このページでは一眼カメラ用交換レンズ「XF90mmF2 R LM WR」の情報を収集しています。
更新履歴
- 2019-12-03:Dustin Abbottがレビューを掲載しています。
- 2017.7.17:全体的にページを修正
- 2015.12.25:ページを公開
データベース
レビュー
- 価格.com
レビュー/口コミ - 楽天市場レビュー
- Amazonレビュー
- GANREF
- Admiring Light
(抄訳記事) - Dustin Abbott
(抄訳記事) - Fstoppers
- FringeRange
- KenRockwell
- The Phoblographer
購入早見表
レンズデータ
レンズ仕様
型番 | XF90mmF2 R LM WR |
---|---|
レンズ構成 | 8群11枚 (EDレンズ3枚) |
焦点距離 | f=90mm(35mm判換算:137mm相当) |
画角 | 17.9° |
最大口径比(開放絞り) | F2 |
最小絞り | F16 |
絞り形式 |
|
撮影距離範囲 | 0.6m -∞ |
最大撮影倍率 | 0.2倍 (0.3倍 ※35mm判換算) |
外形寸法:最大径×長さ(約) ※先端よりマウント基準面まで |
ø75.0mm x 105mm |
質量(約) ※レンズキャップ・フード含まず |
540g |
フィルターサイズ | ø62mm |
紹介
各所でべた褒めのXマウント90mm(35mm判換算135mm)の望遠単焦点レンズ。この画角でF2と言う大口径
90mmと言う焦点距離でフジXマウントで使用する際は35mm判換算で定番の135mm中望遠レンズとなる。使いやすい56mmの画角より狭く、被写体を切り取りやすいポートレートレンズ。
特筆すべきは、極めて抑えられている口径食。これにより、周辺部の玉ボケが綺麗に仕上がるので、中望遠でF2と言う大口径を絞り開放から使いやすい設計になっている。解像力も良好で絞り開放から安心して使用でき、絞ればF8でピークを迎える。開けてよし、絞っても良しなのでポートレート以外にも風景撮影にも便利。
さらに、リニアモーターによる高速AFに加え、シーンを選ばない防塵防滴性能を有している。今現在で防塵防滴性能を有しているボディがX-T1のみとなるのが残念だが、今後発売されるであろう後継機種やX-Pro2に期待しよう。
90mm(換算135mm)の中望遠だが、最短撮影距離は60cmまで寄ることが出来る。最大撮影倍率にして0.3倍(35mm判換算時)だ。人よりも小さい花や昆虫を撮る際もクローズアップして撮影出来る。
APS-Cサイズの中望遠単焦点としては決して安くは無い価格だが、金額に見合う性能は有している。特にボケを活かした作例を見ると、フルサイズ要らないかもなあ…と考えさせられてしまうレンズ。
関連レンズ
海外の評価
Lenstip
優れた光学性能だが非常に高価
- 富士フイルムXFマウントの中望遠レンズはXF60mm F2.8が最初に登場した。これはポートレートレンズでは無く、マクロレンズとしての性質が強いレンズだ。次に2種類の56mm F1.2がポートレート用レンズとして登場した。そして次に登場したのが135mm相当となる本レンズだ。
- フルサイズ用85mm F1.8と比べて明らかに大きく重いレンズだ(より小さいAPS-Cセンサー用であるにも関わらず)。
- 最後尾のレンズはレンズマウントから1cmほど奥へ入り込んで固定している。周辺は反射防止のため黒く塗りつしてある。
- 製造国は日本だ。
- 幅12mmの絞りリングは程よい抵抗量を持ち、1/3段ごとに動作する。
- 幅42mmのフォーカスリングは程よい抵抗量と滑らかさで動作する。ピント距離全域を移動するためには約360度の回転量が必要だ。
- 解像度
・X-E1のRAWファイルを基にして測定している。
・良像の基準値は42-43lpmmだ。
・最高の単焦点で73-75lpmmを達成している。
・中央は絞り開放から72lpmmに達する優れた結果だ。F2.8まで絞ると78.5lpmmの記録的な数値となる。
・フレーム端もケチのつけようがない画質だが、中央ほど見事な結果では無い。望遠レンズとしては中央との画質差が大きい。 - 軸上色収差は目立たず、F2.8まで絞ると解消する。
- 倍率色収差は0.03%を超えることが無い無視できる数値であり実写で目に付くことは無いだろう。この結果には拍手喝采だ。
- テストした個体で球面収差の問題は見当たらない。
- 富士フイルムの歪曲収差補正には一貫性が無い。あるレンズは光学的に補正し、あるレンズはデジタル補正に依存している。このような望遠レンズで歪曲収差を光学的に補正していないとしたら驚くべきことだが、テスト結果を確認するとJPEGでもRAWでも0.46%・0.48%の僅かな糸巻き型歪曲となった。光学的に補正している証拠だ。
- コマ収差はとても良好に補正している。
- 非点収差は平均差で3.2%と非常に低い数値であり高く評価できる。
- ボケは極上でとても綺麗だ。唯一欠点があるとすれば口径食くらいだろう。
- 周辺減光はRAWのF2で-0.81EVだ。F2.8まで絞ると-0.33EVとなりほぼ解消する。
- 絞り開放では逆光の影響をそれほど受けないが、絞るとフレーム全体に影響を及ぼすフレアが発生する。結果として逆光耐性はあまり良く無い。
- オートフォーカスは静かだが、スピードは平凡だ。ピント距離全域を移動するのに0.6~0.7秒ほどかかる。フォーカス精度は非常に良好だ。
長所:頑丈で防塵防滴・センセーショナルな中央画質・良好なフレーム端の画質・僅かな軸上色収差・無視できる倍率色収差・わずかな球面収差・ほぼゼロ歪曲・優れたコマ収差補正・非点収差が小さい・素敵なボケ・穏やかな周辺減光・静かで正確なAF
短所:高価・逆光耐性
ほぼ全てのカテゴリで非常に優れたパフォーマンスを発揮するレンズだ。さらに金属製で防塵防滴の頑丈な鏡筒である。これでレンズ口径がF1.4だったら逆光耐性の欠点があっても「エディターズチョイス」と評価しただろう。
残念ながら、F2のレンズとしては非常に高価だ。フルサイズ用の85mm F1.8を手に入れる人もいるだろう。フルサイズ用の大口径レンズを使えば中央と周辺画質の差はより少ないはずだ。
Dustin Abbott
開放から優れた描写
- とても美しい外観に優れたフォームファクタ-を備えたレンズだ。
- フルサイズの135mmレンズと比較するとサイズは小さい。レンズサイズは75×105mm、重量は540gだ。キヤノンEF135mm F2Lと比べると、7mm短く、210g軽い。
- 外装は主に金属製で高級感がある。
- 絞りリングは1/3段ごとに動作し、デクリック機構は無い。電子制御の絞りリングなので電源オフ時に絞り羽根を操作することは出来ない。
- 金属製フォーカスリングは電子制御でフォーカス操作を行う。抵抗量は適切で滑らか、正確に動作する。
- レンズフードは安っぽいプラスチック製だ。レンズ側の質感と組み合わせるにはミスマッチなフードである。
- フォーカスは高速で静かだが、合焦前に1回か2回の小さな振動が発生する。動画撮影時でも非常に高速で滑らかだが、やはり微小の振動がある。
- カメラ側の問題かもしれないが、最短撮影距離付近ではピントが背景に抜けてしまうことがしばしばある。この問題は将来的にX-T3のファームウェアアップデートで解決する可能性がある。
- 瞳AFはソニーやキヤノンよりも精度が少し低い。XF90mmの浅い被写界深度の場合、瞳ではなくまつ毛にピントが合ってしまうことがある。
- 解像性能は絞り開放でも隅から隅まで優れたシャープネスとコントラストを発揮する。
- 軸上色収差を良好に補正しており色ずれの兆候は無い。
- F2.8まで絞るとコントラストは明らかに改善する。この傾向はf4まで続き、解像性能とコントラストはフレーム全域で際立ったものとなる。ピークはF5.6で、F16まで絞ると回折の顕著な影響がある。
- ボケ描写はとても素晴らしいが、絞り羽根が7枚なので絞ると羽根の形状が影響しやすい。
- このレンズにおける主な欠点は逆光耐性だ。フレーム内に強い光源が存在すると、フレアが発生しやすい。
私の見解としては「XF56mmF1.2 R」よりも肯定的なレンズだ。効果的なフォーカスシステムと耐候性を備えているにも関わらず、比較的安価である。
素晴らしい描写のレンズであり、B&Hにも100件の五つ星レビューが寄せられるほど多くのファンが存在する。お気に入りポートレートレンズとなる可能性を秘めた一本だ。
長所:防塵防滴構造・クアッドリニアモーター駆動・絞り開放から素晴らしいシャープネスとコントラスト・絞った際の際立ったシャープネス・良好な発色・際立った色収差補正・素敵なボケ
短所:レンズフードが安っぽい・時々近景にピントが合わない・フレアがいくらか出やすい
Admiring Light
- 幅広いフォーカスリングと専用絞りリングを備えた金属外装のレンズだ。レンズはガタツキ無くしっかりと組み立てられている。
- 唯一批判すべき点があるとすれば、リニアモーター駆動のフォーカスレンズだ。電源が入っていない場合、エレメントが固定されていないため鏡筒内で勝手に移動する。
- フォーカスリングは幅広く、抵抗感は優れている。他のレンズと同じくオーカスバイワイヤ式制御だがマニュアルフォーカスは簡単だ。
- 絞りリングも同様に優れている。フジフイルムの素晴らしい絞りリングは宝くじのように大当たりを引き当てるしかない。90mmの絞りリングは大当たりだ。出来れば他のレンズも同じような絞りリングにしてほしい。
- このレンズは2本目の防塵防滴仕様な単焦点だ。
- サイズは小さくないためカメラバッグのスペースを必要とする。グリップのあるカメラで使いたいところだ。
- オートフォーカスは高速かつ静かだ。暗所でも僅かな速度低下しか見られない。注目すべきは接写性能だ。マクロレンズでは無いが、多くのポートレートレンズに欠けているパフォーマンスである。C-AFを使用しても連写速度が低下していないことに驚いた。
- 手振れ補正を搭載していないため、屋内ではISO感度が上がりやすく、ファインダー像が安定しない。
- このレンズはとてもシャープだ。F2からほぼフレーム全域がシャープである。フレーム端や四隅は少しソフトだが、まだ良好だ。F4まで絞るとフレーム全域でシャープとなる。端的に言えば被写界深度の調整のみで絞り値を操作すればいいだろう。
- このようなレンズにとって重要なボケはほぼパーフェクトだ。ボケは滑らかで均一、玉ボケは均等で縁取りは無く滲んでいる。非球面レンズを使っていないため玉ねぎボケの傾向は無い。前ボケ・後ボケともに滑らかだ。
- 絞り開放から明瞭でコントラストの損失は無く色鮮やかだ。常にコントラストが高いため、ボケても高コントラストな背景には注意が必要だ。
- 驚くべきことに色収差も非常に良好な補正だ。倍率色収差は極僅か、軸上色収差も非常に良好だ。
- 歪曲は皆無だ。
- 周辺減光はとても良好だがF2で少し暗くなる。実写では問題とならないだろう。
- 逆光耐性は狭い画角とレンズフードのためかフレアの問題に遭遇することは無かった。
長所:理想的な画質・F2からフレーム全体でとてもシャープ・際立ったボケ描写・鮮やかな発色とコントラスト・極めて良好な色収差補正・高速で静かなオートフォーカス・優れた接写性能・良く減衰されたフォーカスリングと絞りリング・防塵防滴・価格
短所:大きく重い・手振れ補正無し
欠点が2つあるものの、他のポイントは全て良好だ。この最高の90mmを手にするためならば、価格設定は安いくらいである。
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