「VILTROX AF 28mm F4.5」のレビュー第二弾 解像性能編を公開。像面湾曲の影響があるものの、ボディキャップAFレンズとしては良好な結果。2400-3000万画素くらいのボディで撮影するのにちょうどいいレンズ。
簡単なまとめ
製品提供を受けている
このレビューはPERGEARより無償提供された製品を使用しています。金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。無料であること、購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。
簡易的なまとめ
「極小サイズの1万円ボディキャップAFレンズ」としては、意外にもきちんとした結果が得られます。28mmの広い画角で、フレーム隅まで極端な画質の低下はありません。もちろん、一般的な単焦点レンズと比べると解像性能やコントラストは低め。過度に期待しなければ十分に楽しむことが可能。
遠景解像の項目で指摘したように、このレンズで気を付けるとしたら像面湾曲。絞り固定のため改善することが出来ず、遠景のパンフォーカスは得られません。四隅をクロップするしかない。目立たない程度の影響ですが、気になる人は普通のレンズを検討したほうが良いでしょう。
For a “10,000 yen body cap AF lens with a very small size”, the results are surprisingly good. With a wide 28mm angle of view, there is no extreme loss of image quality even in the corners of the frame. Of course, compared to a typical single-focus lens, the resolution performance and contrast are lower. If you don't have too high expectations, you can still enjoy it.
As I pointed out in the section on resolving power in distant scenery, the thing to watch out for with this lens is image curvature. Because the aperture is fixed, it cannot be improved, and you cannot get a pan-focus effect in distant scenery. The only option is to crop the four corners. The effect is not noticeable, but if it bothers you, you should consider using a normal lens.
VILTROX AF 28mm F4.5のレビュー一覧
- VILTROX AF 28mm F4.5 レンズレビュー 完全版
- VILTROX AF 28mm F4.5 レンズレビューVol.4 ボケ・逆光・減光編
- VILTROX AF 28mm F4.5 レンズレビューVol.3 諸収差編
- VILTROX AF 28mm F4.5 レンズレビューVol.2 解像性能編
- VILTROX AF 28mm F4.5 レンズレビューVol.1 外観・AF編
Index
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:α7R V
- 交換レンズ:VILTROX AF 28mm F4.5 FE
- パール光学工業株式会社
「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」 - 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・格納されたレンズプロファイル(外せない) - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
- 本レンズは最短撮影距離の関係上、他のレンズよりもチャートが小さめに写ります。
(比較して長めの距離で撮影)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
中央
十分にシャープで、高解像センサーでディテールを再現できています。ただし、コントラストがやや低め。画像処理したJPEGでは何の問題も感じません。十分に良好。
周辺
まずまず良好で軸外収差の影響は少なめ。細部も解像していますが、6100万画素を十分に活かせる性能とは言えません。
四隅
極薄 28mmレンズのフレーム隅と考えると健闘しています。軸外収差の目立つ影響はなく、画像処理次第では実用的な結果。倍率色収差が残存しているため、後処理時に色収差補正の適用がおススメ。
遠景解像力
テスト環境
- 撮影日:2024.11.25 快晴 微風
- カメラ:α7R V
- 三脚:Leofoto LS-365C
- 雲台:SUNWAYFOTO GH-PRO II
- 露出:ISO 100 絞り優先AE
- RAW:Adobe Lightroom Classic CC 現像
・シャープネスオフ
・レンズ補正オフ
中央
細部のコントラストはやや低め。6100万画素だと限界が見え隠れするものの、2400万画素や4500万画素では充分な性能。絞りはF4.5固定ですが、追加で絞る必要性は低い。
周辺
極端な画質の乱れはありません。良好とも言えない程度の結果ですが、パンケーキレンズのF4.5 絞り開放と考えると実用的。
四隅
後述する像面湾曲の影響があります。絞り固定のため、改善は不可。このレンズで遠景を撮影する際は四隅がややソフト。像面湾曲の影響なのでピントを合わせると改善しますが、代償としてフレームの広い範囲がピントの山から外れた状態となります。許容するか、四方を少しトリミングするか。
像面湾曲
像面湾曲とは?
中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。
最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。
ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。
実写で確認
左がフレーム中央でピント合わせ
右がフレーム隅でピント合わせ
ご覧のように、隅にピントを合わせると隅の画質が改善します。ただし、中央や周辺がピントの山から外れて画質が低下。代償を考慮すると現実的とは言えず、中央ピント合わせで隅のソフトな部分をトリミングするのが無難。
まとめ
「極小サイズの1万円ボディキャップAFレンズ」としては、意外にもきちんとした結果が得られます。28mmの広い画角で、フレーム隅まで極端な画質の低下はありません。もちろん、一般的な単焦点レンズと比べると解像性能やコントラストは低め。過度に期待しなければ十分に楽しむことが可能。
敢えて言えば、6100万画素の高解像センサーは無用の長物。ファイルサイズが大きく、使い勝手が悪く、レンズはクロップに耐えうるような性能ではありません。2400万画素や3000万画素くらいのカメラで楽しむのが丁度良いのかなと。APS-Cで使えないこともないですが…、好みはわかれると思います。
(鏡筒内で完結するタイプですが)繰り出し式フォーカスを採用しているためか、ピント距離による画質の変動は少なめ。近距離でもフレーム周辺まで顕著な変化はありません。そもそも最短撮影距離が長いため、クローズアップには不向き。
遠景解像の項目で指摘したように、このレンズで気を付けるとしたら像面湾曲。絞り固定のため改善することが出来ず、遠景のパンフォーカスは得られません。四隅をクロップするしかない。目立たない程度の影響ですが、気になる人は普通のレンズを検討したほうが良いでしょう。
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