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YN50mm F1.8 DF DSM レンズレビューVol.1 外観・操作性・AF編

YONGNUO「YN50mm F1.8 DF DSM Z-mount」のレビュー第一弾を公開。今回はレンズの外観や操作性、カメラに装着してAF/MFの使いやすさなどを確認しています。

YN50mm F1.8 DF DSMのレビュー一覧

まえがき

YONGNUO製のフルサイズ対応のAFレンズとしては3本目となるモデルです。2021年にソニーEマウント版がリリースされ、翌年の2022年6月にニコンZマウント版が登場しました。2022年にYONGNUOはレンズデザインを一新しており、従来と比べて金属外装や防塵防滴など仕様が強化されています。

概要
レンズの仕様
マウント E / Z 最短撮影距離 0.45m
フォーマット フルサイズ 最大撮影倍率 0.15倍
焦点距離 50mm フィルター径 58mm
レンズ構成 8群11枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F1.8 テレコン -
最小絞り F16 コーティング N
絞り羽根 9枚
サイズ・重量など
サイズ φ68×87mm 防塵防滴 対応
重量 417g AF STM
その他 AFLボタン・AF/MFスイッチ
付属品
レンズフード・キャップ

最短撮影距離は「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」よりも僅かに眺めですが、最大撮影倍率は同程度となっています。レンズサイズや重量は同程度で、AF駆動にはどちらもステッピングモーターを採用。ちなみにコーティングはYONGNUOいわく「ナノクリスタルコート」と主張していますが、ニコンのコーティングとは別物と思われます。

8群11枚で1枚の低分散レンズと4枚の高屈折率レンズ、そして1枚の非球面レンズを使用した本格的な光学設計です。中国レンズメーカーに多いダブルガウスタイプのシンプルな設計ではありません。MTFを確認すると、周辺部まで顕著な落ち込みがなく、非点収差もよく抑えられています。

価格のチェック

AmazonのHK YONGNUOストアで4万6600円で販売しています。Z 50mm F1.8と比べると安いですが、決定的な価格差と言うほどではありません。この金額であれば、個人的にはZ 50mm F1.8 Sをおススメします。ただし、YONGNUOストアは定期的にセールを開催しており、私は2022年のブラックフライデーで3.3万円となるタイミングで入手しました。

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外観・操作性

箱・付属品

白を基調としたデザインの箱にレンズの名前や図がプリントされています。質感は一般的な薄めの段ボールで、TTArtisanのように凝った装飾は施されていませんん。

レンズ本体は緩衝材に包まれています。

レンズ本体のほかに、レンズフードと説明書が付属します。

外観

金属パーツを採用したしっかりとした作り。おそらく、ボタンやスイッチも金属製です。フォーカスリングには切込みの入ったゴム製カバーを装着。表面のロゴや表示は単純なプリントではなく、エッチング加工が施されています。全体的にクオリティが高く、価格を考えると満足度の高い仕上がりとなっています。
あえて言えば「Ynlens」のロゴがいまいちパッとしないことでしょうか?個人的には「YONGNUO」でいいと思うのですが…。

フォーカスリングのほかにAFLボタンが2か所あり、さらにAF/MFスイッチとUSB-Cポートを搭載しています。

ハンズオン

金属製のしっかりとした作り。3.3万円で購入したことを考えるとコストパフォーマンスの高い質感です。サイズ・重量は「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」とほぼ同じ。

前玉・後玉

Z 50mm F1.8 Sと同じく、前玉は凹型を採用。フッ素コーティングの採用が明記されていないので、水滴や汚れの付着が想定されるシーンではプロテクトフィルターの装着がおススメです。フィルターサイズは58mmで、Z 50mmよりも一つ小さなサイズを使用します。

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金属製のレンズマウントは4本のビスで固定。周囲に防塵防滴用のシーリングあり。後玉周辺は反射を抑えるマットブラックの塗装が施されたパーツに囲まれています。

フォーカスリング

ゴム製で40mm幅のフォーカスリングは緩めですが滑らかに回転します。緩めの回転ですが、ストロークが非常に長いので近距離での微調整にも対応可能。微調整の際にピント位置がジャンプするような粗い動作は見られず、滑らかに動作します。ノンリニアレスポンスのため、回転速度に応じて移動量が変化。ゆっくり回転するとピント全域を移動するには2~3回転必要で、素早く回転すると90~180度で操作可能。

スイッチなど

手ごろな価格のレンズとしてはコントロールが充実。なんとL-Fnボタンが二か所あり、横位置でも縦位置でも押しやすいデザインとなっています。ボタンのクリック感も良く、押しやすい配置となっているので積極的に利用できるボタンです。

レンズフード

円筒形のプラスチック製レンズフードが同梱。内側には反射防止用のマットブラックの塗装が施された過不足のない作りとなっています。本体と比べると少し安っぽさを感じますが、価格を考慮すると妥協できる範囲内かなと。剛性は低め。

逆さ付けにも対応。本体への装着感はきつ過ぎるほどで、誤って脱落する心配はありませんが、脱着には力が必要です。

装着例

Z 7に装着。Z 50mm F1.8 Sと同サイズ・同重量と言うこともあり、違和感なく携帯できます。50mm F1.8のレンズとしては大きめですが、Z 7との組み合わせでバランスが崩れることはありません。

AF・MF

フォーカススピード

ステッピングモーター駆動のAFに対応。静物の撮影ならストレスのない程度の速度ですが、近距離の動体を撮影するにはやや遅い。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指す。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となる。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。
今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離と無限遠で撮影した結果が以下の通り。

スライドショーには JavaScript が必要です。

「ズームレンズですか?」と言いたくなるほど目立つ画角の変化が発生します。Z 50mm F1.8 Sと比べた際に顕著な差と言えるのがこの部分。特にフレーム周辺部はピント位置によって状況が大きく変化するので、AFは不安定になると思われます。

精度

Z 7との組み合わせで問題なく使用可能。実写での精度も良好と感じました。あくまでも中央や中央周辺にピントを合わせた場合で、特に近距離でフレーム端や隅にピントを合わせたい場合は不安定となる場合あり。

MF

前述したとおり、この価格帯の中国メーカー製レンズとしては驚くほど滑らかに動作します。レスポンスが若干遅い気もしますが、実用上で特に問題は感じませんでした。

今回のまとめ

タイミングによって3万円台前半で入手できる50mm F1.8としては満足のいくレンズの作りと操作性が得られます。金属製のしっかりとした作りの鏡筒には、操作性の良いフォーカスリングと2か所のL-Fnボタン、AF/MFスイッチを搭載。防塵防滴にも対応して「NIKKOR Z 40mm f/2」と同程度の価格と考えるとパフォーマンス良好。

あえて欠点を挙げるとするとフォーカス性能でしょうか。決して精度が悪い訳でも、AF速度が遅いわけではありません。しかし、AF速度はNIKKOR Zレンズと比べると速くないのは明らかで、さらにフォーカスブリージングが非常に目立つので、動画撮影に適していないのみならず、静止画のAFでも隅や周辺部にピントが合いにくい場合があります。近距離を動き回る被写体を撮影する人や動画撮影がメインの人にはおススメしづらいです。

その一方で、光学性能は価格を考慮すると非常に良好で、同価格帯の40mm F2よりも明らかに優れています。そのあたりは後日レビュー予定ですが、ファーストインプレッションとしては非常に肯定的な印象が得られるレンズでした。通常価格(4万円台)で買うなら、Z 50mm F1.8 Sも視野に入れていいと思いますが、3万円台前半なら迷わず買ってもいいのかなと。

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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