「VILTROX AF 56mm F1.2 Pro」のレビュー第二弾 解像チャート編を公開。開放測距ではフォーカスシフトの影響が少し見られるものの、しっかりとピントを合わせた場合はF1.2から優れた結果を得ることが出来ました。
製品提供について
このレビューは映像嵐株式会社より無償提供(2週間)された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。2週間と短い試用期間、購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。
簡易的なまとめ
F1.2レンズとしては低価格ですが、絞り開放から優れた解像性能を発揮。広い範囲でシャープな結果を得ることができ、絞れば隅まで非常に良好となります。コントラストの低下は僅か。
少なくともα7R Vとの組み合わせでは、AFが絞り開放測距になります。合焦後に絞りを閉じるため、残存する球面収差でピントの山が移動してしまう模様(このあたりは諸収差編で確認します)。AF-C使用時は絞りを閉じた状態で測距するので問題ありませんが、AF-Sを使って絞る際は注意が必要。
While affordable for an F1.2 lens, it delivers excellent resolution performance even wide open. Sharp results are achieved across a wide range, and stopping down yields very good performance right to the corners. Contrast loss is minimal.
At least when paired with the α7R V, AF focuses at the wide-open aperture. Since the aperture closes after focus acquisition, the remaining spherical aberration appears to shift the focus peak (this will be confirmed in the aberrations section). Using AF-C is fine since it focuses with the aperture closed, but caution is needed when using AF-S and stopping down.
VILTROX AF 56mm F1.2 Proのレビュー一覧
Index
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:ILCE-7RM5
- 交換レンズ:VILTROX AF 56mm F1.2 Pro
- パール光学工業株式会社
「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」
- オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 64 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・格納されたレンズプロファイル(外せない) - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
F1.2の絞り開放から隅まで安定した結果。ただし、近距離の絞り開放付近は球面収差の影響かAF時のパフォーマンスが不安定(α7R Vと組み合わせると、絞り開放測距となるのでフォーカスシフトの影響がある)。
絞った状態からMFでピントを合わせると上図のように安定した結果が得られます。中央から周辺までの広い範囲はF1.2から優れた結果が得られ、隅もF2.8で画質が改善します。F4まで絞ればフレーム全体で一貫した画質を得ることが可能。
中央
F1.2の絞り開放からシャープでコントラストが高い。絞るとコントラストが少し改善しますが、2600万画素センサーでこれ以上の改善は期待できません。絞り開放からほぼピークの性能。
周辺
中央と同程度の優れた結果が得られました。やはり絞りによる改善効果は僅か。
四隅
中央や周辺と比べると僅かにソフトですが、F1.2から画質は安定しています。絞るとシャープネス・コントラストが徐々に改善。ピークはF5.6くらいまで絞ったとき。
数値確認
MF時
Center | Mid | Corner | |
F1.2 | 3605 | 3475 | 2730 |
F1.4 | 3706 | 3303 | 2706 |
F2.0 | 3909 | 3352 | 2852 |
F2.8 | 3782 | 3289 | 3144 |
F4.0 | 3858 | 3697 | 3607 |
F5.6 | 3928 | 3939 | 4193 |
F8.0 | 3764 | 3614 | 3681 |
F11 | 3453 | 3539 | 3426 |
F16 | 2826 | 2908 | 2932 |
AF時
Center | Mid | Corner | |
F1.2 | 3377 | 3207 | 2633 |
F1.4 | 3266 | 3614 | 2554 |
F2.0 | 4071 | 3204 | 3264 |
F2.8 | 3764 | 3539 | 3364 |
F4.0 | 3559 | 3529 | 3722 |
F5.6 | 3749 | 3764 | 3814 |
F8.0 | 3428 | 3489 | 3412 |
F11 | 3099 | 3339 | 3096 |
F16 | 2735 | 2965 | 2484 |
競合製品との比較
VILTROX Air シリーズの56mm F1.7と比べると、F1.2の絞り開放から遥かに良好な結果が得られています。F2.8-4まで絞ると差は縮まりますが、F1.2付近を使う場合はF1.2 Proのほうが優れています。
シグマのF1.4 DC DNは安くて性能の良いレンズです。F1.2や防塵防滴などが必要なければシグマを要検討。
まとめ
良かったところ
ポイント
- F1.2から中央が非常に良好
- F1.2から周辺が非常に良好
- 絞れば隅まで非常に良好
F1.2レンズとしては低価格ですが、絞り開放から優れた解像性能を発揮。広い範囲でシャープな結果を得ることができ、絞れば隅まで非常に良好となります。コントラストの低下は僅か。
悪かったところ
ポイント
- フォーカスシフトの影響を受ける
(絞るとピントの山が僅かにずれる)
少なくともα7R Vとの組み合わせでは、AFが絞り開放測距になります。合焦後に絞りを閉じるため、残存する球面収差でピントの山が移動してしまう模様(このあたりは諸収差編で確認します)。AF-C使用時は絞りを閉じた状態で測距するので問題ありませんが、AF-Sを使って絞る際は注意が必要。
購入早見表
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作例
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