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VILTROX AF 85mm F2.0 EVO レンズレビューVol.5 ボケ編

「VILTROX AF 85mm F2.0 EVO」のレビュー第五弾 ボケ編を公開。

製品提供について

このレビューはPERGEARより無償提供された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。

「この商品ページへのリンクを紹介してほしい」と言った話が無かったので、とりあえずAmazonでの検索ページとPERGEAR公式リンクを掲載しています。

簡易的なまとめ

情緒のある描写ではありませんが、高水準の”綺麗な”ボケです。前後にムラが少なく、色収差による悪目立ちが少ない。口径食は強めですが、悪目立ちする要素が少ないので結果的に目立ちません。

ボケに限って言えば「7Artisans AF 85mm F1.8」なども健闘しています。しかし、より小型軽量で85mmレンズとしては最安値クラスの製品と考えると異様なほど良好な描写。コストパフォーマンスは間違いなく良いです。

While not particularly evocative, it delivers high-quality “clean” bokeh. It exhibits minimal front-to-back unevenness and little noticeable chromatic aberration. Vignetting is pronounced, but since there are few elements that stand out negatively, it ultimately remains unobtrusive.

When it comes to bokeh alone, lenses like the “7Artisans AF 85mm F1.8” also perform well. However, considering this is a significantly smaller, lighter lens and one of the most affordable 85mm options available, its rendering is exceptionally good. Its cost performance is undoubtedly excellent.

VILTROX AF 85mm F2.0 EVO
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VILTROX AF 85mm F2.0 EVOのレビュー一覧

球面収差

前後のボケ質に極端な差はありませんが、軸上色収差のテストから分かるようにフォーカスシフトの影響があります。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは？

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない（もしくは個性的な描写）と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

滲むように柔らかい描写ではなく、ニュートラルで綺麗なボケ質。軸上色収差による色づきもなく、使い勝手の良い描写。

前ボケ

結果は後ボケとほとんど同じ。大きな問題はありません。前景後景どちらにボケを入れても目障りとなりません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します（前後ボケのレビューで示した通り）。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

F2.0

F2レンズながら口径食は強め。ただし、玉ボケは滑らかで綺麗な描写です。色収差による影響はほとんどありません。

F2.8

1段絞ると口径食が緩和しますが、完璧に抑えるにはもう1段絞る必要がありそう。

ボケ実写

至近距離

至近距離ではボケが大きく、ボケ質を議論するほどでもありません。

近距離

撮影距離が少し長くなったとしても、問題はありません。口径食は強めですが、目障りとなる描写は無し。

中距離

さらに距離が長くなっても、ボケの縁取りは目立たず、背景は自然と溶け込んでいます。コントラストの強い領域でも問題無し。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放（F2）で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

フレームに全身を入れるような距離感でも背景ボケは滑らかで綺麗。フレーム隅でボケの縁取りが目立つようになるものの、色収差の影響がなく悪目立ちしていません。

全身ポートレートでも実用的な水準であり、上半身くらいまで近づくと欠点らしいものは皆無。口径食がやや強めというくらいでしょうか。

まとめ

情緒のある描写ではありませんが、高水準の”綺麗な”ボケです。前後にムラが少なく、色収差による悪目立ちが少ない。口径食は強めですが、悪目立ちする要素が少ないので結果的に目立ちません。

ボケに限って言えば「7Artisans AF 85mm F1.8」なども健闘しています。しかし、より小型軽量で85mmレンズとしては最安値クラスの製品と考えると異様なほど良好な描写。コストパフォーマンスは間違いなく良いです。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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