挑戦的だが創造性を強く刺激するレンズ｜RF45mm F1.2 STM

Phototrendが「RF45mm F1.2 STM」のレビューを公開。F1.2の大口径ながら手ごろな価格を実現し、焦点距離の使いやすさやAF、携帯性なども評価。部分的に弱点はあるものの、創造性を強く刺激するレンズとしておススメしています。

Phototrend：Test Canon RF 45 mm F1,2 STM : grande ouverture et bokeh enfin accessibles

• 外観：Lレンズではないため付属品は前後キャップのみで、レンズフードは別売。
• 構造：軽量化のためポリカーボネートを多用しているが、造りと仕上げは良好。前後玉の径は大きい。防塵防滴ではなく、湿気や埃の多い環境では注意が必要。インナーフォーカスではなく、前後にレンズが動くため埃侵入のリスクがある。
• 携帯性：全長約7.5cm、最大径約7.8cm、重量約346gと非常にコンパクトで軽量。R6 Mark III装着時でも総重量約1015gと、フルサイズ用の超大口径レンズとしては前例のない軽さ。
  操作性：AFMFスイッチと幅広いフォーカスリングを備える。リングは電子制御でハードストップはない。ストロークは長くMF操作に適する。カスタマイズ可能なノッチ付きコントロールリングも搭載。
  AF：ステッピングモーター（STM）を採用し、被写体検出・追尾に完全対応。実写では高速かつ遅延の少ないAFを発揮し、ポートレートでは目に正確に合焦。報道・ストリート撮影や高速連写にも対応力が高い。低照度でも動きが安定していれば性能は良好だが、不規則な動きでは外す場合がある。EOS R5 Mark II（FW1.0）ではいくつか問題が発生したのでアップデート推奨。
• MF：フォーカスブリージングは顕著で、動画用途では注意が必要。
• 手ぶれ補正：レンズ内手ぶれ補正は非搭載で、ボディ側補正に依存。
• 解像性能：F1.2で中央は許容範囲だが際立つほどではなく、周辺は明らかにソフト。F1.4で中央が改善し、F2で中央と周辺が良好となるが隅はやや不足。F5.6で全域が優れ、均一性とシャープネスが真価を発揮。
• 像面湾曲：記載なし。
• ボケ：超大口径により非常に浅い被写界深度と滑らかな背景ボケを実現、前後の境界は極めて自然で幻想的な描写。ポートレートに理想的で、玉ボケは美しい。ボケ好きにとってはまさに天国。ただし口径食は顕著で、周辺では玉ボケが切れ気味になる。輪郭が硬く見える場合があり、色収差も確認できる。
• 軸上色収差：Lightroomのプロファイル補正では完全に除去できず、複雑なシーンでは強い緑・紫フリンジが残ることがあり、手動補正は困難。
• 倍率色収差：記載なし。
• 球面収差：記載なし。
• 歪曲収差：JPEGではカメラ内、RAWでは後処理で自動補正される。実際には目立つ樽型歪み。
• 周辺減光：カメラ内やソフトで補正されるが、素の状態では非常に強い周辺減光。F4付近で軽減する。
• コマ収差：記載なし。
• 逆光耐性：逆光時のコントラスト低下は比較的よく抑えられるが、フレアが非常に強く、オレンジや緑のアーティファクトが目立つ。ゴーストは発生していない。
• 光条：記載なし。
• 作例集：リサイズ多数。
• 総評：F1.2というこれまで高級レンズの領域だったスペックを身近な価格で提供した挑戦的なレンズ。焦点距離の使いやすさ、超大口径、優れたAF、軽量コンパクト、価格のバランスが非常に魅力的。光学性能はLレンズほどではなく、周辺の解像と色収差に弱点がある。しかし極めて滑らかなボケ描写は圧倒的で、被写体を強く浮かび上がらせる。ポートレートやルポ、ストリートで創造性を強く刺激するレンズとして強く推奨できる。
• 競合について：最も手頃なのはRF 50mm F1.8 STMで、価格は約299ユーロと魅力的だが、中央のシャープさを得るには絞りが必要。明確なライバルはRF 50mm F1.2 L USMで、描写は極めて優秀だが約2299ユーロと高価で、重量も約1kgと重い。
• 備考：

2025年11月に登場したキヤノンRFマウント用のレンズ。
無印の製品では珍しい「F1.2」の大口径を採用。大口径ながら全長は75mm、重量は400g未満と小型軽量なレンズに仕上がっています。おまけに売出価格が6万円台と低価格。光学性能には妥協点があるものの、キヤノンRFでは珍しい「味の強いレンズ」となるかもしれませんね。

Phototrendのレビューでは、手頃な価格のF1.2 AFレンズながら、中央は良好でボケ質は美しい描写とのこと。軸上色収差や四隅の甘さ、口径食などを考慮すると、RFレンズの中では癖の強い製品ですが、創造性を強く刺激するレンズとして強く推奨できるとのこと。

絞り開放では色収差の影響でボケの色付きが少し気になるものの、F2.8でほぼ解消しているように見えます。ボケが騒がしいと感じた場合は少し絞れば十分に使えそう。四隅がソフトと言及していますが、F8まで絞れば全体的にシャープで高解像を求めなければ十分な画質。

キヤノン RF45mm F1.2 STM 最新情報まとめ

• 発売日：2025年11月下旬
• 予約開始日：2025年11月11日（火）AM10:00
• 直販価格：6万6,000円

RF45mm F1.2 STM
楽天市場	Amazon	キタムラ	Yahoo
ビックカメラ	マップカメラ	SYSTEM 5	eBEST
メルカリ	キタムラで中古在庫を探す

レンズの仕様

関連レンズ

• RF50mm F1.2 L USM
• RF50mm F1.4 L VCM
• RF50mm F1.8 STM

関連記事

• 挑戦的だが創造性を強く刺激するレンズ｜RF45mm F1.2 STM 2025年12月28日
• 「F1.2」であるという事実が唯一の素晴らしい点｜RF45mm F1.2 STM 2025年12月22日
• RF45mm F1.2 STM レンズレビュー完全版 2025年12月21日
• 手頃な価格で実現する究極のボケ｜RF45mm F1.2 STM 2025年12月20日
• RF45mm F1.2 STM レンズレビューVol.6 周辺減光・逆光編 2025年12月15日
• RF45mm F1.2 STM レンズレビューVol.5 ボケ編 2025年12月9日
• F1.2のボケを楽しめる圧倒的なコストパフォーマンス｜RF45mm F1.2 STM 2025年12月8日
• RF45mm F1.2 STM レンズレビューVol.4 諸収差編 2025年12月8日
• RF45mm F1.2 STM レンズレビューVol.3 遠景解像編 2025年12月5日
• RF45mm F1.2 STM レンズレビューVol.2 解像チャート編 2025年12月4日