で画質の低下が発生します。
まとめ
嬉しい驚きがあったポイント。小型軽量で低価格な広角ズームでどれほど妥協が伴うのか気になっていましたが…。少なくとも解像性能は非常に良好で、特に広角端から中間域は隅まで非常にシャープな結果を得ることができます。望遠側、特に18mmは周辺部から隅の画質低下が強くなってくるものの、それでも顕著な画質の乱れはありません。広角ズームのエントリーモデルとしては面白い選択肢なのかなと思います。
購入早見表
作例
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