このページではリコーイメージングのコンパクトデジタルカメラ「GR III」のレンズパフォーマンスのレビューを掲載しています。
GRレンズレビュー
遠景解像
コンパクトな沈胴式レンズながら非常に高性能。
絞り開放から四隅まで目立った粗が無く、被写界深度が問題無ければ心配無用。より大きなミラーレス用レンズと見比べても全く見劣りしない。
その一方、絞っても解像性能がグッと向上する訳では無い。シンプルに被写界深度やシャッタースピードの調整として使えば良いかなと思います。回折はF11で僅かに発生、F16でさらに影響が強くなる。
ワイドコンバージョンレンズ「GW-4」装着時でも中央は偽色が発生するほど高解像。場合によってはローパスセレクタの使用が必要かも。四隅はさすがに少し甘くなるものの、1段絞ればほぼ問題無くなります。
マスターレンズ
全体像
中央クロップ
四隅クロップ
ワイドコンバージョンレンズ GW-4
全体像
中央クロップ
四隅クロップ
近景解像
GR IIで0.12mだった最短撮影距離が0.06mまで改善。接写性能は大幅に向上しています。
下に掲載した作例のように、単3電池をここまで大きく写すことが可能です。
中央領域は開放から非常にシャープ。軸上色収差による色づきは僅かでとても使いやすい描写。
四隅はさすがに甘くなるものの、1段絞れば安定、ベストはF5.6~F8あたり。
レンズパフォーマンスとは切り離して評価したいところですが、接写時のAF性能は要注意。再現性が低く、「一度合焦したピント位置に再度合焦しない」という状況がしばしば発生する。いくら18mm F2.8と言えど、接写時はピントの合う範囲が極端に浅くなる。撮影後はピント位置の確認が必須と言えるかもしれません。
マクロ
全体像
中央クロップ
四隅クロップ
通常
全体像
中央クロップ
四隅クロップ
軸上色収差
絞り開放から特に問題無し。
極端なハイコントラストでもない限り目に付く機会は少ないはず。
コマ収差
絞り開放の像高9割から外側で僅かに変形を確認。開放でまず問題ない程度ですが、完璧を求めるのであれば1段絞ると良いでしょう。
光条がキリリするのはF11~F16あたり。
全体像
四隅クロップ
後ボケ
特に非難すべき点は無い滑らかさ。
球面収差の滲むような柔らかさは感じないものの18mmの画角でこれだけ滑らかなら十分。
全体像
クロップ
前ボケ
基本的にニュートラルなボケ質なので後ボケと同じく問題無し。
軸上色収差の項目で確認したように、色づきが少ないので使いやすい。とは言え、18mm F2.8で実際に前ボケを作ろうとするとかなり難しいはず。
全体像
クロップ
玉ボケ
開放F値がF2.8と言うこともあり四隅までほぼ円形を保っています。
非球面レンズが2枚入っていることから、玉ねぎボケの兆候を示しています。しかし、そこまで強調されていないので、実写で目に付く機会は少ないでしょう。
全体像
四隅クロップ
今回のおさらい
GRレンズの特徴
- 絞り開放からフレーム全域でシャープな遠景解像
- 0.06mの最短撮影距離
- マクロ領域でも絞り開放から良好な中央解像
- マクロ領域で1段絞れば安定する四隅の解像性能
- マクロ領域におけるAF性能がイマイチ
- 極僅かな軸上色収差
- ほぼ問題がないコマ収差
- ニュートラルで滑らかな前後のボケ
- 僅かな玉ねぎボケだが四隅まで口径食の影響が少ない玉ボケ
シャープ過ぎるほどカリッとした描写性能は風景や旅先、ストリートフォトやスナップ撮影と相性が良いはず。2400万画素ローパスフィルターレスのイメージセンサーを十分に活用していると言える解像性能。一眼並の画質と言って全く問題無し。
カメラ内のJPEG出力は控えめな彩度ながら、4群6枚とシンプルなレンズ構成のためかヌケが良くRAW現像で色が出やすい。これはもう少し使い込んで改めて記事にしたいところ。
このパフォーマンスの18mm F2.8がポケットに収まってしまうのは凄い。
さらにGR IIと比較して最短撮影距離が短くなったのでマクロ領域における可能性が広がった。と言いたいところですが、ブリージングが大きくAFパフォーマンスが追い付いていない点には注意が必要。
特に軽快な撮影を楽しみたいGRでかなりモッサリとしたAF動作はストレスMAX。同じピント位置で再度フォーカスした際の再現性も低いのでかなりイラっとくるのは確か。
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