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VILTROX AF 9mm F2.8 Air レンズレビュー完全版

「VILTROX AF 9mm F2.8」のレビューを掲載しています。

製品提供について

このレビューは映像嵐株式会社より無償提供(1か月)された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。

簡易的なまとめ

APS-C用としては珍しい9mmの超広角をカバー。画角が広すぎて扱い辛いかもしれませんが、本製品に代わる選択肢はほとんどありません。ニッチな製品ですが小型軽量かつ”比較的”低価格で入手可能。さらに光学性能に大きな弱点もなく、使いやすいのが強み。

小型なりの弱点はあるものの、長所が短所を大きく上回るレンズと考えて問題ありません。

It covers a 9mm ultra-wide angle, which is rare for an APS-C lens. While the extremely wide angle of view might make it a bit tricky to handle, there are few alternatives to this product. Although it’s a niche product, it’s compact, lightweight, and available at a “relatively” low price. Furthermore, it has no major optical flaws, and its ease of use is a major strength.
Although it has some drawbacks typical of a compact lens, it’s safe to say that its strengths far outweigh its weaknesses.

*当ブログのレビューは冒頭に断りが無い限り、自費購入となっています。

VILTROX AF 9mm F2.8のレビュー一覧

レンズの評価

ポイント 評価 コメント
価格 超広角としては手ごろな価格
サイズ 大きすぎず
重量 比較的軽いほう
操作性 絞りリング・スイッチなし
AF性能 必要十分
解像性能 大きな欠点のない安定した性能
ボケ 超広角としては滑らか
色収差 良好な補正状態
歪曲収差 軽微だが複雑な形状
コマ収差・非点収差 無視できる程度の影響
周辺減光 強めで補正が必要
逆光耐性 適度に良好
満足度 長所が短所を大きく上回るレンズ

評価:

ポイント

長所が短所を大きく上回るレンズ

APS-C用としては珍しい9mmの超広角をカバー。画角が広すぎて扱い辛いかもしれませんが、本製品に代わる選択肢はほとんどありません。ニッチな製品ですが小型軽量かつ”比較的”低価格で入手可能。さらに光学性能に大きな弱点もなく、使いやすいのが強み。
小型なりの弱点はあるものの、長所が短所を大きく上回るレンズと考えて問題ありません。

It covers a 9mm ultra-wide angle, which is rare for an APS-C lens. While the extremely wide angle of view might make it a bit tricky to handle, there are few alternatives to this product. Although it’s a niche product, it’s compact, lightweight, and available at a “relatively” low price. Furthermore, it has no major optical flaws, and its ease of use is a major strength.
Although it has some drawbacks typical of a compact lens, it’s safe to say that its strengths far outweigh its weaknesses.

まえがき

2025年9月に登場したVILTROX APS-C Airシリーズの単焦点レンズ。
これまでで最も短い焦点距離をカバーする超広角。そして小型軽量で低価格ながら開放F値「F2.8」を実現しています。

このレンズのような価格帯でAFを実現している9mm前後のレンズは多くありません。超広角レンズを検討している人にとって面白い選択肢となることでしょう。

主な仕様

発売日 2025.9.19
初値 33,000円
レンズマウント E / Z
対応センサー APS-C
焦点距離 9mm
レンズ構成 11群13枚
開放絞り F2.8
最小絞り F16
絞り羽根 7枚
最短撮影距離 0.13m
最大撮影倍率 0.15倍
フィルター径 58mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング フッ素
サイズ φ65×56mm
重量 175g
防塵防滴 -
AF STM
絞りリング -
その他のコントロール -
付属品  レンズフード

価格のチェック

2026年4月に値上がりしますが、売り出し価格は3.3万円と手頃な価格。EマウントやXマウントは競合製品が存在するものの、ここまで安い超広角AFレンズはありません。さらにZマウントはライバル不在の独断場。いずれのマウントでも購入を検討する価値があります。

VILTROX AF 9mm F2.8
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レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

VILTROX Airシリーズらしく、白を基調としたデザイン。外箱と内箱に分かれています。内箱にVILTROX印の封印テープが張ってあり、剥がすと粘着性のある跡が残ります。

封印が破られているとすぐわかる便利なテープですが、この状態で外側のカバーを内箱に戻すとテープが張り付くので注意。テープは剥がさず、カッターで切るのがおススメです。

箱の中には本体のほかにポーチやフード、キャップが付属。試用品のため、今回はポーチが付属しませんでした。

外観

レンズの外装は全体的にプラスチックを使用。ただし、サムヤンTinyシリーズやYONGNUOの古い製品のような安っぽさはなく、日本メーカーのしっかりとしたプラスチック外装に似ています。価格を考慮すると悪い印象はありません。マットブラックの塗装で光沢が少なく、安っぽいプラスチッキーな質感が抑えられています。

デザインは他のAirシリーズとよく似ていますが、前玉の形状や配置が異なります。

外装のデザインは非常にシンプル。唯一の装飾はレンズのロゴですが、プリントされたもので加工はありません。「VILTROX」のロゴが無ければ、メーカーを特徴づける意匠は無し。シリアルなどはシールで張り付けたもの。

ハンズオン

サイズ φ65×56mm
重量 175g

APS-C対応の9mmレンズとしては小型軽量。超広角が必須でないシーンでも気軽に携帯することができます。

例えば富士フイルム「XF8mmF3.5 R WR」でØ68mm × 52.8mm・215g。VILTROXは外装の素材やコントロールに妥協があるものの、それでも補正前提で設計された8mmF3.5より軽量であるのは凄い。

前玉・後玉

防塵防滴には非対応で、前玉のフッ素コーティング処理は不明。ダメージが予想されるシーンでは保護フィルターを装着しておくと良いでしょう。

前面にはレンズのロゴやフィルター径などが白字でプリント。白字は光を反射しやすく、フィルター面へ写りこむ可能性があるので個人的に好みではありません。

フィルター径は58mmで、9mmレンズとしては非常にコンパクトです。

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アルミニウム製のレンズマウントは4本のネジで固定されています。防塵防滴非対応のためシーリングはありません。マウント面にはファームウェアアップデート用のUSB-Cポート。レンズ後玉周辺は不要な光の反射を抑えるため、きちんと黒塗り処理が施されています。

フォーカスリング

切込みが入ったプラスチック製の幅広いフォーカスリングを搭載。適度な抵抗感で滑らかに回転します。

リングの応答性はカメラ側の設定により異なります。ノンリニア設定の場合は、素早く回転して全域移動に180度を少し超えるくらいの操作量。フルマニュアルで操作するには手間がかかるものの、微調整程度であれば使い勝手は良好。

リニア設定で角度を設定すると正確かつ再現性の高いフォーカスが可能となります。リング操作時のフォーカスは滑らかで、ジャンプするようにピントが移動することはありません。

スイッチ類

ありません。

絞りリング

残念ながら絞りリングは非搭載。

レンズフード

花形プラスチック製レンズフードが付属します。必要最低限ですが、肉厚なプラスチックで安っぽさは無し。初期のAirシリーズに付属していたフードと比べると、しっかりと固定することができます。

装着例

Z50IIに装着。小型軽量な9mm F2.8レンズらしく、片手持ちでも苦にならないサイズ・重量。AFをはじめ、絞りなど動作に問題はありませんでした。

AF・MF

フォーカススピード

レンズのオートフォーカスはステッピングモーターで動作。フォーカス速度は高速で、近距離から遠景まで瞬時に切り替わります。AF-Cの追従性も良好。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

ピント位置によって画角が少し変化しますが、極端ではありません。許容範囲内。

Before imageAfter image

精度

Z50IIとの組み合わせで問題ありませんでした。

MF

前述したように、カメラ側の設定で操作量が変化します。自身の好み合わせて調整可能。リングは滑らかで適度な抵抗、ステッピングモーターの動作も滑らかで問題無し。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:Z50II
  • 交換レンズ:VILTROX AF 9mm F2.8
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

テスト結果

広角レンズと定型チャートテストは相性が悪い(かなり近寄って撮影する必要がある)にも関わらず、全体的に良好な結果が得られました。これと言った弱点が無く、F2.8の絞り開放から快適に利用することができます。

フレーム隅に僅かな落ち込みがあるものの、全体像からすると無視できる程度。さらに1~2段絞ると中央との画質差が縮まります。3万円台の超広角レンズとしては驚くほど高性能。

中央

F2.8から細部までシャープでコントラストが高い。少なくとも2000万画素のZ50IIで使用するかぎり、F2.8からピークの結果となります。

周辺

中央とほぼ同じで、色収差の影響はほとんどありません。優れた光学性能です。

四隅

中央や周辺と比べると僅かにソフトですが、それでも画質の大きな低下は無く、F2.8から良好な結果。色収差の痕跡はほとんどありません。

数値確認

Center Mid Corner
F2.8 3719 3731 2956
F4.0 3840 3654 3275
F5.6 3673 3693 3408
F8.0 3175 3193 2978
F11 3066 2971 2741
F16 2492 2329 2294

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2026.2.24 くもり
  • カメラ:Z50II
  • 三脚:SIRUI AM324
  • 雲台:アルカスイスZ1+
  • 露出:ISO 100 絞り優先AE
  • RAW:Adobe Camera RAW 現像
    ・シャープネスオフ
    ・ノイズリダクションオフ
    ・レンズ補正オフ

中央

絞り開放から非常にシャープでコントラストも良好。少なくとも2000万画素のZ50IIではF2.8の絞り開放からピークの性能を発揮します。被写界深度も十分に深いため、絞る必要性は全くありません。

周辺

中央と同様であり、画質の落ち込みはありません。絞ると周辺減光が多少改善する程度。

四隅

F2.8でも十分良好ですが、F4.0まで絞ると細部までシャープでコントラストの高い結果が得られます。フレーム全体でベストを尽くす場合はF4まで絞るのがおススメです。

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

ピント位置による解像性能の変化は目立ちません。像面湾曲は遠景において良く補正されています。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

軽微な影響が残っていますが、実写で大きな問題とはなりません。現像ソフトなどで簡単に修正可能。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

F2.8から影響は穏やかで無視できる範囲内。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

実写で確認

周辺部で穏やかな樽型、フレーム隅で糸巻き型となる複雑な歪曲収差です。手動補正は難しいので、レンズプロファイルでの修正が必要。ただし、影響が穏やかであるため、無修正でも目立たない場合が多いです。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

点像再現性に若干の影響が見られるものの、全体像からすると目立ちません。点像を重視する場合はF4まで絞ったほうが良いでしょう。

球面収差

前後のボケ質に大きな違いはありません。収差は良好に補正されています。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

ニュートラル寄りで少し柔らかい描写。色収差によるボケの色付きは目立ちません。

 

前ボケ

後ボケと比べると少し硬調。ただし、9mm F2.8で前ボケが入る機会は少ないはず。心配する必要はありません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

玉ボケに非球面レンズの研磨ムラは目立たず、綺麗な描写です。縁取りや色収差の影響はありますが、広角レンズとしては良好な質感に見えます。

ボケ実写

至近距離

縁どりが少し硬いものの、悪目立ちする要素が少なく、快適なボケ。

近距離

ボケが小さくなると縁取りがさらに目立ちますが、色収差などの悪影響は少なめ。

中距離

フレーム端の描写が気になりますが、全体像からするとボケが小さいのめ目立ちません。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

フレームを全身に入れる撮影距離ではパンフォーカスとなるため、ボケは得られません。有意なボケ量を得るにはバストアップくらいまで近寄る必要があります。

接写時の描写は超広角レンズとしては良好。

周辺減光

周辺減光とは?

フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ち。
中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となります。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景や星空の撮影などで高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

最短撮影距離

小型軽量な超広角レンズらしく、周辺減光がやや目立ちます。これは絞ってもほとんど改善しません。カメラや現像ソフト側での処理が必要となります。

無限遠

幸いにも、無限遠側で減光の影響が大幅に強くなることはありません。絞っても改善しない点も同様ですが、カメラ側の補正でほぼ修正可能。

逆光耐性・光条

中央

強い光源を正面から受ける場合はゴーストの影響を避けることができません。しかし、フレアは抑制され、コントラスト低下の影響は軽微。

光源を隅に移動させると、許容範囲内でゴーストが発生する場合があります。見苦しいフレアやゴーストの発生はありません。

光条

面白いことに、F5.6から綺麗な光条が発生します。回折による画質低下とバランスを取りやすいF8.0でも十分にシャープ。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • 小型軽量
  • 超広角ながら円形フィルターに対応
  • 手ごろな価格
  • フォーカスブリージングが軽微
  • 撮影距離によらず安定した解像性能
  • 色収差の補正状態
  • コマ収差の問題無し
  • 無視できる程度の球面収差
  • 超広角としては滑らかなボケ
  • 中絞りから綺麗な光条

手頃な価格の超広角レンズですが、非常に実用的な光学性能を備えています。近距離から遠距離まで全体的に安定した結果が得られ、諸収差も概ね良好に補正されています。AFや逆光耐性に大きな問題もなく、快適に利用可能。社外製レンズながらおススメしやすい製品。

悪かったところ

ココに注意

  • 防塵防滴非対応
  • シンプルなコントロール
  • 軽微だが複雑な歪曲収差
  • 周辺減光が強い

いくつか欠点を挙げましたが、「低価格」「小型軽量」という長所を考えるとトレードオフとなる項目ばかりです。気を付けるとしたら手動での修正が難しい複雑な歪曲収差くらいでしょうか。ただし、全体的に見ると歪曲収差は穏やかなので、気を付けるのは直線的な被写体を撮影する場合のみ。また、レンズプロファイルがあれば無視できる問題と言えるでしょう。

結論

APS-C用としては珍しい9mmの超広角をカバー。画角が広すぎて扱い辛いかもしれませんが、本製品に代わる選択肢はほとんどありません。ニッチな製品ですが小型軽量かつ”比較的”低価格で入手可能。さらに光学性能に大きな弱点もなく、使いやすいのが強み。

小型なりの弱点はあるものの、長所が短所を大きく上回るレンズと考えて問題ありません。

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購入を悩んでいる人

E 11mm F1.8

ソニーEマウントの純正レンズ。
使用経験がないので参考までに。VILTROXより画角が狭いものの、F1.8の大口径を利用可能。小型軽量で防塵防滴に配慮した設計、ソニー純正としての互換性が強み。販売価格はVILTROXの1.5~2.0倍ほど。

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XF8mmF3.5 R WR

富士フイルムXマウントの純正レンズ。
VILTROXよりも画角が広いですが、開放F値はやや暗め。ただし、防塵防滴仕様かつ絞りリング搭載で機能的。光学性能も悪くなさそうですが、販売価格は10万円前後と高め。

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YN11mm F1.8 DA DSM WL

どちらかと言えばE 11mm F1.8の競合製品。似たようなスペックで価格はソニーよりも少し安い。絞りリングと無線操作に対応しており、どちらかと言えば動画撮影向けという印象。

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作例

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