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キヤノン ティルト効果をタッチ操作で簡単に調整する仕組みの特許出願

2024年11月07日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。ティルトシフトの自動制御を前提として、カメラ側でティルトの効果範囲を調整するためのコントロールに関するものとなっています。

概要

  • 【公開番号】特開2024-157119(P2024-157119A)
  • 【公開日】令和6年11月7日(2024.11.7)
  • 【発明の名称】レンズ装置及び撮像装置
  • 【出願日】令和5年4月25日(2023.4.25)
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】簡易な操作で合焦範囲を変更可能なレンズ装置を提供すること。
  • 【背景技術】
    【0002】
    従来、ピントの合う範囲を調整するティルト撮影や、撮影画角を変更したり歪みを矯正したりするシフト撮影を可能にするレンズ鏡筒が提案されている。ティルト撮影では、撮像光学系の光軸に直交する平面から傾いた物体面に対して全面的に良好にピントを合わせるようにピント面を傾けること、又は部分的にピントを合わせるようにピント面を傾けることも可能である。特許文献1には、部分的にピントを合わせた場合に合焦範囲を容易に視認できるように、合焦範囲を画像に重畳して表示する撮像装置が開示されている。
  • 【発明が解決しようとする課題】
    【0004】
    特許文献1の構成では、ピント面を傾けた後に合焦範囲を拡大又は縮小して絵作りを行う場合、現在のピント面の傾きを変化させることで合焦範囲を変更する必要がある。しかしながら、合焦範囲を変化させるために撮像光学系をどのように移動させるかは直感的に分かりづらく、一度、光学系を移動させ、合焦範囲の変化を確認した上で所望の合焦範囲に変化させる必要がある。
  • 【0005】
    本発明は、簡易な操作で合焦範囲を変更可能なレンズ装置を提供することを目的とする。

【図2】カメラシステムの電気的構成図である。

【図7】第1の実施形態の合焦範囲選択手段をユーザーが選択している様子を示す図である。

【0047】
以下、本実施形態のティルト効果を用いた撮影について説明する。ここでは、撮影シーンとして、風景写真をジオラマのように映す「ジオラマ風撮影」を想定している。

【0053】
図7は、合焦範囲選択手段1305をユーザーが選択している様子を示す図である。表示部1108はタッチ操作機能を有し、ユーザーが表示部1108をタッチ操作で合焦範囲選択手段1305のいずれかを選択すると、選択された選択結果がカメラ側CPU1100に伝達される。図7では、縮小が選択されている。前述した判定結果により合焦範囲を縮小する場合のレンズの移動方向が紐付けられているため、所定のレンズの移動方向への移動指示がレンズ側CPU1000を介して行われる。

【図8】第1の実施形態の合焦範囲変更手段が表示された画像の一例を示す図である。

【図10】第2の実施形態のTS指示部の機能が割り当てられた操作環の模式図である。

【0061】
図10は、本実施形態のTS指示部1109の機能が割り当てられた操作環1400の模式図である。操作環1400は、合焦範囲の拡大縮小を選択するために使用される。具体的には、ユーザーは、操作環1400を、カメラ本体002の側(像側)から見て、光軸004を中心軸に時計回り方向1401に回転させることで合焦範囲の拡大を指示し、反時計回り方向1402に回転させることで合焦範囲の縮小を指示する。また、操作環1400の回転量で合焦範囲の変化量を指示することができる。

電気的構成図を見ると、従来のティルトシフトレンズには無い「ズーム操作部」「IS駆動部」「AF駆動部」「TS(ティルトシフト)駆動部」を想定していることが分かります。全てを電子的に制御することができ、これらを用いてティルト・シフトを簡単に制御する模様。

既存のティルトシフトの操作性を考慮すると夢のようなレンズですね。この仕組みを搭載したティルトシフトレンズが実際に登場するか不明。ただし、以前から関連する特許は非常に多く存在します。

今回は自動制御を活かすシステムの一部を特許として出願している模様。カメラのモニタをタッチすることでティルト軸の操作や被写界深度の深さを簡単に調整可能。コントロールリングのような操作部を使った調整も意図しているようです。

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