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VILTROX AF 26mm F2.8 EVO レンズレビューVol.5 ボケ編

VILTROX AF 26mm F2.8 EVO」のレビュー第五回 ボケ編を公開しました。

簡易的なまとめ

小型軽量のパンケーキ広角レンズとしては滑らかな後ボケを実現しています。前ボケは若干硬めですが、26mm F2.8で前ボケが大きくなるシーンは少ないので心配する必要はありません。

やや後ボケよりの滑らかな描写は、前後に偏りのないニュートラルなボケのニコン 26mm F2.8よりも使い勝手が良好。さらに玉ねぎボケもニコンより目立ちません。ボケの質感はVILTROXが優れています。

For a compact, lightweight pancake wide-angle lens, it produces smooth background bokeh. The foreground bokeh is slightly harsh, but since there are few scenes where foreground bokeh becomes significant with a 26mm f/2.8 lens, this is not a cause for concern.
Its smooth rendering, which leans slightly toward the background bokeh, makes it more versatile than the Nikon 26mm f/2.8, which produces a neutral bokeh with no bias toward the foreground or background. Furthermore, the “onion bokeh” is less noticeable than with the Nikon. The VILTROX offers superior bokeh texture.

*当ブログのレビューは冒頭に断りが無い限り、自費購入となっています。

VILTROX AF 26mm F2.8 EVOのレビュー一覧

球面収差

球面収差とは

球面収差とは、レンズの中心を通る光と周辺を通る光が異なる位置でピントを結んでしまう収差。その結果、ピントが合っているはずの部分でも像がわずかににじみ、シャープさやコントラストが低下。

理想的なレンズでは、すべての光が同じ位置に収束。しかし実際のレンズは、中心付近を通る光と周辺部を通る光の集まり方が異なるため、一点に完全には集まりません。

球面収差が大きいレンズでは、開放F値で撮影した際に全体が少し柔らかく見えたり、光がにじんだような描写。特にポートレート用レンズでは、この特性を活かして肌をなめらかに見せる場合もあります。一方、風景や建築写真では解像感の低下につながるため、できるだけ少ないことが望ましい。

球面収差は前ボケと後ボケの見え方にも大きく影響。球面収差の補正状態によってボケの柔らかさや輪郭の強さが変化するため、レンズごとの描写の個性を生む要素の一つ。

一般的にはレンズを絞ることで周辺光線が制限され、球面収差は大幅に改善。レンズレビューで「球面収差がよく補正されている」と評価される場合は、開放F値から高い解像感とコントラストを得やすいことを意味します。一方で、あえて球面収差を少し残すことで、柔らかく自然なボケ描写を実現しているレンズも存在。

実写で確認

前後のボケ質に大きな差はありません。ただし、後側はボケの縁取りが弱く、前側のボケは縁取りが少し硬め。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

綺麗なボケとは、輪郭が目立たず、背景がなめらかに溶けるような描写。被写体が背景から自然に浮かび上がり、見る人の視線を主題へ導きやすい。ポートレートや花の撮影で好まれることが多く、「柔らかいボケ」「なめらかなボケ」と表現される場合もある。

騒がしいボケとは、背景の輪郭や模様が強調されて見えるボケ。木の枝や葉、フェンスなど細かな模様が二重線になったり、ざわついた印象になったりする。背景が目立ちすぎるため、主題への視線が分散することがあります。

ボケの良し悪しは単純に明るいレンズほど優れるわけではなく、球面収差の補正状態やレンズ構成、絞り羽根の形状などによって変化します。また、撮影距離や背景との距離によっても印象は大きく変わります。

ボケの評価には好みも大きく関係。一般的にはなめらかなボケが高く評価されることが多いものの、被写体や作品の雰囲気によっては、少し騒がしいボケが独特の立体感や個性を生む場合もあります。そのため、ボケの質はレンズの性能だけでなく、写真表現の一部として捉えることが重要。

後ボケ

球面収差のテスト結果と同じく、後ボケは縁取りが弱く滑らかな描写。広角レンズで前ボケが重要となるシーンはほとんど無いため、後ボケ寄りのバランスが好適。色収差の影響も少なく、心地よいボケ質です。

前ボケ

後ボケと比べると描写が硬め。ただし、2線ボケが目立つ極端な描写ではありません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

玉ボケとは、背景や前景にある小さな光源が、丸い光の円として写るボケ表現のこと。夜景のイルミネーションや木漏れ日、水面の反射などでよく見られる。一般的に、明るいレンズほど大きな玉ボケを作りやすく、背景を印象的に演出できるため、ポートレートやスナップ撮影で人気がある。

理想的な玉ボケは、円形で輪郭が目立たず、内部の明るさが均一な状態で。しかし実際にはレンズ設計の影響により、さまざまな特徴が現れることがある。例えば、輪郭が明るく縁取られた玉ボケは背景が騒がしく見えやすく、内部に同心円状の模様が現れるものは「玉ねぎボケ」と呼ばれる。

また、画面周辺では玉ボケが円形を保てず、楕円形や猫の目のような形に変形することがある。これは周辺部で光が一部遮られるためで、「口径食」と呼ばれる現象によるもの。

実写で確認

カメラの設定ミスでフリッカーの影響あり。

非球面レンズの研磨ムラのような痕跡はあるものの、玉ねぎボケの兆候はありません。口径食の影響は強めですが、小型軽量な26mm F2.8としては許容範囲内。口径食は1段絞るとほぼ解消します。

ボケ実写

至近距離

小型軽量な「26mm F2.8」としては滑らかで綺麗な後ボケ。ニコンZ 26mm F2.8のような目立つ縁取りが無く、心地よい描写です。

近距離

至近距離と同じく、広い範囲で滑らかで綺麗なボケ。フレーム隅で倍率色収差の影響があるものの、影響は穏やかで無視できる程度。

中距離

撮影距離が長い場合でも中央から広い範囲で滑らかな描写。周辺部や隅でボケがざわつくものの、過度に悪目立ちする描写ではありません。1段絞ると軽減します。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

26mm F2.8 でフレームに全身を入れる場合、背景から被写体を分離するのは難しい。ボケは硬めの描写ですが、サイズが小さいので目立ちません。

背景から被写体を分離したい場合、上半身やバストアップくらいまで近寄る必要があります。この際のボケは広い範囲で滑らか。

まとめ

小型軽量のパンケーキ広角レンズとしては滑らかな後ボケを実現しています。前ボケは若干硬めですが、26mm F2.8で前ボケが大きくなるシーンは少ないので心配する必要はありません。

やや後ボケよりの滑らかな描写は、前後に偏りのないニュートラルなボケのニコン 26mm F2.8よりも使い勝手が良好。さらに玉ねぎボケもニコンより目立ちません。ボケの質感はVILTROXが優れています。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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