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ニコン「NIKKOR Z 28mm f/2.8」はしっかりとした性能の小型軽量レンズ

CameraLabsがニコン「NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)」のレビューを公開。低価格で小型軽量ながらF4まで絞ればS-Lineに追いつくシャープネスとコントラストを評価しています。

Camera Labs:Nikon Z 28mm f2.8 review

レンズの紹介:

  • FXフォーマとのZカメラ用広角レンズだ。フルサイズでは75度の画角をカバーし、APS-Cでは換算42mmに相当する画角となる。
  • これまでのニコンZレンズの中では最小・最軽量のレンズだ。ただし、パンケーキレンズと言えるほど小さくは無い。
  • Z fcのキットレンズとして「SE」バージョンが存在する。外観はZ fcに合わせたレトロなデザインだが、光学系は通常モデルと同じだ。

ビルドクオリティ:

  • レンズ構成は2枚の非球面レンズを含む8群9枚だ。
  • フィルター径は52mmに対応している。広角レンズとしてはコンパクトなフィルターだ。
  • ポーチやレンズフードなどは付属していない。
  • レンズマウントにゴム製シーリングは見当たらない。

携帯性:

  • サイズはφ71×44mmだ。Z 24mm F1.8やZ 35mm F1.8よりも小さく、広角レンズとしては最もコンパクトなZレンズである。
  • 重量は157gだ。Z 24mm F1.8は447gと遥かに重い。Z 35mm F1.8でも364gある。Z 28mm F2.8は1.3段暗い開放F値とプラスチックマウントが軽量化に役立っている。

操作性:

  • フォーカスリングにISO感度や絞り値の操作を割り当てることが可能だ。フォーカスモードをMFに切り替えると自動的にフォーカス操作へ切り替わる。
  • 11mm幅のフォーカスリングは指一本での操作が可能だ。

オートフォーカス:

  • フォーカスの再現性は97%だ。40コマ撮影してハズレ値は無い。
  • 近距離から無限遠まで画角の変化はほとんど無い。
  • 無限遠から0.18mまで約0.3秒で移動する。これは非常に高速だ。
  • 最短撮影距離は0.18mである。この際の撮影倍率は1:4.7だ。それほど高い撮影倍率ではなが、Z 24mm F1.8やZ 35mm F1.8が優れているわけでも無い。また、この際のワーキングディスタンスは0.12mとなる。
  • フォーカス音は僅かに聞こえる。

マニュアルフォーカス:

  • フォーカスリングをリニアレスポンスに切り替えることは出来ない。

手ぶれ補正:

  • 光学手ぶれ補正は非搭載だ。フルサイズミラーレスは手ぶれ補正を搭載しているが、Z fcやZ 50などは搭載していないので注意が必要である。

解像性能:

  • 絞り開放から確かなパフォーマンスのレンズだ。ただし、S-Lineのレンズと比べると中央とDX隅の非点収差が大きくなり、FX隅でコントラストが低下しているのが分かる。
  • F4まで絞ると中央のシャープネスとFX隅のコントラストが目に見えて向上する。
  • 遠景の絞り開放ではコントラストが少し抑えられているが、F4まで絞るとS-Lineに追いつく。ただし、FX隅はF5.6に絞るまで強い周辺減光に悩まされるだろう。
  • マクロ距離だと、F2.8は中央でもコントラストが低下する。F5.6まで絞るとDXフレームでコントラストとシャープネスが大幅に向上する。

像面湾曲:

  • かなり強い像面湾曲が見られる。

ボケ:

  • 玉ボケは非常に小さく、少し色の付いた縁取りがあり、輪線ボケの兆候も見られる。
  • F4まで絞るとボケが角ばり始める。
  • 前ボケは騒がしく見えるが、それ以外は28mm F2.8としては悪くない。

色収差:

  • F2.8-F4で前景にマゼンダの色付きが少し見られる。
  • 実写ではコントラストの高い領域の端にフリンジが発生する。

球面収差:

  • F4まで絞るとピントが遠側へ移動するフォーカスシフトが見られる。

歪曲収差:

  • Adobe製品でRAW現像する場合はプロファイルが自動適応され、これを外すことは出来ない。

周辺減光:

  • レンズプロファイルを適用してもF2.8では周辺減光が目立つ。
  • F4以降は問題とならない。
  • Z fcなどAPS-Cに装着すると問題とならない。

コマ収差:

  • 絞り開放のFX隅で目に見えるコマ収差が発生する。
  • F4まで絞ると問題は大きく低減する。
  • DXフレームではF2.8から問題無い。

逆光耐性:

  • 逆光下におけるゴーストは弱く、コントラストを良く維持している。
  • F4まで絞ると光条が発生し始めている。

作例集

総評

Z 28mm F2.8の最大の特徴は、小型・軽量・低価格であることだ。光学性能は、F4.0まで絞れば明らかに改善し、悪くないパフォーマンスだ。色収差やフォーカスブリージングはほとんどなく、非常に高速なオートフォーカスを備えているので、変化の激しいシーンにも対応できる。マイナス面として、FX隅での強いコマ収差と周辺減光がある。しかし、これらはDXセンサーでは無視できるレベルだ。また、F2.8という暗い開放絞りのため、ボケ味は貧弱だが、背景のボケは滑らかである。。

Z 28mm F2.8とS-Line 広角レンズとの大きな違いは、焦点距離とF値(1.3段明るくなった)ことだ。これにより、S-Lineレンズはより短いシャッタースピードや低いISOで撮影することができ、より大きなボケを得ることが可能だ。しかし、必ずしも滑らかなボケでは無い。
また、28mm F2.8と比べて長さは2倍以上、重さは2?3倍、価格は約3倍だ。その分、S-Lineは無限遠や近接撮影時の光学性能が向上しており、私は自信を持ってS-lineのF1.8で撮影することがdけいる。しかし、Z 28mm F2.8はF4.0まで絞ってコントラストや非点収差を改善させたいと考えている。

焦点距離について、3本のレンズの違いはそれほど決定的な違いはない。28mmは24mmよりも17%長く、35mmレンズは28mmよりも25%長い。しかし、もしあなたが24mmと35mmのどちらの広角レンズを買おうかと考えていたとしたら、両者の間にある46%の差は非常に大きい。もし、24mmレンズで撮影した写真を35mmレンズの画角に合わせてトリミングすると、50%以上の画素が失われることになる。焦点距離28mmは、両者の中間に位置しており、広角単焦点レンズが1本あればいいという方には、魅力的な選択肢となるだろう。

NIKKOR Z 28mm F2.8は、既存のZ 24mm F1.8 SとZ 35mm F1.8 Sのちょうど中間に配置され、両機種よりもはるかに小型・軽量・低価格化している。F2.8という暗めの開放F値は少し物足りないかもしれないが、小型化・軽量化・低価格化が決め手になったのは確かでだ。また、シャープネスやコントラストはSラインに及ばないものの、本レンズはしっかりとした性能を備えている。さらにF4.0まで絞ると、非常に満足のいく結果が得られる。
このように、このレンズはニコンレンズロードマップ中でユニークなポジションに立っており、明らかにお勧めできるレンズだ。さらに、Z fcのビンテージスタイルが好きなら、このレンズのSEバージョンは外観が完璧にマッチする。

  • 長所
    ・小型軽量で手ごろな価格のFX用広角レンズ
    ・一般的な撮影距離における良好な解像性能
    ・軸上色収差の影響がわずか
    ・簡易防滴
    ・コントロールリング
  • 短所
    ・コマ収差が目立つ
    ・周辺減光が目立つ
    ・フォーカスシフトが目立つ
    ・像面湾曲が目立つ
    ・良好な解像性能・コントラストを得るためにはF4まで絞る必要あり
    ・ワーキングディスタンスが短い
    ・不十分な品質のボケ
    ・プラスチックレンズマウント

とのこと。
Z fcと共に登場した小型軽量なフルサイズミラーレス対応の広角レンズですね。非S-Lineの単焦点レンズはこれが初めてですが、低価格ながらまずまず良好な光学性能に仕上がってる模様。フレーム全域で良好なパフォーマンスを得るにはF4?F5.6まで絞る必要があるのは妥協点と言えそうです。APS-Cカメラで使うと弱点が程よくマイルドになり、使いやすい28mm F2.8レンズと感じるかもしれません。

このレンズはZ fcと共に登場予定でしたが、何等かの原因で発売が遅れています。私もZ 7やZ fcと組み合わせて使ってみたいと思って予約したものの音沙汰無し。既に予約販売開始から2か月以上が経過しているので何らかのアナウンスが欲しいところですねえ。

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