1000mm以上の突き抜けた望遠レンズを持つコンパクトデジタルカメラ
最近はファインダー搭載のレンズ一体型コンパクトデジタルカメラが多くリリースされている。今までに「1型センサー」「全域F2.8通しの大口径レンズ」と特集してきた。
今回は「1000mm超えの超望遠レンズ搭載」のジャンルでカメラを見ていきたい。超望遠レンズを搭載したデジタルカメラは各メーカーが1モデルはリリースしている定番シリーズ。大型センサーで同様の望遠レンズを実現しようとすると、サイズと価格が桁違いになってしまう。その点センサーサイズを抑えたこのカテゴリのカメラは、価格も手頃でコンパクトな点が特徴だ。
- 大型センサーのファインダー付きコンパクトデジタルカメラ編
- 大口径レンズのファインダー付きコンパクトデジタルカメラ編
- 超望遠レンズのファインダー付きコンパクトデジタルカメラ編(今回)
スペック比較
共通点
- 1/2.3型の裏面照射型CMOSセンサー
- ソニーHX400V以外は1600万画素付近。HX400Vは2000万画素
- 1200mm以上の望遠レンズ
- ファインダー搭載
ズーム倍率で比較する
光学倍率はレンズ性能を伴った画質でズーム出来る倍率、焦点距離の表示も光学倍率上のも。
超解像ズームはレンズズーム+画質の落ちない程度でデジタルズームした時の倍率。
デジタルズームの数値は画質が極端に落ちるので、割愛してもらえば良い数字だ。
光学倍率 | デジタル ズーム |
超解像 | 焦点距離 開放F値 |
マクロ | |
Nikon COOLPIX P900 |
83倍 | 4倍 | 166倍 | 24-2000mm F2.8-6.5 |
1cm |
Canon PowerShot SX60 SH |
65倍 | 4倍 | 130倍 | 21-1365mm F3.4-6.5 |
0cm |
Panasonic LUMIX DMC-FZ70 |
60倍 | 5倍 | 120倍 | 20-1200mm F2.8-5.9 |
1cm |
PENTAX XG-1 |
52倍 | 4倍 | ?ー | 24-1248mm F2.8-5.6 |
1cm |
FUJIFILM FinePix S1 |
50倍 | 2倍 | 100倍 | 24-1200mm F2.8-6.5 |
1cm |
SONY Cyber-shot HX400V |
50倍 | 16.2倍 | 100倍 | 24-1200mm F2.8-6.3 |
1cm |
Olympus STYLUS SP-100EE |
50倍 | 4倍 | 100倍 | 24-1200mm F2.9-6.5 |
1cm |
ニコン COOLPIX P900が圧倒的な光学倍率
これは覆せないズーム倍率だ。各メーカーは光学倍率+超解像ズームで近づくものの、P900はさらに超解像で160倍の突き抜けたズームが可能だったりする。2000mmの望遠ズームを可能とした上に広角側で開放F値を2.8と明るい状態に保っている。一眼レフ機などの大型センサーサイズでは考えられないバケモノレンズだ。さらに他のカメラ同様マクロ撮影も可能なのだから恐れ入る。
広角重視ならPowerShot SX60 SH・LUMIX DMC-FZ70
旅先で広く景色を写し取りたいなら広角の1mmの差は大きい。特に「PowerShot SX60 SH」や「LUMIX DMC-FZ70」は広角21・20mmと普通のデジカメよりも広く写すことができるレンズを搭載している。1200mm以上の高倍率レンズにも関わらず、この広角側を使う事が出来るレンズはありがたい。
風景写真から運動会までなんでもこなせる便利なズームレンズだ。
サイバーショットHX400Vは全画素超解像ズームで50倍を補い100倍までのズームは可能。デジタルズームが突き抜けてズーム出来るが、画質はかなり粗くなる。唯一超解像を持たないXG-1は望遠側では不利。
特徴機能を比較
重量 | 可動 液晶 |
防塵 防滴 |
WiFi | GPS | RAW 記録 |
USB 充電 |
|
Nikon COOLPIX P900 |
899g | ○ | ?ー | ○ | ○ | ー | ○ |
Canon PowerShot SX60 SH |
650g | ○ | ?ー | ○ | ー | ○ | ー |
Panasonic LUMIX DMC-FZ70 |
562g | ー | ?ー | ー | ー | ○ | ー |
PENTAX XG-1 |
567g | ー | ?ー | ー | ー | ー | ○ |
FUJIFILM FinePix S1 |
680g | ○ | ○ | ○ | ー | ○ | ○ |
SONY Cyber-shot HX400V |
660g | ○ | ?ー | ○ | ○ | ー | ○ |
Olympus STYLUS SP-100EE |
589g | ー | ?ー | ー | ー | ー | ○ |
オールラウンドな性能を持つFinePix S1
これらのモデルの中では唯一防塵防滴を謳うカメラだ。さらにGPS以外はなんでも出来てしまう万能機。WiFiでスマホと連携したSNSへの投稿やRAW記録を使って自宅で現像すれば色々な味付けを施せる。
既に生産終了品であることが悔やまれるモデルだ。
防塵防滴を気にしなければ旅行用に便利なGPS P900・HX400V
防塵防滴以外は色々出来るのカメラがこの2機種。特にP900はバリアングル液晶搭載モデルなので様々なアングルでの撮影に適している。HX400Vはチルト液晶なので、カメラを縦向きにした際に可動液晶としての恩恵を受けにくい点に気をつけよう。
逆にXG-1やSP-100EEはかなり機能を絞ってある。後述するが、その分お手頃価格なのでどう割り切るかが重要だ。ここには記載していないが、SP-100EEは専用ドットサイトを内蔵している特殊なカメラだったりする。
総評
「天体まで届く超望遠」ならこのカメラ COOLPIX P900
2000mmまでの超望遠レンズはこのカメラがオンリーワン。「天体まで届く」のキャッチコピーは伊達じゃない。2000mmの超望遠をサポートする5段分の補正効果がある手ぶれ補正や三脚固定時に確認し易いバリアングル液晶を採用。
WiFiやGPS・USB充電なども可能と、機能性も充実している。その為もあってか、1/2.3型センサーにしては高級な部類に入り、今回のモデルの中では最も高額なカメラだ。
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欠点があまり無い後悔しないカメラ PowerShot SX60 SH
価格もソコソコ、機能性も悪くなく、特にこだわりは無いけど…というときには紹介できるカメラだ。他に重要視する項目があれば、そのカメラを優先すれば良いと思うが、もし当てが無かったらこのカメラで後悔はしないだろう。
機能性も豊富な上に、広角側が21mmとワイドに撮影出来るのでこれ一つで様々な被写体をフレームに収めることが出来るのも魅力的な点だ。開放F値は3.5と抑え気味だが、マクロはレンズの先端から0cmまで焦点が合うので侮れない使い勝手を秘めている。
RAW撮影が可能なので、撮影後に自宅で専用ソフトで現像することが出来る。手直しを十分にすることでセンサーサイズを覆すような味付けをすることもできるだろう。
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フィールドカメラとして使い勝手の良さがある FinePix S1
唯一の防塵防滴機、その他機能性も充実している。しかも他のカメラと比べてもズーム倍率に遜色が無いので、オールランドな性能を発揮できる。
惜しむらくは既に生産終了品であることと、 WiFiの変わりにGPSだったら最強だった。山登りなどのシーンでは活躍できそうなカメラなので、まだ手に入れる機会があればオススメ出来る一品だ。
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安くて超望遠なら XG-1
今ならなんと新品で2万円程度。まさに格安ズームカメラ。その分機能性は絞られており、撮影はズームして撮るだけと単純明快。チルト液晶もなければWiFiやGPSもなし。おまけにファインダーも20万ドットと精細にかけるので、必要なシーン以外は背面液晶で確認した方が見やすい。
機能性を省いている分、重量も軽くコンパクトなボディ。あまりカメラを使用する頻度は無いが、取り敢えずカバンに忍ばせておくには便利だろう。
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ファインダーを気にしなければ便利なズームカメラ Cyber-shot HX400V
GPS搭載だったりチルト液晶だったり、全画素超解像だったりと、描写に関する面は結構出来がいい。それだけにファインダーの精細の無さが惜しまれるカメラだ。同価格帯に無難なキヤノンのSX60 HSがあるだけに判断が難しい。
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?専用ドットサイト内蔵で追従性に優れるカメラ STYLUS SP-100EE
24-1200mmと超望遠レンズとしては普通のレンズで、WiFiやGPS・可動液晶もついていない。機能性には欠けるが、それを補うに余りあるオプションが世界初の「ドットサイト内蔵」にある。ドットサイトとは、銃の照準用のアイサイトなどでよくある物。
超望遠レンズをズームして被写体を追う場合、フレームから外れた時に再度フレーミングするのがかなり難しい。特に動いている撮りをフレームに収める為には、一度ファインダーから目を離して肉眼で位置を確認して追わなければならないので大変だ。ドットサイトのあるこのカメラなら、ドットサイトを覗きながら被写体を追うことでフレームに収められるチャンスが増える。
単品で買うと1万円程度する様なドットサイトを内蔵しているので、機能性は省かれているもののこの金額であれば納得の値段だったりする。
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