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タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD レンズレビュー完全版

このページではタムロン「35-100mm F/2.8 Di III VXD」のレビューを掲載しています。

35-100mm F/2.8 Di III VXDのレビュー一覧

レンズの評価

ポイント 評価 コメント
価格 28-75G2よりも高価
サイズ 100mm F2.8ズームとしては小型
重量 100mm F2.8ズームとしては軽量
操作性 必要十分
AF性能 社外製として文句なし
解像性能 近接で低下するが遠景では良好
ボケ ニュートラルな描写・口径食強
色収差 軽微な影響
歪曲収差 望遠側で強めの糸巻き型
コマ収差・非点収差 軽微な影響
周辺減光 F2.8でやや目立つ
逆光耐性 絞り開放付近で問題ないことが多い
満足度 きちんと使える変わり種ズームレンズ

評価:

ポイント

きちんと使える変わり種ズームレンズ

28-75mm F2.8 G2 とよく似たサイズで「100mm F2.8」をカバーするズームレンズ。携帯性を優れた画質を両立しつつ、広角より望遠を多用する人に適しています。

際立った性能ではないものの、光学性能・AF・操作性・携帯性がバランスよくまとまっており、使いやすいレンズに仕上がっています。カバーしている焦点距離に惹かれたら買っちゃえばOK的なレンズ。

A zoom lens that covers the 100mm F2.8 range while being similar in size to the 28-75mm F2.8 G2. It offers both excellent portability and image quality, making it ideal for photographers who use telephoto settings more often than wide-angle.
While it doesn’t boast outstanding performance, it strikes a good balance between optical performance, autofocus, handling, and portability, resulting in a lens that’s easy to use. If the focal range it covers appeals to you, this is a lens you can go ahead and buy without hesitation.

まえがき

2026年2月に登場した珍しい焦点距離の大口径ズームレンズ。
28-75mm F2.8とほぼ同等のサイズ・重量に抑えつつ、35-100mmの変則的な焦点距離をカバー。特に、大型で高価な35-150mm F2-2.8の軽量代替モデルとして位置づけられ、携帯性と実用性を重視した製品です。サイズと重量のバランスに優れ、日常的な持ち運びにも適した設計となっている点が特徴、ポートレートズームとして高い実用性を備えています。

駆動系にはVXD(ボイスコイル式)モーターを採用し、高速・高精度・静音性を実現。動体撮影や動画撮影にも対応できる性能。マクロ用途向けではないものの、広角端で最短約22cmまで寄ることができ、簡易的なクローズアップ撮影にも対応可能。

ソニーEマウントとニコンZマウント向けに同時発売。従来はソニー版が先行し、Zマウント版が遅れる傾向があったものの、今回は同時展開。両マウントユーザーへの配慮を示す戦略的な変更と言えるでしょう。

主な仕様

レンズマウント E/Z
対応センサー フルサイズ
焦点距離 35-100mm
レンズ構成 13群15枚
開放絞り F2.8
最小絞り F22
絞り羽根 9枚(円形絞り)
最短撮影距離 0.22m (WIDE) / 0.65m (TELE)
最大撮影倍率 1:3.3 (WIDE) / 1:5.9 (TELE)
フィルター径 67mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング BBAR-G2
防汚
サイズ φ80.6mm×119.2mm
重量 565g
防塵防滴 簡易防滴
AF VXD
絞りリング -
その他のコントロール カスタムスイッチ
Fnボタン
Tamron Lens Utility

価格のチェック

3月26日に発売。価格は138,600円 / 134,640円でZマウント版が若干高め。28-75mm F/2.8 Di III VXD G2よりも高価ですが、70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2よりも少し安い。

35-100mm F/2.8 Di III VXD Sony E
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35-100mm F/2.8 Di III VXD Nikon Z
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レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

従来通り、白を基調としたDi IIIシリーズらしいデザインの箱。
装飾は底部にブランドカラーのルミナスゴールドを配色しているのみ。上部には封印用のシールが一か所張り付けられています。

箱の中にレンズの緩衝材は入っておらず、段ボールによる間仕切りのみ。レンズケースなどは同梱していません。付属品は花形レンズフードに前後のキャップ、説明書・保証書・シリアルナンバーのシールなど。

外観

外装はプラスチック製ながらしっかりとした作り。サムヤンTinyシリーズのような薄っぺらいプラスチック感は無く、頑丈。

塗装はDi III初期モデルと比べて黒色が強くなっており、一眼レフ用レンズ「SP」シリーズを彷彿とさせるカラーリング。もちろん、金属外装だったSPシリーズと比べると質感は劣ります。

全体的に過度な装飾は施されておらず、マウント付近のルミナスゴールドのリングのみ。相変わらず「日本設計」を大きく表示しており、製造国は非常に分かりづらく記載。製造国はベトナム。

フォーカス・ズームリングはゴム製でグリップは良好。以前と比べるとゴムリングが硬くなったような気もします(感覚的なもの)。ごみが付きにくい。

ズーム時に伸びる内筒はプラスチック製。がたつきは無く、しっかりと固定されています。

側面にはUSBポートを搭載しており、パソコンと接続してカスタマイズが可能。ただし、USBポート用のカバーは付属していません(仕様的にはカバー無しでも防塵防滴仕様に問題はなさそうです)。

ハンズオン

直接の競合製品が存在しないため、関連しうる製品を列挙。

  サイズ 重量
35-100mm φ80.6mm×119.2mm 565g
28-75 G2 φ75.8×117.6mm 540g
70-180 G2 φ83×156.5mm 855g
35-150 F2-2.8 φ89.2×158mm 1,165g
50-150 GM φ102.8 x 200mm 1340g
28-105 DG φ87.8mm x 157.9mm 995g
28-70 DG φ72.2 x 101.5mm 470g

同社の28-75mm F2.8 G2とよく似たサイズ・重量のレンズです。広角側を重視するなら28-75を、望遠側を重視するなら35-100を選ぶと良いでしょう。100mmをカバーするF2.8ズームレンズとしては最小・最軽量。

前玉・後玉

前面には撥水・撥油性のある防汚コートを採用。水滴や油汚れに強く、現地でのメンテナンス性が良好。フィルター径は大部分のDi IIIシリーズと同じく67mmで統一。タムロンレンズを複数使用しているのであれば、NDやC-PLなどを、67mmフィルターで統一するの一つの手。

レンズマウントは4本のネジで固定された金属製プレート。一周囲は防塵防滴用のシーリングがあります。

ズーム時は最後尾のレンズごと前方へ繰り出します。この際、レンズ内部にはマウント付近に基盤を設置していることが分かります。完全には密閉されていません。

フォーカスリング

前方にあるゴム製フォーカスリングは滑らかに回転。抵抗感は少なく、ソニー純正レンズと同程度の緩さ。個人的にはもう少し重めの操作が好みですが、ストロークが長いので問題はありません。

初期設定では、リニアレスポンスで、ピント全域を180°で操作できます。再現性は良好で、焦点距離全域で変化無し。

ズームリング

マウント側には幅広のズームリングを搭載。
回転方向はソニーと同じ。やや緩めですが、ズーム全域で滑らかに回転操作が可能。

レンズは35mmで最も短くなり、100mmで最も長い。100mmでも内筒の伸長は数センチほど。

ボタン・スイッチ

鏡筒側面にFnボタンを搭載。初期設定は カメラ側の「レンズFn」で割り当てた機能に依存。しかし、「TAMRON Lens Utility™」を使ったカスタマイズで「AF/MF切替」「A-Bフォーカス」「フォーカスプリセット」などに使用可能。

レンズフード

プラスチック製のシンプルな花形フードが付属。他のタムロン製レンズフードと同じく、シンプルなデザインですが、本体にしっかりと固定可能。必要最小限のサイズで、最大径はレンズ本体よりも少し大きい程度。カメラバッグに収納しやすいデザイン。

装着例

α7R Vに装着。
100mmをカバーする大口径ズームレンズとしてはコンパクトで長時間の手持ち撮影に適しています。

AF・MF

フォーカススピード

ボイスコイルモーター駆動のAFに対応。
(サードパーティ製レンズとしては一般的な動作ですが)AF-S時にAF速度が低下。それでも非常に高速で、AF-C時は電光石火のAFを実現。近距離時の動体撮影でも簡単に追従可能でした。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

広角側で非常に良好、中間域と望遠端は軽微な影響に抑えられています。

35mm
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70mm
Before imageAfter image
100mm
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精度

α7R Vと組み合わせた限りで大きな問題は無し。AF-S・AF-Cともに問題無く動作します。AF-S時に実絞り測距(サイレント優先)は非対応ですが、球面収差が良く補正されているので影響は無視できる程度。(=フォーカスシフトの影響が目立たない)

MF

前述したようにTAMRON Lens Utilityによるカスタマイズが可能。自身の好みに合わせてフォーカスリングの操作性を調整することが出来ます。

クローズアップ

35mm時に最大撮影倍率 1:3.3を達成。ただし、ワーキングディスタンスが短いため、実用性は低め。35mm以降は最大撮影倍率が低下するため、小さな被写体のクローズアップには不向きです。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:ILCE-7RM5
  • 交換レンズ:35-100mm F/2.8 Di III VXD
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

35mm

中央は絞り開放から良好な結果が得られています。6100万画素を活かすのに十分、とは言えませんが非常に良好。周辺や隅に向かってパフォーマンスは低下しますが、1-2段絞ると改善します。隅が伸び悩むでの均質性はイマイチ。

中央 周辺部 四隅
F2.8 4530 2803
F4.0 4241 3009 2769
F5.6 4307 4096 2752
F8.0 4470 4064 3440
F11 4242 3963 3102
F16 3771 3788 3129
F22 3381 2863 2752

50mm

引き続き中央はF2.8から非常に良好。周辺も1段絞ると中央に近い結果が得られます。均質性は35mmよりも良好ですが、隅の結果はやや低め。

中央 周辺部 四隅
F2.8 4634 3024
F4.0 4314 4254 3158
F5.6 4354 4082 3406
F8.0 4124 4099 3771
F11 3917 4048 3317
F16 3989 3786 3148
F22 2987 3064 3765

70mm

中央から周辺までの広い範囲は絞り開放から良好。F5.6まで絞ると均質性も高まります。隅もF5.6で健闘していますが、中央や周辺には及びません。

中央 周辺部 四隅
F2.8 4455 3543 2626
F4.0 4456 3907 3262
F5.6 4276 4338 3673
F8.0 4033 3911 3373
F11 3875 3735 3205
F16 3863 3433 3103
F22 3288 2955 2565

85mm

中央と隅で数値にバラつきはあるものの、ズーム全域で最も良好な結果。全体的にF2.8からピークの性能。

中央 周辺部 四隅
F2.8 4527 3331 2635
F4.0 4474 3425 3325
F5.6 4273 3425 3164
F8.0 4092 3306 2923
F11 4020 3391 3126
F16 3917 3321 2907
F22 3216 3075 2572

100mm

中央は他の焦点距離と同じくらい良好ですが、周辺のパフォーマンスが低下。隅の性能に大きな低下はないものの、絞っても大幅に改善することはありません。

中央 周辺部 四隅
F2.8 4527 3331 2635
F4.0 4474 3425 3325
F5.6 4273 3425 3164
F8.0 4092 3306 2923
F11 4020 3391 3126
F16 3917 3321 2907
F22 3216 3075 2572

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2026.3.26 晴れ 微風
  • カメラ:ILCE-7RM5
  • 三脚:SIRUI AM324
  • 雲台:アルカスイスZ1+
  • 露出:ISO 100 絞り優先AE
  • RAW:Adobe Lightroom Classic
    シャープネスオフ
    ノイズリダクションオフ
    レンズ補正オフ

35mm

中央

絞り開放からシャープでコントラストが高め。1段絞ると細部のコントラストがさらに高まります。F4でピークの状態。

周辺

F2.8から非常に良好。F4.0まで絞ると、中央と同じくコントラストが少し改善します。

四隅

F2.8から良好ですが、細部の描写は中央や周辺よりもやや見劣りします。絞っても画質はほとんど変化しません。

50mm

中央

F2.8からほぼピークの性能です。絞りによる画質の変化は目立ちません。

周辺

F2.8からほぼピーク。絞っても画質に大きな変化はありません。

四隅

F2.8からほぼピーク。絞っても画質に大きな変化はありません。

70mm

中央

F2.8からほぼピーク。絞っても画質に大きな変化はありません。

周辺

F2.8からほぼピーク。絞っても画質に大きな変化はありません。

四隅

F2.8からほぼピーク。絞っても画質に大きな変化はありません。

85mm

中央

F2.8からほぼピーク。絞っても画質に大きな変化はありません。

周辺

F2.8からほぼピーク。絞っても画質に大きな変化はありません。

四隅

細部の描写に若干のソフトさがあるものの、F5.6まで絞ると改善します。

100mm

中央

F2.8からほぼピーク。絞っても画質に大きな変化はありません。

周辺

F2.8からほぼピーク。絞っても画質に大きな変化はありません。

四隅

F2.8からほぼピーク。絞っても画質に大きな変化はありません。他の領域と比べると倍率色収差の影響がやや強め。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

35mm

ソフト側の修正なしで良好な補正状態です。

50mm

細部にわずかな色ずれがあるものの、軽微な影響で無視できる範囲内です。

70mm

50mmよりも良好な状態。

85mm

良好な補正状態です。

100mm

良好な補正状態です。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

35mm

影響はごく僅かでF2.8から無視できる程度です。

70mm

高輝度の部分にわずかな影響が見られるのみ。

100mm

広角側や中間域と同程度。大きな変化はありません。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

35mm

穏やかな樽型の歪曲収差。未補正でも無視できる軽微な影響です。

Before imageAfter image

70mm

35mmから一転して強めの糸巻き型歪曲が発生。未補正の場合はかなり目立つため、補正前提の光学設計のように見えます。

Before imageAfter image

100mm

70mmと同じく強めの糸巻き型歪曲収差が発生します。

Before imageAfter image

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

点像再現性が完璧とは言えませんが、影響は軽微。一般的な撮影で極端に目立つ収差はありません。ただし点像を重視する場合、35‐50mmは少し絞ったほうが良さそうです。

球面収差

35mm

前後のボケ質に大きな差がない良好な補正状態です。

70mm

中央付近の描写がわずかに異なるように見えますが、概ね良好な補正状態。

100mm

大きな問題はありません。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

柔らかさはありませんが、前後の質感に差のないニュートラルな描写。色収差によるボケの色づきはごく僅かで悪目立ちする要素が少なめ。全体的に綺麗なボケです。

前ボケ

後ボケとほぼ同じ描写ですが、ごく僅かに縁取りが柔らかく滑らか。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

中央から広い範囲で良好な玉ボケが得られています。非球面レンズの研磨ムラ(玉ねぎボケ)も目立ちません。ただし、ズーム中間以外では口径食がやや強め。倍率色収差の影響もあります。

ボケ実写

35mm

ボケが小さくなる中距離では描写の硬さが気になるものの、色収差など悪目立ちする要素は抑えられています。使い勝手のよい描写で、ポートレートの撮影距離でも問題ありません。ただし、複雑な背景があると少し騒がしくなる可能性あり。

70mm

35mmよりもボケが大きくなるものの、傾向は同じ。ボケが小さくなるポートレートの撮影距離では背景が騒がしくなる可能性があります。ただし、悪目立ちする要素が少ないので、使い勝手は良好。

100mm

基本的に35/70mmと同様ですが、ボケが大きいので硬めの描写が気にならない場合が多い。全身をフレームに入れるような撮影距離でも良好な結果が得られています。ただし、口径食はやや強め。

周辺減光

周辺減光とは?

フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ち。
中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となります。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景や星空の撮影などで高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

35mm

撮影距離に関わらず、F2.8でやや目立つ減光が発生。1段絞ると大幅に改善します。

最短撮影距離
無限遠

70mm

35mmと同程度か少し軽減。やはりF4まで絞ると改善します。

最短撮影距離
無限遠

100mm

広角・中間よりもやや強めの減光効果が発生。ただし、F4まで絞ると大幅に改善します。

最短撮影距離
無限遠

逆光耐性・光条

35mm

最新レンズとしてはフレアとゴーストがやや多め。絞った場合、光源をフレーム隅に移動しても目立ちます。

70mm

35mmと同じ傾向ですが、絞り開放時の影響は軽減しているように見えます。

100mm

広角や中間域と比べると影響は穏やか。光源の位置によってはゴースト・フレアの影響を抑制することができます。

光条

F8.0から発生しはじめますが、シャープな描写はF16-F22まで絞ったとき。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • ミラーレス唯一無二の35-100mm 大口径ズームレンズ
  • 100mm F2.8 カバーのズームレンズとしては最小・最軽量
  • シリーズで統一された67mmフィルター径
  • 簡易防滴・フッ素コーティング
  • Tamron Lens Utility 対応
  • VXD駆動の高速AF
  • 遠景で優れた解像性能
  • 色収差補正が良好
  • コマ収差の影響が軽微
  • 球面収差の補正が良好

ミラーレスカメラシステムでは類を見ない35-100mm F2.8 ズームレンズ。100mm F2.8をカバーするズームレンズとしては最小・最軽量で、携帯性が良好。28-75mm F2.8 G2と同程度の携帯性で広角より望遠側を重視する標準ズームを探している人に好適。

この世代のタムロンレンズらしく、TLU対応・VXD駆動・簡易防滴・フッ素コーティングなど機能が充実。肝心の光学性能も全体的に満足のいく結果が得られました。

悪かったところ

ココに注意

  • 35mm以外は最短撮影距離が長め
  • 近距離でフレーム周辺・隅のパフォーマンスが低下
  • 標準・望遠域で糸巻き型の歪曲収差が目立つ
  • 望遠端の口径食・周辺減光が強め

大きな欠点はありませんが、挙げるとすると上記4点。ただし、近接時の性能低下や残存する歪曲収差は本レンズ特有の問題とは言えません。口径食や周辺減光は好みの問題が大きいかなと。

結論

28-75mm F2.8 G2 とよく似たサイズで「100mm F2.8」をカバーするズームレンズ。携帯性を優れた画質を両立しつつ、広角より望遠を多用する人に適しています。

際立った性能ではないものの、光学性能・AF・操作性・携帯性がバランスよくまとまっており、使いやすいレンズに仕上がっています。カバーしている焦点距離に惹かれたら買っちゃえばOK的なレンズ。

35-100mm F/2.8 Di III VXD Sony E
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35-100mm F/2.8 Di III VXD Nikon Z
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購入を悩んでいる人

直接の競合製品が存在しないため、敢えて言えば…

28-75mm F/2.8 Di III VXD G2

広角28mmをカバーする一般的な大口径ズームレンズ。サイズや重量は35-100mm F2.8とほぼ同じ。広角を重視するなら28-75mmを、望遠を重視するなら35-100mmで良いのかなと。近距離の解像性能は35-100mmのほうが良好。

28mmも画角が十分に広いとは言えないので、いっそ35-100mmで割り切ったほうが考えを整理しやすいかもしれません。広い画角は超広角ズームレンズで。

28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 Sony E
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28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 Nikon Z
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35-150mm F/2-2.8 Di III VXD

同じく35mm始まりの大口径ズームレンズ。共通点はそれくらい。
未使用のため使い勝手は言及できません。少なくともレンズサイズや重量、価格に大きな違いがあるので、比較検討する人は少ないはず。

35-150mm F/2-2.8 Di III VXD Z-mount
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35-150mm F/2-2.8 Di III VXD E-mount
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購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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