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ソニー FE 24-50mm F2.8 G レンズレビュー完全版

このページでは「FE 24-50mm F2.8 G」のレビューを掲載しています。

FE 24-50mm F2.8 Gのレビュー一覧

管理人の評価

ポイント 評価 コメント
価格 社外製の倍近い
サイズ 比較的小さめ
重量 比較的軽め
操作性 小型軽量ながら充実
AF性能 高速だがブリージングが目立つ
解像性能 全体的に良好
ボケ 無個性だが使い勝手が良い
色収差 全体的に良好な補正状態
歪曲収差 広角側は補正必須
コマ収差・非点収差 適度な補正状態
周辺減光 F2.8で補正が必要となる場面がある
逆光耐性 ゴーストが目立つ可能性がある
満足度 携帯性の良い純正F2.8ズーム

評価:

携帯性の良い純正F2.8ズーム

ズームレンズの利便性と携帯性を天秤にかけ、少し携帯性寄りのバランスを採用した大口径レンズ。光学性能は良好で、普段使いには最適なサイズと重量を実現しています。このサイズ感のF2.8ズームが必要であれば、「純正品で」他に選択肢は存在しません。

悩ましいのはサードパーティメーカーの競合製品がいくつか存在していること。ソニーは光学性能やAF性能は同クラスで最も使いやすいと感じるものの、2倍近く高価。ベストな選択肢ですが、価格差ぶんの価値があると感じるかどうか個人差があると思います。サイズやズームレンジの異なるレンズも多く、純正品にこだわりがなければ他の選択肢も要検討。

絞りリングが必要だったり「FE 16-25mm F2.8 G」との統一されたデザインが重要となる場合は他に選択肢がありません。

Weighing the convenience and portability of a zoom lens, this large-aperture lens adopts a balance that leans slightly toward portability. Optical performance is good, and the size and weight are ideal for everyday use. If you need an f/2.8 zoom lens of this size, there is no other "genuine" choice.

What is troubling is that there are several competing products from third-party manufacturers. The Sony is nearly twice as expensive, although we feel that its optical and AF performance is the easiest to use in its class. Whether or not you feel the price difference is worth it depends on the individual.

If you need an aperture ring or if a unified design with the FE 16-25mm F2.8 G is important, there is no other choice.

まえがき

2024年4月発売のGシリーズ初となるF2.8ズームレンズ。24-50mmのショートズームですが、F2.8ズームとしては小型軽量なレンズサイズを実現。α7Cシリーズと組み合わせやすく、携帯性と低照度性能を両立させたいときに面白い選択肢となりそうです。また、「FE 16-25mm F2.8 G」と統一感のあるサイズは強み。

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  • 発売日:2024年4月19日
  • 予約開始日:2024年2月29日(木)10時
  • 希望小売価格:オープン
  • 市場推定価格:税込18万円前後
  • カメラのキタムラ :162,360円
  • ソニーストア:180,400 
  • フォーマット:フルサイズ
  • マウント:E
  • 焦点距離:24-50mm
  • 絞り値:F2.8-
  • 絞り羽根:11枚
  • レンズ構成:13群16枚
  • 最短撮影距離:
    0.19(W)-0.30(T) (AF)
    0.18(W)-0.29(T) (MF)
  • 最大撮影倍率:
    0.30 (AF)
    0.33 (MF)
  • フィルター径:67mm
  • サイズ:φ74.8×92.3mm
  • 重量:440g
  • 防塵防滴:対応
  • AF:リニアモーター×2
  • 手ぶれ補正:-
  • その他機能:・クリック解除付き絞りリング

重量は500gを切っており、F2.8の標準ズームレンズとしては軽量。ただし、シグマが「28-70mm F2.8 DG DN」で470gを実現しているので、群を抜いて軽量とは言えません。全長はシグマよりも短く、収納性に優れているのは間違いありません。しかし、より広角側のズーム域をカバーするタムロン「20-40mm F/2.8 Di III VXD」はソニーよりも短い縮長を実現。

価格のチェック

売り出し価格は小売店の最安値で162,360円。シグマやタムロンほど安価ではありませんが、驚くほど高価でもありません。

レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

いつも通りインターナショナルオレンジの目立つカラーリングを採用。箱にはレンズ名や対応フォーマット、レンズの仕様などが記載。カメラの箱と同じく、サステナブルデザインを採用し始めており、中の梱包にも紙素材を多用しています。レンズ本体に加え、フード、説明書、保証書が付属します。以前のGシリーズにはレンズポーチが付属していたと記憶しますが、このレンズには同梱していません。

外観

外装は主にプラスチックを採用。レンズ先端のみ金属パーツを使用。フォーカスリングとズームリングにはゴム製で、絞りリングのみプラスチック製。全体的に、Gシリーズらしいレンズの仕上がりとなっています。

20-70mm F4に近いデザインでサイズはさらにコンパクト。しかし、同じようにコントロールが非常に豊富。フォーカス・ズームリングに加え、クリックレスやAロックにも対応する絞りリングを搭載。さらに2か所にAFLボタンを搭載し、AF/MFスイッチも利用可能。現代の標準ズームレンズとして求められるコントロールは全て搭載。マウント付近にはシリアルナンバーやCEマークの表示がプリントされています。シリアルナンバーは剥がれやすいシールではないので脱落の心配がありません。ちなみに製造国はベトナム。ズームレンジこそ狭いものの、20-70mm F4 Gよりもコンパクトサイズを実現したF2.8ズームは魅力的。タムロン「20-40mm F/2.8 Di III VXD」はさらにコンパクトですが、本レンズほど充実したコントロールは備えていません。

ハンズオン

全長92.3mm、重量440gと小型軽量なF2.8ズームレンズ。シグマ28-70mm F2.8 DG DNよりも小さく軽く、それでいて豊富なコントロールと全体的な防塵防滴に対応。望遠端の焦点距離が短いものの、24mmが使えることを考えると悩ましいところ。

このクラスでは珍しく、24mmで内筒が最も伸び、50mmに向かって内筒が縮みます。50mmで最も短くなるので、一般的な標準ズームと比べて使い勝手がやや異なる点に注意。24mmと勘違いして、「うっかり」50mmで撮影する場合があります。幸いにも中途半端な焦点距離でレンズが最も短くなるわけではありません。

前玉・後玉

フッ素コーティング処理された大きな前玉の周囲は、金属製の67mmフィルターソケットを備えています。67mmフィルターは16-25mm F2.8 Gと共通しているほか、タムロンやシグマレンズの多くと同じ。フッ素コーティング処理されているので保護フィルターの重要性は低いものの、ダメージを防ぎたい場合は装着しておいたほうが良いでしょう。

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金属製レンズマウントは4本のビスで本体に固定されています。マウント周囲は防塵防滴用のシーリングあり。ズーム操作で前後する後玉の周囲にはフレアカッターを搭載しています。

フォーカスリング

適度なサイズのゴム製フォーカスリングを搭載。滑らかに回転しますが、他のソニーレンズと同じく緩々で抵抗感はほとんどありません。個人的にはパナソニックくらい強めの抵抗感が好みであり、ソニーのフォーカスリングは少し使いづらく感じます。リニアレスポンスで動作し、回転速度にかかわらず、ピント移動時の回転量は一定。ピント全域のストロークは50mmで約100度。

ズームリング

フォーカスリングと同じサイズ・形状のズームリングを搭載。触感では識別できませんが、二つのリングは距離が離れているので判断可能。滑らかいに回転するものの、ズーム中間域に差し掛かると抵抗感がわずかに強くなります。

絞りリング

マウント付近には1/3段刻みで動作する絞りリングを搭載。クリック解除で無段階操作に対応するほか、必要ない場合はAポジションでの固定が可能。ただ、ロック解除中でもAとF22の間には強い抵抗感があり、誤操作はほとんどないと思われます。

レンズフード

プラスチック製の花形レンズフードが付属。ロックやフィルター操作窓のない、非常にシンプルなフードです。フードの内側は反射を防止するためのマットブラックの塗装が施されています。逆さ付けにも対応していますが、コンパクトなフードのため装着したままでも収納性に大きな影響はないように感じます。

 

ボタンなど

レンズ側面にはAF/MF切り替えスイッチとカスタマイズ可能なAFLボタンを搭載。小型軽量ながら豊富なコントロールを備えています。

ケラレ耐性

一般的な厚みのフィルターであば、2枚の重ねがけが可能。3枚になると四隅の一部がケラレる可能性があります。

装着例

α7R Vに装着。F2.8ズームレンズを装着しているようには感じない携帯性を実現。感覚的には20-70mm F4 Gとほぼ変わりません。α7R Vのボディが大きすぎると感じるくらいで、α7CやAPS-Cと組み合わせても問題無さそう。

 

AF・MF

フォーカススピード

XDではないリニアモーター駆動を使用。ズーム全域で非常に高速なAFを実現しています。タムロンVXDほど電光石火で動作することはありませんが、十分に高速と呼べるパフォーマンスを発揮。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

AF速度のテスト動画からもわかるように、ズーム全域でフォーカスブリージングが目立ちます。競合するズームレンズもゼロとは言えませんが、ソニーほど大きくはありません。動画撮影で利用するのであれば、ブリージング補正が利用できるカメラのほうが良さそうです。

24mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

28mm

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35mm

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50mm

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精度

α7R Vとの組み合わせで大きな問題はありません。α1などと組み合わせることで、15fpsを超える連続撮影速度でAF-Cを利用できるのが強み。

MF

フォーカスリングは緩々ですが、大きく拡大したり、ピーキング機能を自動で適用できるため簡単なピント合わせが可能。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:α7R V
  • 交換レンズ:FE 24-50mm F2.8 G
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイルオフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

24mm

中央はF2.8から非常にシャープ。手持ちのチャートテストでは上限に突き当たっており、本来ならば、さらに高い数値を期待できます。

広角域の焦点距離は、像倍率を一定にするため解像チャートへ近寄る必要があります。広角レンズの接写時は周辺や隅の解像性能が低下する傾向があり、このレンズに限ったことではありません。あくまでも参考程度の数値とお考え下さい。

それでも、周辺や隅も絞ると急速に改善します。F8のピークの向かって解像性能は伸び続け、最終的に中央に近い数値まで到達。全体的に優れた解像性能となります。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F2.8 4568 2616 1884
F4.0 4555 3936 2685
F5.6 4586 4488 3390
F8.0 4506 4932 4143
F11 4337 3935 4157
F16 4027 3752 3576
F22 3053 2977 2984

28mm

基本的に24mmと同じ傾向ですが、絞った際の周辺や隅の改善速度は24mmよりもはやい。F5.6まで絞れば、全体的に均質性の高い結果を得ることができます。歪曲収差の補正時に多少の性能低下があるかもしれませんが、解像性能が高いので心配するほどのソフトな画質とはならないはず。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F2.8 4521 2934 1998
F4.0 4506 3687 3273
F5.6 4586 4491 4480
F8.0 4521 4563 4674
F11 4475 4581 4168
F16 3854 3697 3908
F22 2882 3009 2920

35mm

引き続き中央はとても良好な解像性能を発揮。広角域と比べると絞り開放における周辺・隅の性能低下が目立たず実用的な画質。さらにF5.6まで絞れば非常にシャープな結果を得ることができます。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F2.8 4530 2968 2868
F4.0 4661 3723 3337
F5.6 4642 4525 3953
F8.0 4562 4560 4219
F11 4513 4130 3929
F16 3985 3604 3585
F22 3013 3046 2640

50mm

望遠端では絞り開放における中央の解像性能が少し低下するようです。ただし、F4まで絞ると周辺と共に急速に改善。隅は絞っても伸び悩みますが、それでも良好な結果と言えるでしょう。

中央

周辺

四隅

数値確認
中央 周辺部 四隅
F2.8 3547 3890 3191
F4.0 4642 4438 3025
F5.6 4648 4686 3450
F8.0 4632 4703 3807
F11 4569 4045 3927
F16 3996 3416 3491
F22 3333 2997 2792

FE 20-70mm F4 Gとの比較

全体的によく似た結果が得られます。あえて言えば広角側はFE 20-70mm F4 Gのほうが良好で、標準機はFE 24-50mm F2.8 Gのほうが良好。ズームレンジの広さか、F2.8の大口径で検討するといいでしょう。

FE 40mm F2.5 Gとの比較

参考までにGシリーズの単焦点レンズと比較。24-50mmもF4まで絞れば広い範囲で単焦点に近い結果を得ることができます。ただし、隅まで抜群の解像性能が必要な場合は40mm F2.5 Gに分があります。

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2024.4.19 晴れ 微風
  • カメラ:α7R V
  • 三脚:Leofoto LS-365C
  • 雲台:SUNWAYFOTO GH-PRO II
  • 露出:ISO 100 絞り優先AE
  • RAW:Adobe Lightroom Classic CC
    ・シャープネスオフ
    ・レンズ補正外せない

24mm

中央

絞り開放からほぼピークの性能、絞っても大幅な改善はありません。

周辺

F2.8は中央と比べてごく僅かにソフトですが、細かいこと言わなければ同程度。F4以降でわずかに改善しますが、ほぼ変わりません。

四隅

周辺減光の影響こそ目立つものの、解像性能を分けてチェックすると非常に良好。

28mm

中央

24mmと同じく、絞り開放からピークの性能。絞っても画質に大きな変化はありません。

周辺

24mmと同じ傾向。中央よりもやや低めながら、F2.8からピークの性能。

四隅

24mmと同じく良好な結果。比較すると、僅かに非点収差のような像の流れがあります。この像の甘さは絞っても改善しません。

35mm

中央

引き続き絞り開放からピークの性能。絞りによる改善はほとんどありません。

周辺

中央と同じくらいシャープで良好な結果。

四隅

細部の解像性能は中央や周辺より低いものの、目立つ欠点のない安定した画質。絞っても大きな変化はありません。

50mm

中央

他の焦点距離と比べて、細部のコントラストがわずかに低下。F4まで絞ると改善します。

周辺

概ね良好な画質。ピークの性能は高くないかもしれませんが、大きな欠点のない安定した画質。

四隅

周辺と同程度で一貫性のある画質。絞りによる改善はほとんどありません。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

ズーム全域で若干の色収差が残存しているものの、ズーム全域・絞り全域で大きな問題はありません。

24mm
28mm

35mm

50mm

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

24mm

完璧な補正状態ではなく、ピント面の前後に色収差が発生しています。実際に使った経験から言うと、常時目立つような量ではありません。ただし、高コントラストな領域で少し目立つ可能性があります。

35mm

24mmと同程度。大部分の状況で色収差に気が付くことはありません。

50mm

広角域や準広角よりも良好な補正状態。厳しい状況でも目立つことはありません。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

実写で確認

ミラーレス用の標準ズームらしく、広角側でやや目立つ樽型歪曲が発生。とはいえ、魚眼レンズほどの歪みではなく、像高もフルサイズセンサーをカバーしています。歪曲が気にならなければ、そのまま使うのもあり。標準ズームとしては比較的穏やか。一般的に望遠端は糸巻き型歪曲となるものの、このレンズは望遠端でもわずかな樽型歪曲を維持しています。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

全体的に良好な補正状態です。35mm付近で点像のわずかな変形がみられるものの、四隅を拡大しないとわからない程度に抑えられています。

24mm

28mm

35mm

50mm

球面収差

24mm

前後のボケ質にほとんど差が無い良好な補正状態。

50mm

広角側と比べると前後のボケ質にムラがあるように見えます。軸上色収差のテスト結果を見る限り、フォーカスシフトの兆候はありません。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

ボケが大きくなる50mmでテスト。後ボケは適度に柔らかく、輪郭が少し残る描写。軸上色収差が少し残存しています。基本的にはニュートラル寄りで個性的なボケではありません。

前ボケ

後ボケとほぼ同じ。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

24mm

大部分は良好ですが、フレーム隅における口径食が強め。玉ねぎボケの兆候はありません。

35mm

24mmと同じ。

50mm

広角側よりも口径食が強めに発生します。

ボケ実写

24mm

口径食は目立ちますが、ボケそのものは綺麗な描写。撮影距離が長くなると縁取りが若干強くなるものの、極端に悪目立ちする描写ではありません。縁取りが気になる場合は2段ほど絞ると改善します。

50mm

やはり四隅に向かって口径食が強め。ボケは綺麗で滑らか。広角側よりもボケの縁取りが目立ちにくくなっています。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

全体的に綺麗なボケで、悪目立ちする要素は良く抑えられています。あえて言えば24mmの周辺から隅が少し騒がしい。

周辺減光

周辺減光とは?

フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ち。
中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となります。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景や星空の撮影などで高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

24mm

ピント位置に関わらず強めの減光が発生します。これを抑えるためにはF4で足りず、F8くらいまで絞る必要があります。

35mm

24mmと比べて無限遠側は改善するものの、最短撮影距離付近でより強い効果が発生。F8まで絞っても隅の影響が残ります。

50mm

24mmや35mmよりも強めの減光が発生。最短撮影距離でも無限遠でも目立ちます。

逆光耐性・光条

24mm

フレアは良く抑えられていますが、ゴーストが多数発生します。強い光源をフレーム中央付近に配置する場合に顕著。光源がフレーム周辺・隅にある場合は絞った際にゴーストが目立ちます。

50mm

基本的には24mmと同じ傾向ですが、ゴーストの強度は若干低下。

光条

絞ることでF8付近から先細りするシャープな光条が発生。ピークはF11からF16あたり。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • 小型軽量
  • 50mmで全長が最も短い
  • 絞りリング
  • 防塵防滴
  • 高速AF
  • 接写でも絞ると良好な解像性能
  • 色収差の補正状態
  • 適度なコマ収差補正
  • 悪目立ちしない後ボケ
  • 光条

ショートズームが功を奏したのか、小型軽量ながら良好な光学性能の大口径ズームレンズ。抜群とは言えないものの、大部分の状況でうまくいく性能を備えているように見えます。注意点と言えば接写時の周辺部を重視する場合は少し絞ったほうが良いことくらい。歪曲収差などカメラ側の補正を必要としますが、ボディと現像ソフトが対応している限り問題ありません。

標準ズームとしては珍しく全長が50mmで最短となるため、基本的には50mmの状態で持ち歩くことが多くなると思います。ズームレンズと言うよりは50mm単焦点のような感覚で、必要に応じてズームアウトして画角を調整すると良いでしょう。

悪かったところ

ココに注意

  • ズームレンジが短い
  • フォーカスブリージングが目立つ
  • 補正必須の樽型歪曲
  • F2.8付近の口径食・周辺減光
  • 逆光時のゴースト

小型軽量の代償としてズームレンジが短く、画角の自由度が高くありません。APS-Cクロップを活用することで対応可能ですが、フル解像の中望遠域を多用するのであれば他の選択肢を検討したほうが良いでしょう。

歪曲収差や周辺減光、フォーカスブリージングなどはカメラ側の補正が必要となりますが、対応機種であれば心配する必要はありません。逆光時のゴーストに注意しておけばこれと言った欠点も無し。

結論

満足度は90点。
ズームレンズの利便性と携帯性を天秤にかけ、少し携帯性寄りのバランスを採用した大口径レンズ。光学性能は良好で、普段使いには最適なサイズと重量を実現しています。このサイズ感のF2.8ズームが必要であれば、「純正品で」他に選択肢は存在しません。

悩ましいのはサードパーティメーカーの競合製品がいくつか存在していること。ソニーは光学性能やAF性能は同クラスで最も使いやすいと感じるものの、2倍近く高価。価格差ぶんの価値があると感じるかどうか個人差があると思います。

購入するを悩んでいる人

価格に問題がなければソニーGがベストな選択肢。ただし、サイズやズームレンジの異なるレンズも多く、純正品にこだわりがなければ他の選択肢も要検討。

FE 20-70mm F4 G

F2.8が必要なければ、同サイズで同じような操作性のコチラがおススメ。高倍率ながら光学性能は悪くなく、接写性能も良好で汎用性の高いズームレンズとなっています。注意点として、未補正RAWの歪曲収差が24-50mmよりも強く、補正必須と感じるシーンが多い。補正量が多いぶん、特に広角四隅の画質が影響を受ける可能性が高い。

28-70mm F2.8 DG DN

広角24mmを諦めることで、小型軽量でズームレンジの広いF2.8大口径ズームを実現。ソニーGほどではないものの、小型軽量で良好な光学性能となっています。ステッピングモーター駆動のAFであり、リニアモーターほど電光石火では動作しません。絞りリングや同等の防塵防滴でもありませんが一つの選択肢。

20-40mm F/2.8 Di III VXD

ソニーGよりも小型軽量で、ズームレンジがさらに広角寄りの特殊なレンズ。さらに価格は手頃で、防塵防滴、高速AFを実現しており、ズームレンジの狭さが気にならなければ面白い選択肢。ソニーGの強みとなる絞りリングやフォーカスブリージング補正などが必要なければコチラがおススメ。やはり望遠側で全長が短くなるため、普段は40mm単焦点のように使う機会が多いかもしれません。

28-75mm F/2.8 Di III VXD G2

サイズが大きいものの、手頃な価格で光学性能・汎用性とのバランスが取れた選択肢。レンズ購入時にこだわりがなく、とにかく標準ズームの大口径ズームを使ってみたい場合は要検討。

購入早見表

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作例

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