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ニコン Z 8 徹底レビュー Vol.7 解像性能編

ニコン「Z 8」のレビュー第七弾を公開。今回はカメラの解像性能について、回折やISO感度の影響、モアレや偽色の発生についてチェックしています。

Z 8のレビュー一覧

解像性能

仕様の確認

Z 9と同じセンサー・プロセッサを継承していると言われています。今のところ公式ウェブサイトで確認することは出来ませんが、Z 9と同様のローパスフィルターレス仕様である可能性が高そう。有効画素数はZ 7などに使用している4575万画素の裏面照射型CMOSセンサーとほぼ同じ。

RAWの影響

撮影条件を整えて3種類のRAWをAdobe Lightroom Classic CCで現像(シャープネスオフ・ノイズ補正オフ・他初期設定)した結果が上の通り。ダイナミックレンジには若干の影響があるものの、解像性能に大きな影響はないように見えます。

絞りの影響

ISO 64固定で70mm F2.8 DG HSMの絞り開放から最小F値まで1段刻みで解像チャートを撮影。ロスレス圧縮RAWをAdobe Lightroom Classic CCで現像し、オリンパスの解析ソフトで測定した結果が上の通り。F8までは良好なパフォーマンスを発揮していますが、F8以降は回折の影響で徐々に低下していることが分かります。Z 8の解像性能を最大限に活かすのであればF8までを意識して使うのが良いでしょう。もちろん、被写界深度など他の要素が重要となる場合、回折の影響以外を優先すべきだと思います。

横線と縦線の結果に大きな違いはありません。ローパスフィルターの有無は不明ですが、片方のみ作用するローパスフィルターを搭載していないことは明らかと言えるでしょう。(例:α7 IIIは横線と縦千の結果に違いが発生しています)

絞りの影響実写

上の数値通り、F8以降で細部のシャープさやコントラストが低下しているように見えます。絞るにしてもF22は避けたほうが良さそう。

ISO感度の影響

補正無し

4800本程度の測定が可能な解像チャートにおいて、ディテールを損なわずに最大限まで解像するのはISO 1600あたりまで。ISO 3200付近からカラーノイズの影響が強くなり、6400~12800で細部のディテールが崩れていることが分かります。それでもノイズ処理次第で使えないこともないですが、ISO 51200以降は絶望的。

カラーノイズ補正 10

カラーノイズが分かりづらかったので色抜き程度に補正。この場合はISO 6400程度まで良好な状態を維持しています。ISO 12800あたりから徐々に崩れ始め、25600で許容範囲内。やはり51200や102400は緊急事態の場合のみ避けたいISOと言えるでしょう。

AIノイズ補正 50

ついでにLightroom Classic CCの「AIノイズリダクション」の適用値を初期設定の50で処理。ISO 12800まではノイズが少なく綺麗なディテールが得られているように見えます。ISO 25600も悪くないですが、細部が崩れかけています。ISO 51200や102400も25600と同程度で使えないこともない印象。

モアレ・偽色の影響

横線

諸事情により撮影後に90度左回転しています。高解像センサーらしく悪くない結果ですが、2500本前後から偽色の影響を受け始めているように見えます。ソニーほど悪目立ちはしませんが、ローパスフィルター搭載のEOS R5(4500万画素)よりもやや目立つ結果。

横斜線

ローパスフィルター搭載モデルと比べるとモアレがやや目立つ結果となりました。今のところZ 8の仕様は不明ですが、Z 9と同じくローパスフィルターレスである可能性が高そうです。

縦線・斜線

横線と似たような結果。高解像センサーらしく、ローパスフィルターレスだったとしても耐性はそこそこあるように見えます。とは言え、ローパスフィルター搭載モデルと比べるとモアレ・偽色の発生は多め。

Z 7との比較(Z 8:Z 7)

同じ部位をクロップしていますが、上よりも撮影倍率が低い状態で撮影しています。(モアレや偽色の発生しやすい状態)

多少の違いはあるものの、Z 7とほぼ同じ結果となりました。

参考:過去のテスト結果

(今回の「Z 7との比較」の倍率とは異なりますが、Z 8のクロップ倍率とほぼ同じ。使用レンズは全て70mm F2.8 DG HSM)

まとめ

Z 7とほぼ同等の解像性能。そして、Z 7よりもセンサー性能(ローリングシャッター・連写速度)が優れたカメラです。また、これまでのテスト結果から、ローパスフィルターレスであると思われ、Z 9の画質と同じであると予測できます。高い解像性能を活かした風景撮影や、高速連写における優れたトリミング耐性が強みとなることでしょう。

解像性能を活かすのであれば低ISOを維持するのが望ましいですが、ISO 6400くらいまでなら良好な結果が得られます(現像処理次第)。また、Lightroom Classic CCのようなAIノイズ処理を活用することで、ISO 12800や25600も十分に実用的な画質となり、状況によっては拡張ISO感度も使えると感じるかもしれません。

モアレ・偽色はローパスフィルター搭載モデルのEOS R5よりは目立ちますが、ソニーの高解像モデルよりは良好に見えます。同じセンサーを搭載していると思われる「Z 9」でモアレや偽色を指摘する人を見たことがないため、実写ではローパスフィルターレスで問題ない可能性が高そう。(個人的にはローパスフィルターありのほうが好みですが)

参考情報

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