キヤノン「RF45mm F1.2 STM」のレビュー第五弾 ボケ編を公開。
簡易的なまとめ
収差を抑えた「綺麗なボケ」からは程遠いものの、価格と開放F値のアンバランスさから「もっと酷い描写」を予想していました。状況によっては背景のボケが騒がしく見えるものの、被写体に近寄ったり、絞りを調整することで回避可能。
RF50mm F1.8 STMと比べて、絞りによる描写の変化に富んでいます。使いこなす面白味を残しつつも、尖りすぎていない(使い辛さを感じない)絶妙なさじ加減。
While it's far from the “beautiful bokeh” with suppressed aberrations, I expected “even worse rendering.” Surprisingly easy-to-use bokeh. Depending on the situation, background blur can appear noisy, but this can be avoided by getting closer to the subject or adjusting the aperture.
Compared to the RF50mm F1.8 STM, it offers richer changes in rendering with aperture adjustments. It strikes a perfect balance—interesting to master without being overly sharp (or difficult to use).
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RF45mm F1.2 STMのレビュー一覧
- RF45mm F1.2 STM レンズレビューVol.5 ボケ編
- RF45mm F1.2 STM レンズレビューVol.4 諸収差編
- RF45mm F1.2 STM レンズレビューVol.3 遠景解像編
- RF45mm F1.2 STM レンズレビューVol.2 解像チャート編
- RF45mm F1.2 STM レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
Index
球面収差
理想的な玉ボケとは
別レンズ(高性能なマクロレンズ)で撮影したもの。
前後の玉ボケに違いはほとんどありません。球面収差が良好に補正されている場合、このような玉ボケが得られます。
F1.2
前後の玉ボケを確認すると、質感が異なることが分かります。球面収差は完璧に補正されていません。前後のボケ質に違いが発生したり、フォーカスシフトの原因となります。
F2
絞りをF2まで閉じると球面収差の影響はほぼ抑えることができます。
前後ボケ
綺麗なボケ・騒がしいボケとは?
ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。
描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。
後ボケ
少なくとも、近距離におけるピント面直後は少し滲むような質感。軸上色収差による色づきが目障りですが、ボケそのものは滑らかで綺麗。
前ボケ
後ボケと比べるとボケの縁取りが硬い。さらに軸上色収差による色づきも目立つため、全体的に少し騒がしい印象。過度の影響ではないものの、ピント面直前では少し厄介と感じるかもしれません。
玉ボケ
口径食・球面収差の影響
口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。
- 影響が強い
- 影響が弱い
口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。
- 前ボケ
- 後ボケ
球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。
実写で確認
F1.2

玉ボケの縁が少し明るく、色収差による色づきがあります。作例の玉ボケはサイズが大きいので目立ちませんが、撮影距離や背景との距離によってはボケが小さくなり、相対的に縁取りや色づきが目立ちやすくなります。
F2

F2まで絞ると玉ボケの描写が安定します。ただし、倍率色収差の影響は抜けず、フレーム隅で影響を受けやすい。
ボケ実写
至近距離

F1.2レンズらしく、被写界深度が浅い。近距離では全体的にボケが大きく、質感を議論するほど細部が目立ちません。ピント面直前に色収差が発生していますが影響は軽微。気になる場合はF2-2.8くらいまで絞ると良いでしょう。
近距離

撮影距離を少し長めにしても、ボケはまだ大きめ。質感の粗さは目立ちません。ただし、口径食が強く、フレーム隅でボケが小さくなる部分については注意が必要です。倍率色収差の影響もあります。
中距離

撮影距離をさらに長くすると、ボケの縁取りが目立つようになります。中央付近は許容範囲内ですが、周辺や隅は騒がしい描写になりがち。F2まで絞ると大部分が落ち着きます。
ポートレート
全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F1.2)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。
45mmながら「F1.2」の大口径で被写体を背景から切り離しやすい。フレームに全身を入れたとしても、背景をぼかすことが出来ます。この際のボケ質は完璧から程遠いですが、ボケが小さいので鑑賞サイズによっては目立たないことも多い。
膝上や上半身まで近寄るとボケが大きくなり、背景が騒がしいと感じる機会が多いかもしれません。ボケの量と相談しながらF2くらいまで絞ると改善します。
バストアップや顔のクローズアップまで近寄ると、収差による粗は目立たなくなります。
まとめ

収差を抑えた「綺麗なボケ」からは程遠いものの、価格と開放F値のアンバランスさから「もっと酷い描写」を予想していました。状況によっては背景のボケが騒がしく見えるものの、被写体に近寄ったり、絞りを調整することで回避可能。
RF50mm F1.8 STMと比べて、絞りによる描写の変化に富んでいます。使いこなす面白味を残しつつも、尖りすぎていない(使い辛さを感じない)絶妙なさじ加減。

四隅に向かってボケが小さくなるものの、これもF2くらいまで絞ると改善。F1.2らしく絞り開放を使うのもありですが。F2.0-F2.8くらいまでを想定して使うのが面白いと思います。
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作例
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