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VILTROX AF 56mm F1.2 Pro レンズレビューVol.5 ボケ編

「VILTROX AF 56mm F1.2 Pro」のレビュー第五弾 ボケ編を公開。

製品提供について

このレビューは映像嵐株式会社より無償提供(2週間)された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。2週間と短い試用期間、購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。

簡易的なまとめ

優れた解像性能のレンズながら、滑らかで柔らかい後ボケ。色収差の影響も少なく、絞り開放から快適に利用できる撮影シーンや撮影範囲が広い。また、絞っても玉ボケが円形を維持しているので、口径食や被写界深度の調整が容易である点も好印象。

大きな問題ではありませんが、中距離から遠距離で口径食が目立ちやすい、フレーム端のボケが若干騒がしくなる兆候があります。気になるシーンは限定的だと思いますが、状況に応じてF1.4-F2まで絞ると改善します。

Despite its excellent resolution performance, this lens delivers smooth, soft bokeh. Chromatic aberration is minimal, allowing comfortable use from wide open across a wide range of shooting scenarios and subjects. Furthermore, even when stopped down, the bokeh retains its circular shape, making it easy to adjust vignetting and depth of field—a highly favorable feature.

While not a major issue, vignetting becomes more noticeable at medium to long distances, and there are signs of slightly noisy bokeh at the frame edges. I believe this will only be noticeable in limited situations, but stopping down to F1.4-F2 will improve it depending on the conditions.

VILTROX AF 56mm F1.2 Proのレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

縁どりが目立たない柔らかい描写。軸上色収差の影響が僅かに残存していますが、無視できる範囲内に抑えられています。

前ボケ

後ボケと比べると縁取りが強く硬めの描写。とはいえ、大きな問題はありません、

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

妙なムラのない滑らかな玉ボケ。ただし、フレーム隅に向かって口径食の影響があります。これはF2くらいまで絞るとほぼ解消。絞り羽根が多く、絞っても玉ボケは円形を維持しています。

ボケ実写

至近距離

至近距離ではボケが大きく、質感を議論することはできません。細部をよく見ると、背景に向かって滑らかにボケているように見えます。

近距離

撮影距離が少し長い場合でも後ボケは滑らかで柔らかい描写。隅に口径食の影響が見られるものの、問題はありません。

中距離

さらに撮影距離が長くなると、口径食の影響が広い範囲に及びます。それでも、悪目立ちする要素が少なく、良好な描写。口径食が気になる場合はF2くらいまで絞ると改善します。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F1.2)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

全身をフレームに入れる撮影距離ではフレーム端や隅のボケが少し騒がしくなる兆候あり。それでも、全体的に見ると良好な描写が大部分。膝上から上半身くらいまで被写体に近寄ると、欠点はほとんど目立ちません。口径食が気になる場合はF1.4-F2の間で調整すると良いでしょう。

まとめ

良かったところ

ポイント

  • 大部分の撮影距離で滑らかな後ボケ
  • 絞っても玉ボケが丸い
  • 色収差の影響が穏やか
  • 玉ボケの内側が滑らか

優れた解像性能のレンズながら、滑らかで柔らかい後ボケ。色収差の影響も少なく、絞り開放から快適に利用できる撮影シーンや撮影範囲が広い。また、絞っても玉ボケが円形を維持しているので、口径食や被写界深度の調整が容易である点も好印象。

悪かったところ

ポイント

  • 長距離時にフレーム端が少し騒がしくなる
  • 中距離以降で口径食が少し目立つ

大きな問題ではありませんが、中距離から遠距離で口径食が目立ちやすい、フレーム端のボケが若干騒がしくなる兆候があります。気になるシーンは限定的だと思いますが、状況に応じてF1.4-F2まで絞ると改善します。

購入早見表

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VILTROX AF 56mm F1.2 Pro
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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