このページではキヤノン・ニコン・ソニー・パナソニックのミラーレスカメラに搭載されている「顔・瞳検出」の動作について見比べています。
スポンサーリンク
顔検出機能を見比べる
等身大のマネキン(頭部のみ)を手に入れたのでミラーレス各社の顔・瞳検出がどのように動作するのか確認してみたいと思います。
全てのレンズは画角を70mm・70mm相当で三脚に固定しライブビュー動画を外部出力で録画しています。まずは動画をご覧あれ。どの機種も生身の人間より反応が悪いものの、機種ごとの差は実写時と比べて「まぁ、こんなもんかな」という実感はあります。
初めての試みと言うこともあり、撮影条件(撮影角度や被写界深度)に若干のバラつきがあります。正直に言うと大局的な差が付くような条件差では無いと感じていますが、ご了承ください。
EOS R
今回のテストでは4機種の中で平凡なパフォーマンス。顔・瞳検出後の安定感は評価できるものの、検出速度が遅く、眼鏡や帽子で全く反応出来ないのはマイナス。横顔で瞳検出が粘らないのもちょっと気になる。
実写はもう少し良好なパフォーマンスなので、撮影距離と被写体の相性が悪かったか…。少なくとも横顔で瞳検出が切れやすいのは確か。
サーボAF時の追従性はソニーに次いで良好。ソニーほどの食い付きでは無いものの、実用的な性能だと感じます。娘の写真を撮るカメラを選ぶとしたら、今のところEOS Rかα7 III。
ソニーに匹敵するくらいの被写体サイズで顔・瞳を検出可能。1つ前のファームウェアと比べると雲泥の差。やればできるじゃないか!
Z7
瞳の「検出性能」はなかなか良好。ソニーやキヤノンが苦戦する眼鏡・帽子着用時の瞳検出でもまずまず良好な結果となっています。
片目だけでも素早く反応し、検出後の粘り強さもGood。横顔における瞳の検出性能はパナソニックとほぼ互角。
ただし、実写ではAF-Cと組み合わせた時のパフォーマンスがイマイチ。奥行方向に被写体が前後するとAF-Cが追い付かない場合もしばしばあるのでイラっとします…。
ポテンシャルは感じるので、レスポンスを改善するファームウェアアップデートがあれば化ける可能性あり。
顔検出はEOS RやLUMXと同程度ですが、瞳を検出するにはもう少しクローズアップする必要があります。今後、F1.2やF0.95の大口径レンズが増えてくると少し心もとないか?
ILCE-7M3
一度瞳を検出してしまえば、追従性はトップクラス。C-AFとの相性が良く、子供やスポーツに適しているように感じます。レンズ次第で非常に快適。
ただし、検出する被写体と検出しない被写体がハッキリとしており、相性が悪いとキヤノンやニコンよりも検出速度が遅くなります。
例えば、今回のテストで帽子を被らせた被写体では全く反応しません。また、子供の横顔や顔を伏せた状態だと検出が遅かったり、検出しない場合もあります。
さらに、検出しない場合、検出が外れてしまった場合、前景にピントが乗り移りやすい。キヤノンやニコンはロックオン状態に移行し追従しますが、ソニーは比較して追従を諦めるのが早い。このような場面はタッチAFで対応する必要あり。
第4世代の「リアルタイムトラッキング」に期待。
小さな被写体の顔を検出するという点では抜群のパフォーマンス。このサイズで顔と瞳の検出が可能となっています。正直なところ、この撮影距離で瞳検出が必要なレンズは限られてくると思いますが…。
LUMIX G9 PRO
検出性能だけで言えば4機種の中で最も良好。横顔からの瞳検出が早いうえ、検出後は瞳をロストするまで追いかけます。顔・瞳検出が切れたとしても、人体認識で頭部を捕捉し続けるのは頼もしい限り。
眼鏡や帽子を着用すると検出性能が低下するものの、それでも4機種の中では最も健闘していると感じます。
実写ではコントラストAFが仇となり、特に動く被写体を追いかけるのは適していません。粘り強く顔を検出しているだけに惜しい。DFDのさらなる強化、もしくは像面位相差やTOF方式を採用してフォーカス速度・レスポンスの改善を図って欲しいところ。
2000万画素ながら小さな被写体の顔と瞳を同時に検出可能。LUMIX S1Rだとさらに検出性能が向上するのでしょうか。
おまけ:OM-D E-M5 Mark III
正直に言うと、よろしくない。
4社と比べると1世代前の顔検出機能と感じます。眼鏡や帽子を着用するとかなり厳しい。
実写ではここまで酷くないものの、やはり顔検出はちょいちょい外れる印象。
顔検出は被写体が小さな状態でも対応していますが、瞳検出は大きくクローズアップしないと認識しません。被写界深度の深いマイクロフォーサーズと考える妥当な撮影距離ではありますが…。
雑感
バランスを考えると使いやすいのはキヤノン・ソニー(第3世代)。
近距離を動き回る被写体にはソニー、比較的距離を取ることができる環境ならキヤノンが使いやすい印象(ソニーは追従が外れると前景にピントが乗り移る場合が多い)。ソニー第4世代の「リアルタイムトラッキング」を味わってしまうと、ソニー一強と評価するかもしれません。
動き物を撮らないのであれば、検出性能が高いニコンやパナソニックが良い感じ。特にパナソニックの検出性能は凄まじい。被写界深度の深いマイクロフォーサーズでは恩恵が少ないものの、LUMIX Sシリーズで真価を発揮しそう。
今後の検証課題は「精度」。被写界深度が浅く、マウントを乗り越えて共有できるレンズを使って瞳検出の精度を確認してみたいですねえ。(例えばシグマ「105mm F1.4 DG HSM」とか)
今回使用した機材
EOS R | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
? | キタムラで中古在庫を探す |
ILCE-7M3 | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古品を探す | ソニーストア | ||
α7 III ILCE-7M3K | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古品を探す | ソニーストア |
ILCE-7M3 | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古品を探す | ソニーストア | ||
α7 III ILCE-7M3K | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古品を探す | ソニーストア |
スポンサーリンク
サイト案内情報
Facebookで最新情報やカメラ・レンズのレビューを発信しています。
「いいね!」を押すとFacebookの最新情報が届きます。