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カメラ内蔵ファンの動作タイミングに関するキヤノンの特許出願

2023年10月26日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。放熱用のファンを搭載しているレンズ交換式カメラについて、レンズの取り外し時にゴミを吸引しないよう自動的にファンを停止する仕組みのようです。

概要

  • 【公開番号】P2023157248
  • 【公開日】2023-10-26
  • 【発明の名称】撮像装置、及びレンズ
  • 【出願日】2022-04-14
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】 レンズ着脱時の装置内部へのごみの侵入を防ぎながら放熱性能を確保することが可能な撮像装置を提供する。

【背景技術】

  • 【0002】
    近年、電子機器の小型化に対する要望に伴い、機器内部の実装部品の小型化及び高密度化が顕著となっている。
  • 【0003】
    その一方で、撮像装置の高機能化、特に、動画機能の高性能化の要望は強まる一方であり、機器の発熱量は増大傾向にある。
  • 【0004】
    高温環境下における動画撮影時は撮像装置内部の温度上昇に伴い実装部品の誤作動や性能低下、ひいては撮像装置の故障の原因となる可能性が高い。
  • 【0005】
    また、近年画質の向上を図るために撮像素子を光軸方向に直交する方向へ移動させてぶれ補正を行う撮像装置が普及している。
  • 【0006】
    このようなぶれ補正を行う撮像装置においても、ぶれ補正機構の駆動時や、連写撮影時、動画撮影時に、撮像素子において発生する熱が画質に影響を及ぼすため、十分な放熱性が必要とされる。
  • 【0007】
    そこで、撮像装置の持つ発熱量に対して自然放熱による放熱量が十分でない場合、ファンを用いた強制空冷による放熱構造が利用されている。
  • 【0008】
    また、撮像素子を用いた撮像装置においては撮像素子の被写体側に、光学ローパスフィルタや赤外線カットフィルタが配置されている。レンズ交換時に侵入した塵埃等の異物がフィルタ表面に付着すると、その付着部分が黒い点となって撮影画像に写り込み、撮影画像の品質を低下させることが知られている。
  • 【0009】
    特許文献1では、密閉空間に配置された光学系と発熱素子に対してファンを用いて冷却する技術が提案されている。
  • 【0011】
    しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、ファンにより冷却効果は得られるもの密閉空間を維持する必要がある。
  • 【0012】
    本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の一実施態様では、レンズ着脱時の装置内部へのごみの侵入を防ぎながら放熱性能を確保することが可能な撮像装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

  • 【0013】
    本発明の撮像素子を備える撮像装置は、レンズが着脱可能なマウントと前記レンズが前記マウントに着脱されたことを検知するレンズ着脱検知手段と、撮像素子と、前記撮像素子を冷却する空流を発生する放熱ファンと、前記放熱ファンの駆動を制御する制御手段と、を有する撮像装置において、
    前記制御手段は、前記放熱ファンの駆動中に前記レンズ着脱検知手段により前記レンズが前記マウントから取り外されたことを検知した場合、前記放熱ファンを停止することを特徴とする。
  • 【0014】
    また、本発明の撮像素子を備える撮像装置は、レンズが着脱可能なマウントと前記レンズが前記マウントに着脱されたことを検知するレンズ着脱検知手段と、撮像素子と、前記撮像素子を冷却する空流を発生する放熱ファンと、前記放熱ファンの駆動を制御する制御手段と、前記撮像素子より被写体側に配置されたメカシャッターと、を有する撮像装置において、
    前記制御手段は、前記放熱ファンの駆動中に、前記レンズ着脱検知手段により前記レンズが前記マウントから取り外されたことを検知した場合、前記メカシャッターが閉じているとき、前記放熱ファンの駆動を停止しないことを特徴とする。

【発明の効果】

  • 【0015】
    本発明の一実施態様によれば、ファンにより撮像面へ付着した塵埃などの異物をより効果的なタイミングで効率よく除去することが可能となる。

高度な動画撮影でセンサーやプロセッサ、ストレージが発熱する機会が増えており、長時間の安定した撮影を実現するために冷却ファンを内蔵するカメラが増えています。一般的に外気を取り込んで内部を冷却する手段が多いですが、今回の特許はボディ内部の空気を循環させる仕組みとなっているようです。この方式の冷却効果がどれほどなのか不明ですが、この際に発生する空気の流れで外気(+ゴミ)を吸引しないようにする仕組みが特許出願の内容となっているようです。レンズを取り外した際にファンが自動的に停止し、メカシャッターによる保護が動作しているときはファンの動作を続けることが出来る模様。

今回の特許が未来のEOS Rで採用されるのかどうかはまだわかりません。とはいえ、日々進化する動画撮影に対して放熱が追い付かないのであれば、カメラ内部にファンを搭載する可能性は高そう。特に最近は静止画と動画の垣根がなくなってきているので、フラッグシップモデルなどはファンを搭載する方向なのかもしれませんね。来年にはEOS R1が登場すると言われているので、どのようなデザイン・機能となっているのか注目したいと思います。

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