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FE 20-70mm F4 G レビュー Vol.6 周辺減光・逆光編

ソニー「FE 20-70mm F4 G」のレビュー第六弾を公開。今回はピント位置による周辺減光の影響や光源の配置で逆光耐性がどのように変化するのかチェックしています。

FE 20-70mm F4 Gのレビュー一覧

周辺減光

周辺減光とは?

周辺減光とは読んで字のごとく。フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ちを指す。中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となる傾向。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生す。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象だが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景で高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

20mm(最短撮影距離:無限遠)

無修正のRAWでは隅に重めの周辺減光が発生。絞ることで大きく改善しますが、それでも最小絞りまで解消することはありません。このレンズは歪曲収差をデジタル補正する前提の設計であり、この際に隅がトリミングされます。重めの減光が発生する部分がトリミングされるので、実写でここまで悪影響を感じることはないでしょう。

35mm(最短撮影距離:無限遠)

20mmと比べると遥かに良好。最短撮影距離ではほとんど影響が見られず、F4から快適に利用できます。無限遠では影響が強くなるものの、全体的に穏やかで無視できる程度。

50mm(最短撮影距離:無限遠)

35mmと比べると減光が強くなるものの、目立つのはF4のみ。F5.6まで絞るとピント全域で無視できる程度まで改善します。

70mm(最短撮影距離:無限遠)

50mmからさらに悪化。ただし、最短撮影距離はF4から軽微で無視できる程度。無限遠では隅に影響があるものの、F5.6付近でほぼ解消します。

逆光耐性・光条

20mm

フレアはよく抑えているのでコントラストは良好。ただし、複雑な光学設計のためか、レンズ間の反射と思われるゴーストが数多く発生しています。絞りによる改善効果はほとんどないため、ゴーストを避けたい場合は光源の配置を変えるか、フレームをずらす必要があります。

光源が隅にある場合は良好な逆光耐性を発揮。フレア・ゴーストともによく抑えられています。絞るとゴーストが目立ち始めますが、それでも良好な結果を期待できるはず。

35mm

20mmと比べると絞り開放付近のゴーストは控えめ。ただし、絞ると徐々に顕在化します。

20mmと同じ傾向。最小絞り付近でゴーストが目立ち始めます。

70mm

絞り開放付近はこのレンズで最も良好(完璧からは程遠いですが)。絞ると他の焦点距離と同じくゴーストが目立ちます。

絞り全域で影響は軽微。

光条

F8付近でシャープな描写となり、F11~F22で切れ味の良い綺麗な光条が得られます。回折とのバランスを考慮するとF11~F16と言ったところでしょうか。

まとめ

周辺減光はレンズ補正を全てオフにした状態のテストショットでは目立ちます。しかし、カメラ補正やレンズプロファイルを利用できる現像ソフトであれば特に心配する必要はありません。F4で撮影した高ISOの画像を補正する際はノイズが目立ちやすいかもしれませんが、それ以外の場合で影響は軽微。
(ダイナミックレンジが狭くなる高ISOの場合、シャドウの僅かな増感でもノイズが発生しやすい)

20mmの四隅における強い減光も、歪曲収差の補正時にトリミングされるので心配ご無用。歪曲収差をオフにする場合は注意が必要ですが、カメラ出力のJPEGを利用する場合は強制的に補正されるので問題なし。

逆光耐性は完璧と言えないものの「FE 24-105mm F4 G OSS」と比べると改善傾向。特に広角側で周辺部や隅に光源を配置した際の影響を低く抑えています。望遠側では光源を中央付近に配置しても目立ちません。

実写では絞っても影響が目立たないことも多く、悪くない使い勝手なのかと思います。24-105mmと比べるとかなり良くなっているかなと。光条は絞ると綺麗ですが、回折の影響を強くしてまで得たいと思う描写ではありません。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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