XF8mmF3.5 R WR 欠点があるものの使って楽しい超広角レンズ

OpticalLimitsが「XF8mmF3.5 R WR」のレビューを公開。RAWの目立つ歪曲収差や周辺減光、隅に向かって低下する解像性能などを指摘。しかし、小型軽量で優れた中央解像を備えているとし、遠近感を楽しめる超広角と評価。

OpticalLimits：Fujinon XF 8mm f/3.5 R WR – Review

外観：XF16mmF2.8 R WRの伝統を受け継ぎ、造りは優れている。

構造：WRの名称通り防塵防滴仕様で、レンズ本体からマウントまで金属製である。

携帯性：小型軽量。焦点距離の割にコンパクトである点が魅力。

操作性：絞りリングには特徴的なクリック感とロック機構があり、操作性は高い。

AF：AFは高速かつ静音で快適。マニュアル時は「バイワイヤ」で動作する。

MF：フォーカスリングの動作は滑らかである。

手ぶれ補正：記載なし

解像性能：中央はF3.5から非常に良好。周辺画質は急激に低下し、F5.6で改善される。F8では回折の影響が出始め、F11では画質が明らかに劣化する。補正後でも四隅の画質は「まずまず」に届かない。

像面湾曲：許容範囲内である。

ボケ：記載なし

軸上色収差：記載なし

倍率色収差：F3.5では画像周辺で顕著。F5.6で許容範囲に収まり、F8以上では良好な水準となる。

球面収差：記載なし

歪曲収差：RAWでは樽型歪曲が5.5%を超え、補正なしでは使用困難なレベル。自動補正により解消されるが完全ではない。

周辺減光：RAW画像での周辺減光は非常に大きい。F3.5では2.6EVと許容を超える。F5.6で軽減されるが、依然として大きい。自動補正により改善されるがノイズの増加という代償がある。

コマ収差：記載なし

逆光耐性：記載なし

光条：記載なし

作例集：

総評：最高傑作とは言い難いが、中央の解像は優れており、コンパクトさも魅力。周辺光量補正が必須であり、補正しても周辺減光や色収差は目立つ。ただし、最新AIソフトを活用すれば大きな問題にはならない。描写性能よりも、ドラマチックな遠近感が本レンズの強み。携帯性と造りの良さも評価できる。高画素機では他の選択肢を検討すべきだが、本レンズは使って楽しい超広角である。

競合について：Laowa 9mm F2.8 Zero-Dが先行して登場したが、フルマニュアルでありながら良好な性能と手頃な価格で人気。より実用的な焦点距離を求めるなら、Samyang AF 12mm F2 Xがコストパフォーマンスで非常に魅力的。

備考：

フルサイズ判換算で12mmの広い画角をカバーしている超広角の単焦点レンズ。
同じ画角をカバーする広角レンズは「XF8-16ｍｍ F2.8 R LM WR」のみであり、比較して小型軽量、低価格で8mmを利用することが可能。また、62mmのねじ込み式フィルターにも対応しており、フィルターワークも手ごろな費用で楽しむことができます。8mmの単焦点レンズを使いこなすには慣れが必要かもしれませんが、超広角に興味があるのであれば面白い選択肢と言えるでしょう。

小型軽量な超広角レンズで気になるのが光学性能ですが、OpticalLimitsのレビューでは、中央が良好なパフォーマンスとしつつも、隅に向かって大幅に低下すると指摘。他のレビューサイトでは問題なしと評価されていることもある歪曲収差ですが、従来のXFレンズと同じように歪曲収差を自動補正している模様。RAWにプロファイルを適用できないような環境であれば注意したほうが良いかもしれません。

光学性能には欠点があるものの、携帯性の高い貴重な8mm AFレンズとして面白い選択肢には違いない模様。MFレンズには他の選択肢があるものの、AFの8mmレンズが必要であれば要検討と言ったところでしょうか。

富士フイルム XF8mmF3.5 R WR 最新情報まとめ

XF8mmF3.5 R WR
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レンズの仕様

レンズの仕様
発売日	2023年6月29日	希望小売価格	12万9,800円
マウント	X	最短撮影距離	0.18m
フォーマット	APS-C	最大撮影倍率	0.07倍
焦点距離	8mm	フィルター径	Ø62mm
レンズ構成	9群12枚	手ぶれ補正	-
開放絞り	F3.5	テレコン	-
最小絞り	F22	コーティング	S.EBC
絞り羽根	9枚
サイズ・重量など
サイズ	Ø68mm × 52.8mm	防塵防滴	対応
重量	215g	AF	STM
その他	絞りリング
付属品
レンズフード・キャップ

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