カメラボディ
EOS
今に続くキヤノン一眼レフカメラの総称で「Electro-Optical-System」の略。他社に先駆けて完全電子マウントを採用した「EFマウント」でオートフォーカス一眼レフとして1980年台に発売された。
フィルム時代からデジタル時代に変遷する流れで、デジタル機には「D」と記載されている。
EOSデジタルは現在3ライン存在
- 「EOS 1桁」…フルサイズ一眼レフ
- 「EOS 2桁・4桁・Kiss」…APS-C一眼レフ
- 「EOS M」…ミラーレス一眼モデル
参考サイト
Kiss
「Keep It Smart and Silent」の略で、接吻(Kiss)では無い。フィルム時代よりあるEOSシリーズのライトモデルに銘打たれる型番だ。
一眼レフカメラ市場で最も売れているモデルで、価格も安く操作性も悪く無い。現行一眼レフカメラの中では積極的にバリアングルとタッチパネルを採用しているモデル。
参考サイト
デュアルピクセル・ハイブリッド CMOS AF
撮像センサー内に、「撮像」と「測距」の役割を持つセンサーが導入されている。従来のコントラストAFでは低速で動体追従には不向きだったが、この機能を導入しているカメラではライブビューを使った場合により高速なフォーカシングが期待出来る。
「デュアルピクセル CMOS AF」と「ハイブリッド CMOS AF」との違いは、「測距」出来る画素数の違いがあり、デュアルピクセルの方が高密度で展開している。ハイブリッド CMOS AFはそれ単体でのガチピンは難しく、コントラストAFで正確に追い込む必要があるそうだ。特に廉価レンズや古いレンズを使った場合に差がでる。
どちらも発展途上の機能であり、日進月歩で改善が図られている。EOS 70Dでは連写中に動体追従が不可能であったが、EOS 80Dでは動体追従可能になったモデルとなっている。
参考サイト
DIGIC
キヤノンのデジタルカメラにおける画像処理エンジンの総称。「DIGIC 6+」の様に末尾に数字や「+」記号が付く。数字が大きくなるほど新しいバージョンで「+」が付くとマイナーチェンジバージョン。
キヤノンの慣例として、DIGICの最新モデルはレンズ一体型のコンパクトデジタルカメラに搭載される傾向がある。(2016年春現在ではPowerShot G7 X Mark IIに最新DIGIC 7が搭載されている)
参考サイト
レンズ
EF
EOSシリーズに装着できるレンズの頭文字。「EF-S」「EF-M」と続かなければフルサイズ対応と捉えても問題無い。
もちろんKissや2桁台 のEOSシリーズなどのAPS-Cセンサーサイズの一眼カメラにも装着可能。その際はAPS-Cセンサーのイメージサークルでしか使えないので注意。逆に 言えば、レンズの中でも画質の良い中央周辺の光情報のみを使えるので悪くは無いと思う。
フルサイズで使うと、どうって事が無いレンズもAPS-Cで使うと化けるレンズもあるかもしれない。価格帯は撒き餌レンズが1万円を切る値段から数十万クラスの高級レンズまで幅が広い。
注意点は、ミラーレス(EOS-M)にはアダプタを介さなければ装着出来ない。完全電子マウントに対応する為にEFレンズはすべてEMD(電磁駆動絞りユニット)が搭載されている。電子化されているので、EFマウント以前のカメラとは互換性が無いので気をつけよう。(と言っても昔のフィルム時代のカメラの話)
参考サイト
EF-S
APS-Cサイズのセンサーにレンズを合わせることでサイズダウンやコストダウンを図ったレンズ。Kissなどの軽いボディに合わせるのであればこ のシリーズが比較的安く買えて、取り回しが軽くて簡単という認識。EF同様、ミラーレスにはアダプタを介して装着が可能。
APS-Cに最適化されているのでフルサイズ機では装着は不可能なので気をつけよう。ニコンのFXとDXの関係と違い、そもそも物理的に装着出来ない。クロップで使おうと思って購入すると痛い目を見る。
参考サイト
EF-M
ミラーレス機専用レンズ。2012年から発売開始されたレンズ群でまだ玉数が少なく5つのみ(2016年3月末現在)。EF-MマウントにEF、EF-Sマウントはアダプターを介して装着が可能だが、EF-MマウントのレンズをEF-S、EFマウントのカメラには装着出来ない。現状はEOS Mシリーズにのみ装着できるレンズだ。
レンズの種類はまだまだ少ないものの、中には価格の割に高性能なレンズもあったりする。特にオススメは「EF-M22mmF2」「EF-M11-22mm」と言ったところだろう。
参考サイト
TS-E
ティルト・シフトが可能なレンズ群に付加される表記だ。言葉で説明するのは難しいが、
- ティルト…ピント面を撮像に対して斜めに付ける事が出来る。絞らなくてもピント面に奥行きを出すことが出来るレンズ。例えば明るいレンズを絞り開放で斜めの被写体を撮ってもパンフォーカスさせる事が可能と言うこと。
- シフト…これが説明しにくいのだが、レンズをずらす事で歪みを補正したり、光軸をずらして真正面から鏡への移りこみを回避したり出来る。
と言うような事ができる特殊なレンズ。詳しくはコチラでかなり分かり易い説明がなされている。
参考サイト
L
F値のすぐ後ろに表示される。贅沢な(Luxury)の頭文字で、高級レンズ群に属するレンズに付加される文字。10万円以上するレンズが多い。SWCや蛍石、UDレンズ、スーパーUDレンズなどを贅沢に使っているのがこのレンズ群。赤ハチマキや白レンズなどが該当する。
EFマウントのレンズは型番に防塵防滴の表記は無いが、主にこのLレンズに属するレンズは防塵防滴構造が多い(全てではないので注意)
Canonは特に防塵防滴を強く謳ってはいないので心配ならばレインジャケットを持参の上で使用すると良いだろう。
参考サイト
IS
Image Stabilizerの略。レンズ内に手振れ補正の機構が搭載されている場合に付加される文字だ。CanonやNikon、タムロンやシグマなどがレンズ内手振れ補正を採用している。
望遠レンズなどでは、単に手ぶれ補正搭載というだけでなく、モードが分かれている。「モード1」は通常の手ぶれ補正を「モード2」は大きく動く(垂直・水平)方向の手ぶれ補正をカットする謂わいる流し撮りモード「モード3」はシャッター半押しの場合には手ぶれ補正を行わず、露光中のみ補正を効かせるスポーツモード。
さらに、マクロ撮影などで有効な「ハイブリッドIS」、動画撮影時に有効なワイド側の補正効果を高めた「ダイナミックIS」などの種類が存在する。但し対応レンズはかなり限定される。
ハイブリッドIS対応レンズ
ダイナミックIS対応レンズ
- EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM
- EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM
- EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM
- EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM
参考サイト
II・III
同等のスペックを有するレンズのマイナーチェンジの際などに付加される文字。IIIなんてあったかなあ…。いずれはIIIのレンズも出てくるはず!
DO
Diffractive Optics(回折光学素子)の略。レンズの小型化と色収差の補正の両立を可能にするレンズを搭載している時に付加される文字。Canonが世界で初めて各収差の補正に成功したのがDOレンズだったりする。
特性はレンズの小型化・軽量化。その恩恵を受けやすいのは望遠レンズという事もあって、キヤノンから発売されているDOレンズ入のモデルは望遠単焦点・ズームが一本ずつ。しかし、DOレンズが高価になりがちな為か、描写が価格の割に伸び止む為か、その後はあまりこのレンズを使ったモデルが発売されていない。
参考サイト
USM
UltraSonicMotor(超音波モーター)の略。レンズ内に駆動装置でオートフォーカスの際に稼動してピントの調節をする。高トルク・高レ スポンスで素早くピントの調節が可能だったり、静音性に優れていたりと、メリットが多い。
現在は小型レンズにも搭載できる「マイクロUSM」と大型レンズ にも対応している「リングUSM」の2種類がある。リングUSMではMFスイッチを使用せずにマニュアルによるピント調整を行うことが出来る「フルタイムマニュアル」に対応しているのでかなり便利。特にマクロなどピント面の微調整を行うときにはありがたい機能だ。
「EF50mmF1.4 USM」はマイクロUSMだがフルタイムマニュアルが使えたりするので一概にマイクロUSMでは使えない、と言うわけではない。マイクロUSMは故障しやすいという評価を良く見かけるので、中古品を購入する場合には要注意。
追記:)2016年に「ナノUSM」という新しい機構のUSMが誕生した。STMとUSMの特性を併せ持つ高速で静音性の高いフォーカシングが可能。現在は「18-135mm IS USM」のみ。
参考サイト
STM
SteppingMotorの略。パルス電力に同期して動かすことからパルスモーターとも言うらしい。起動・停止する時のレスポンス・制御性の高さ が特徴で、構造もシンプルな為静かでスムーズな駆動や小型化が可能。構造がシンプルと言うことはUSMよりかは壊れにくいと言う印象を個人的には受ける。
通常のリードスクリュータイプと小型レンズのギアタイプの2種類が存在する。普通に考えるとギアタイプの方が音が出そうな構造。
参考サイト
FDレンズ
キヤノンがEFマウントを採用する前の規格マウントを使っているレンズ群。言ってしまえばオールドレンズなフィルム時代のレンズ。
もちろんそのまま現行のデジタル一眼レフカメラには装着出来ない。しかもEFマウントに比べてフランジバックが短いので、アダプタには補正レンズを搭載。直接FDレンズの味を堪能するのは難しかったりする。
EOS-MシステムならばEFマウントよりもFDレンズが導入し易いものの、フルサイズセンサーでは無いので本来の画角では使えないという…。
参考サイト
操作・システム
AI Forcus・AI Servo II・III
AIサーボとは他のカメラメーカーで言う「コンティニュアスAF」と同義のモード。シャッターボタンを半押ししている間はピント合わせ続けるモードとなっている。
さらにAIサーボには「II」「III」と存在し、数字が大きくなるほどより高精度の追従性を発揮する。「II」は普及機のミドルクラスに搭載され、「III」はハイエンドクラスに搭載される傾向がある。
AI Forcusは「ワンショットAF」と「AIサーボ」をシーンによって自動的に切り替えてくれるモードだ。
参考サイト
シャープネス「細かさ」「しきい値」の設定
最新のEOSデジタル(EOS 5Ds/5DsR/80D)ではシャープネスの設定項目に新しく「細かさ」「しきい値」が加わっている。
強弱しか設定出来なかった従来モデルに比べると、より自分好みのシャープネスを設定可能になっている。
参考サイト
デジタルレンズオプティマイザ(DLO)
レンズからセンサーまで、光情報が伝わる一連の流れを設計しているキヤノンだからこそ出来るソフト。
レンズとボディに合わせたデジタル補正を行うことができるので、通常のボディ内補正よりも最適な補正能力を得られる。古いレンズでも使用可能だったり、ガッツリ絞り込んだ回折現象にも対応出来る。
使用可能ソフトはDPPに限られる上、処理が重い。また、DLO適用は事前にレンズデータをダウンロードしておく必要がある。