Nikonレンズ Nikon関連の情報 カメラ レンズ 機材の噂情報・速報 機材レビュー 管理人レビュー 解像力チャート

NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1 レンズレビュー完全版

このページでは「NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1」のレビューを掲載しています。

NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1のレビュー一覧

管理人の評価

ポイント 評価 コメント
価格 標準ズームの中では手頃な価格
サイズ 高倍率としては適度
重量 このクラスとしては非常に軽量
操作性 必要最低限
AF性能 十分良好
解像性能 遠景は良好だが近距離で低下
ボケ このクラスとしては滑らかで綺麗
色収差 部分的に軽微な影響
歪曲収差 広角側で補正必須
コマ収差・非点収差 全体的に軽微な影響
周辺減光 F値を考慮するとやや目立つ
逆光耐性 大きな問題なし
満足度 長所が短所を上回る高倍率ズーム

評価:

ポイント

長所が短所を上回る高倍率ズーム

欠点は間違いなくあるものの、人によっては長所が短所を上回る標準ズームレンズ。主な長所は高倍率ながら軽いこと、望遠側の撮影倍率が高いこと。短所は開放F値が大きいこと、接写時の画質低下、付属品の少なさあたり。

数あるNIKKOR Z 標準ズームレンズの一つであり、欠点が気になる場合は他の選択肢も要検討。

While it certainly has its drawbacks, for some users the strengths outweigh the weaknesses in this standard zoom lens. Its main advantages are its light weight despite high magnification and its high magnification ratio at the telephoto end. The disadvantages include its large maximum aperture, reduced image quality during close-up shooting, and the limited range of accessories.
It is one of several NIKKOR Z standard zoom lenses available; if the shortcomings are a concern, other options should also be considered.

まえがき

標準域をカバーする10本目のNIKKOR Z ズームレンズ。
本レンズは単体販売に加え、Z5IIのレンズキットとしても提供。エントリー向けフルサイズ機の選択肢を広げます。24-105mmの幅広い焦点域と約350gの軽量コンパクト設計により、日常から旅行まで幅広い撮影に対応。

NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」の廉価版に見えますが、70-105mmの範囲で0.5倍の高い撮影倍率をカバー。高い接写性能でS-Lineと区別化することが可能。さらに開放F値を抑えることで小型軽量化・低価格化を実現しています。

STMによる高速かつ静音AFやカスタマイズ可能なコントロールリングも備え、使い勝手に優れています。Z5IIとの組み合わせで、創造性を広げるオールインワンキット。

主な仕様

レンズマウント Z
対応センサー フルサイズ
焦点距離 24-105mm
レンズ構成 10群12枚
開放絞り F4-7.1
最小絞り F22-40
絞り羽根 7枚
最短撮影距離 20.1-27.9 cm
最大撮影倍率 0.5倍
70-105mm
フィルター径 67mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング SIC
サイズ φ74×107mm
重量 350g
防塵防滴 配慮した設計
AF STM
絞りリング -
その他のコントロール -
付属品  レンズキャップ67mm LC-67B
裏ぶた LF-N1

価格のチェック

小売店の初値は8.1万円。Z 24-120mm F4 Sの実勢価格が13.3万円なので、差額は約5万円。価格差と携帯性、接写性能に価値を見出せるかがポイントとなりそうです。

NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1
楽天市場 Amazon キタムラ Yahoo
ビックカメラ マップカメラ ECカレント eBEST
メルカリ キタムラで中古在庫を探す
レンズフード HB-93B
楽天市場 Amazon キタムラ Yahoo
メルカリ キタムラで中古在庫を探す

レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

NIKKOR Zらしい、黒と黄色を基調としたデザインの箱。2018年のZシステム始動時から変化はありません。

レンズ本体のほかに、通常のつまみ式キャップ、説明書・保証書が付属。この価格帯のレンズとしては珍しく、レンズフードが別売りとなっている点に注意。NIKKOR Zでフード別売りは珍しいですが「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」も同様であり、これが初めてではありません。

外観

外装は他の非S-Line NIKKOR Zと同じくプラスチック製。ズームリングはゴム製カバーで覆われ、コントロールリングはプラスチック素材を使用。

鏡筒はマットな黒色で塗装され、傷や指紋が目立たない処理。表面は少しざらつきがあり、滑り止めの効果があります。プラスチック外装ながら、手に取った際の感触は良好。ただし、マウント付近の外装が金属製のS-Lineレンズと比べると少しチープ。

装飾は最小限で、ニコンの社名やレンズ名、ブランド名の表示のみ。鏡筒下部にはCEマークや撮影範囲、使用するレンズフードの型番などがプリントされています。

製造国はタイと記載。

ズームの伸縮と開放F値

レンズはズームリングを操作することで内筒が前方に伸びるデザインを採用。最短は24mm、最長は105mm。内筒は24-120mm F4 Sの多段式と異なり、単一の筒が前方へ繰り出すデザイン。伸びた内筒にがたつきはありません。

開放F値は焦点距離により変動します。変動するタイミングを以下に掲載。

24mm F4
31mm F4.2
36mm F4.5
41mm F4.8
45mm F5.0
52mm F5.3
58mm F5.6
66mm F6.0
74mm F6.3
89mm F6.7
105mm F7.1

標準域で既にF5.6に到達し、中望遠でさらに開放F値が上昇。一貫してF4を利用できる24-120mm S-Lineと比べると、広い範囲で1段以上の差があります。低照度での撮影が多いのであれば、24-120mm F4の検討をおススメします。

ハンズオン

外装がプラスチック素材で高級感はありませんが、過度に安っぽい質感でもありません。必要十分。

サイズ φ74×107mm
重量 350g

レンズサイズは24-120mmとよく似ていますが、非常に軽量。似たような開放F値のキヤノン製レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」と比べても少し軽いレンズです。(ただし全長が長め)

手振れ補正は非搭載ですが、ニコンのフルサイズミラーレスは全機種が手振れ補正を搭載しているので問題にはならないはず。

前玉・後玉

前面は67mmフィルターに対応するソケットとバヨネットタイプのレンズフードに対応。レンズ前面はフッ素コーティング処理されていないので、ダメージが想定される場合は保護フィルターかレンズフードを装着しておくと良いでしょう。

Amazonで67mmフィルターを探す

プラスチック製レンズマウントは4本のネジで本体に固定されています。マウント周囲に防塵防滴用のゴムリングは見当たりませんが、可動部はシーリング処理されています。

マウント付近の後玉はズームリングを操作すると前方へ移動します。この際、マウント内部を覗くと基盤の露出を確認。S-Lineと造りが異なる部分。

フォーカス/コントロールリング

フォーカス操作やその他制御の操作に利用するコントロールリングを搭載。利用する機能はカメラ側のボタンカスタマイズで変更可能。

適度な抵抗感で滑らかに回転。素手での操作は問題ありませんが、滑りやすい厚手のグローブを装着していると操作が難しいかもしれません。

フォーカス操作時の応答性はカメラ側で設定変更が可能。回転量に応じしたリニアレスポンスや、回転速度に応じたノンリニアレスポンス(感度の変更可能)に切り替えることができます。

ズームリング

ゴム製の大きなズームリングを搭載。24mmの広角端から105mmの望遠端まで、回転角が90度を少し超えるくらいのストロークで操作することができます。

リングはズーム全域で滑らかに回転し、適度な抵抗感で操作可能。動画撮影時のズームにも利用できそうなほど引っ掛かりのない操作感。

レンズフード

別売りの花形プラスチック製レンズフードを入手。
一般的なサイズで、ロック機能やフィルター操作窓のないシンプルなデザインです。

装着例

Z8に装着。
フルサイズ用24-105mmとしては大きすぎず重すぎず、常用可能なサイズに抑えられています。片手持ちで姿勢を簡単に保持することができ、カメラバッグへの収納も容易。

AF・MF

フォーカススピード

Z8に装着してテスト。
フォーカスはステッピングモーター駆動を使用。静かで滑らかに動作します。望遠側で合焦速度が少し低下するものの、全体的に快適なAF速度を実現しているように見えます。カメラ側の性能を含めて、AF-Cの動作も快適。

マルチフォーカスの24-120mm F4 Sと比べると若干遅めですが、十分なパフォーマンス。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

24mm

ピント位置による画角の変化はごく僅か。

50mm

24mmより少し目立ちますが許容範囲内。

105mm

やや目立ちますが、0.5倍の高い撮影倍率を実現しているレンズとしては良好に見えます。

精度

Z8との組み合わせで大きな問題はありませんでした。

MF

前述したとおり、カメラ側の設定でフォーカスリングのレスポンスを調整可能。リングは滑らかで簡単に操作することができます。

最大撮影倍率

このレンズで小さな被写体を最も大きく写すことが出来るのは70-105mm。この際、最大撮影倍率は0.5倍と非常に大きい。24-120mm F4 Sが120mmで0.39倍だったことを考えると明らかな長所。最小絞りがF40と大きいため、被写界深度を深くしやすいのもメリットの一つ。

70mmから広角端24mmに向かって、最大撮影倍率は徐々に小さくなります。それでも、35mmくらいまでは適度なクローズアップ性能を備えているように見えます。

参考までに24-105mmと24-120mmの最大撮影倍率の比較を掲載。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:Z8
  • 交換レンズ:NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

24mm

中央は非常にシャープですが、周辺から隅に向かって大幅に低下します。近距離でパフォーマンスが低下するレンズは数多く、このレンズも例外ではありません。特に広角レンズは定型チャートと相性が悪い(標準や望遠と同程度のサイズで撮影するには接写が必要となる)。

これはS-Lineの24-120mmも同じですが、比較して本レンズの低下がより顕著。幸いにも、F8まで絞ると大幅に改善するので、周辺や隅の画質を重視する場合は絞ることをおススメします。

あくまでも接写時のテスト結果であり、遠景では全く異なる結果となる点に注意してください。撮影距離の長い実写テストは遠景解像編にて紹介します。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F4 4248 2661 403
F5.6 4551 2855 1066
F8.0 4266 3257 2507
F11 4249 3396 2701
F16 3463 2827 2983
F22 2977 2527 2471

35mm

引き続き周辺や隅は低調ですが、中央はすこぶる良好。絞り開放からコントラストが高く、細部までシャープな結果が得られます。絞る必要はありません。

周辺はF8まで絞れば良好となり、隅もF8-11で実用できるくらいまで改善します。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F4.2 4400 2891
F5.6 4325 2902 1572
F8.0 4584 3295 3025
F11 4173 3613 3032
F16 4025 3267 3268
F22 3561 2800 2592

50mm

広角と比べると周辺や隅が改善しますが、均質性がピークとなるS-Lineと比べると見劣りします。

引き続き中央は非常に良好ですが、開放F値の上昇でピークを維持できる範囲は狭い。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F5.0 4624 3434 2941
F5.6 4456 3341 2487
F8.0 4493 3490 3075
F11 3684 3379 3061
F16 3527 3404 3230
F22 2989 2795 2878

70mm

周辺が中央に近い画質となりました。広い範囲で良好な結果を得ることができます。ただし、隅はソフトな結果であり、S-Lineと比べて差が開くポイント。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F6.0 4513 4006 1820
F8.0 4362 3651 3295
F11 3913 4083 3768
F16 3490 3733 3427
F22 2946 2912 2946
F32 2340 2097 2266

85mm

70mmと同じく、中央と周辺は絞り開放から安定感のある画質です。周辺もF11くらいまで絞ると良好。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F6.3 4114 3928 2415
F8.0 4287 3800 3222
F11 3981 3981 3688
F16 3675 3474 3688
F22 2989 2969 2812
F32 2320 2434 2149

105mm

70/85mmと同じく、中央から広い範囲で良好な結果。残念ながら、フレーム隅は比較的ソフトで、F11-16まで絞らないと改善しません。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F7.1 4012 4120 3267
F8.0 4156 4076 3175
F11 3957 3923 3408
F16 3701 3606 3531
F22 2883 3153 2869
F32 2378 2228 2172

競合レンズ比較

NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」のチャートテストと比較した結果が以下の通り。テスト機が異なるものの、同じ4500万画素のZ7を使用しています。

中央はズーム全域で健闘していますが、周辺や隅は比較的ソフト。中望遠から望遠端で周辺部が良好となりますが、フレーム隅は全域で見劣りする結果となりました。

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2026.1.30 雪 微風
  • カメラ:Z8
  • 三脚:SIRUI AM324
  • 雲台:アルカスイスZ1+
  • 露出:絞り優先AE ISO100
  • RAW:Adobe Camera RAW
  • シャープネスオフ
  • ノイズリダクションオフ
  • レンズ補正 外せない

24mm

中央

F4の絞り開放から非常にシャープ。被写界深度の拡張以外で絞りによる改善効果はありません。

周辺

至近距離のテストでは画質が低下するポイントでしたが遠景では特に問題ありません。絞り開放からシャープで、絞る事で僅かに改善します。

四隅

倍率色収差の影響があるものの、近距離のテスト比べるとはるかにシャープでディテールが豊富。細部大きく拡大しなければ全く問題ありません。

35mm

中央

24mmと同じく、絞り開放から非常にシャープです。絞りによる改善の余地はありません。

周辺

中央と同じぐらい非常にシャープです。

四隅

24mmと同じく色収差の影響はありますが、細部までディテールが豊富。コントラストの極端な低下や像の流れはありません。

50mm

中央

絞り開放でごくわずかにコントラスト低下。しかし無視できる程度で実用的な画質に違いありません。少し絞るとコントラストが改善します。

周辺

中央と比べると細部が少しソフト。ただしF8まで絞ると改善します。

四隅

絞り開放から良好です。

70mm

中央

広角や標準と比べると細部のコントラストが少し低め。開放F値が高く、絞りによる改善はごく僅か。

周辺

コントラストに力強さはありませんが、細部までシャープでおーきな問題はありません。

四隅

周辺と同程度で画質に大きな低下はありません。とても良好です。

85mm

中央

70mmと同じ傾向です。

周辺

コントラストが少し低めにも見えますが、細部はシャープで解像性能に問題ありません。

四隅

中央や周辺と比べると若干ソフトにも見えますが、大きなな画質の乱れはありません。良好な結果を維持しています。

105mm

中央

望遠端においても画質の低下は目立ちません。絞りによる改善効果はほとんどなし。

周辺

少しソフトな画質ですが中央から大きな低下はありません。

四隅

コントラストが最も低くなるポイント。絞っても大きく改善することはありません。しかし極端な画質の低下はなく、問題なく使うことができます。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

24mm

Adobe Lightroomの場合は自動補正されますがPhotolabでは残存する色収差を確認可能。この場合も極端な色収差は残存しておらず、フレーム隅で若干確認できるのみ。

35mm

ごく僅かで目立ちません。

50mm

35mmと同じく問題無し。

85mm

軽微な色収差で目立ちません。

105mm

85mmよりも少し増えますが問題無し。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

ズーム全域で軽微な影響に抑えられています。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

24mm

DXO Photolabで現像すると、陣笠状の目立つ歪曲収差が残っています。補正後は綺麗な直線となりますが、フレーム周辺部がトリミングされます。

Before imageAfter image

35mm

穏やかな樽型歪曲。そのままでも無視できる程度ですが、補正で綺麗に修正可能。

Before imageAfter image

50mm

歪曲収差はほぼゼロ。

Before imageAfter image

85mm

広角側から一転して糸巻き型の歪曲収差。極端ではないものの、直線的な被写体の場合は少し気になるかもしれません。

Before imageAfter image

105mm

85mmと同程度。24mmのような極端な影響ではありません。

Before imageAfter image

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

フレーム隅に点光源の変形があるものの、ズーム全域で穏やかな影響。

球面収差

極端な収差は残っていません。前後のボケを見比べてみると、中央の「点」以外は良く補正されているように見えます。この「点」は小さな玉ボケで不快な描写となる場合があります。個体差の問題なのか、どの24-105mm F4-7.1でもこうなるのかは不明。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

ボケの縁取りが強調されない柔らかい描写。色収差による悪目立ちもなく、使い勝手の良いボケ質。

前ボケ

後ボケと比べると、縁どりが硬く、輪郭が残りやすい描写。極端な硬いボケ質ではなく、色収差の影響も目立ちません。「後ボケと比べると硬い」という程度。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

広角端で口径食の影響が強め。しかし「24mm F4」で玉ボケが大きくなるシチュエーションは限定的。心配する必要はありません、以降の焦点距離では絞り開放から口径食の影響が少なく、玉ねぎボケの傾向もなし。

ボケ実写

24mm

接写時は滑らかな後ボケ。周辺に向かって騒がしくなる兆候が見られるものの、大きな問題はありません。撮影距離が長くなると、周辺部や隅にコマ収差や倍率色収差の影響が発生。ただし、ボケが小さく目立ちません。

50mm

開放F値が大きいので大きなボケとは言えませんが、滑らかで綺麗な描写です。撮影距離が長くなると、色収差や非点収差の影響を受けているように見えますが、ボケのサイズに対して悪影響は軽微。

105mm

全身ポートレートの撮影距離で背景を溶かせるほどの被写界深度は得られません。この場合は他のレンズを検討したほうが良いでしょう。しかし、描写は滑らかで綺麗。中距離から接写まで使いやすいボケ質です。

周辺減光

周辺減光とは?

フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ち。
中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となります。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景や星空の撮影などで高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

24mm

撮影距離に関わらず、F4の絞り開放で四隅に目立つ減光が発生します。十分に絞ると改善しますが、絞り開放を使う場合はカメラ側の補正も要検討。

最短撮影距離
無限遠

50mm

広角端と比べると穏やかで、無視できる程度の軽微な影響です。

最短撮影距離
無限遠

105mm

50mmと同じく無視できる程度の軽微な影響。

最短撮影距離
無限遠

逆光耐性・光条

24mm

S-Lineと比べるとゴーストがやや強め。強めの光源をフレームに入れない限り分からない程度の差ですが、逆光での撮影が多いのであれば少し注意したほうが良さそう。

50mm

S-Lineと大きな違いは無いように見えます。ただし、絞った際に光条がシャープとなるのはS-Lineのほう。

105mm

強い光源をフレームに入れてもゴーストの発生が良く抑えられています。

光条

最小絞りまで絞っても切れのあるシャープな光条が得られません。逆光耐性よりもS-Lineと差が付くポイント。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • S-Lineよりも手頃な価格
  • 軽量
  • 低価格ながら防塵防滴に配慮した設計
  • 十分な性能のAF
  • フォーカスブリージングが抑制されている
  • 50mm以降で高い最大撮影倍率
  • 遠景の解像性能が良好
  • 広い範囲で倍率色収差を良好に補正
  • 軸上色収差の問題無し
  • コマ収差が良く補正されている
  • 球面収差の大きな問題無し
  • 滑らかな後ボケ

比較的軽量で低価格ながら、実用的な光学性能と機能性を備えたレンズ。高倍率ながら遠景撮影時は全体的に良好で、収差はカメラ側の補正込みで問題ない程度の抑えられています。

特に50mm以降における最大撮影倍率が高く、小さな被写体をクローズアップしやすいのは強みの一つ。解像性能が高いとは言えないものの、S-Lineよりも強めに絞る(被写界深度を深くできる)ことができるのは面白い。さらに近距離ではボケが滑らかで綺麗。寄っても引いても使いやすい。

悪かったところ

ココに注意

  • レンズフードが別売り
  • プラスチックマウント
  • 手振れ補正非搭載
    (ただし、フルサイズZカメラは全機種が手振れ補正を搭載)
  • スイッチ・Fnボタンなし
  • 接写時に周辺画質が低下しやすい
  • 広角側に強めの樽型歪曲
  • 広角端で周辺減光・口径食が強い
  • 絞った際の光条にキレがない

低価格とは言え、プラスチック製のレンズマウントやフード別売りを正当化できるほどの価格設定ではないように感じます。カメラのキットレンズとして入手するのであれば妥協できるギリギリくらいですが、単品で買うとしたら残念と感じるポイント。

光学性能は概ね良好ですが、部分的に弱点あり。接写時に低下が目立つ周辺画質、広角側の歪曲収差、周辺減光など。日常的な撮影では無視できるような条件ですが、アーカイブや建築物など、一部の撮影シーンでは不適かなと。

望遠端に向かって開放F値が大きくなるため、ボケが小さかったり、低照度でAF性能の低下が急速である点には注意が必要です。

結論

欠点は間違いなくあるものの、人によっては長所が短所を上回る標準ズームレンズ。主な長所は高倍率ながら軽いこと、望遠側の撮影倍率が高いこと。短所は開放F値が大きいこと、接写時の画質低下、付属品の少なさあたり。

数あるNIKKOR Z 標準ズームレンズの一つであり、欠点が気になる場合は他の選択肢も要検討。

NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1
楽天市場 Amazon キタムラ Yahoo
ビックカメラ マップカメラ ECカレント eBEST
メルカリ キタムラで中古在庫を探す
レンズフード HB-93B
楽天市場 Amazon キタムラ Yahoo
メルカリ キタムラで中古在庫を探す

競合製品について

NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

本レンズの上位モデル。完全な上位互換ではないものの、一般的に使う上で優れているのはコチラ。驚く程の差額ではないため、資金に余裕があるのならS-Lineがおススメ。

主な利点は鏡筒の質感、豊富な操作系、近距離の性能など。開放F値がF4固定となるため、特に望遠側の低照度性能が優れています。

ただし、広角側を使って小さな被写体を撮影する機会が多いのであれば非S-Lineも要検討。最小絞りが「F22」となるため、目いっぱい絞って被写界深度を稼ぎたい場合は非S-Lineが好適。

NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
楽天市場 Amazon キタムラ Yahoo
  キタムラで中古品を探す

NIKKOR Z 28-75mm f/2.8

何よりも大口径であることを重視するのであれば検討したい一本。ただし、この場合は「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」も併せてチェックしておくことをお勧めします。

NIKKOR Z 28-75mm f/2.8
楽天市場 Amazon キタムラ Yahoo
  キタムラで中古品を探す

購入早見表

このような記事を書くのは時間がかかるし、お金もかかります。もしこの記事が役に立ち、レンズの購入を決めたのであれば、アフィリエイトリンクの使用をご検討ください。これは今後のコンテンツ制作の助けになります。

NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1
楽天市場 Amazon キタムラ Yahoo
ビックカメラ マップカメラ ECカレント eBEST
メルカリ キタムラで中古在庫を探す
レンズフード HB-93B
楽天市場 Amazon キタムラ Yahoo
メルカリ キタムラで中古在庫を探す

作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

関連レンズ

関連記事

-Nikonレンズ, Nikon関連の情報, カメラ, レンズ, 機材の噂情報・速報, 機材レビュー, 管理人レビュー, 解像力チャート
-, ,