IMAGINGRESOURCEがOMデジタルのインタビュー記事を公開。OM-1や150-400mmが好調、F1.2の今後、クアッドピクセルの活用などなど。OM-1の被写体検出AFの使い方についても解説あり。
独立した会社への移行
- 組織改革と業務プロセスの刷新
- 業務改革はまだ途上だが、従業員の意識も変化
- オリンパス時代に使っていたインフラが使えなくなってしまった
- 事業インフラの構築は大きな課題だがベンダー企業の支援を受けて解決に向けて前進
売上
- オリンパスとビジネスを比較するのは難しく、市場と環境に劇的な変化がある
- ミドルおよびハイエンド製品はオリンパス以前よりも状況が良くなっている
- 特に OM-1 のおかげで順調だ
- より多くの新しいユーザーが OM-1 を購入している
- PROレンズの売上にもOM-1が大きく貢献
財務データ
- 現在の事業体制でも年次財務諸表を作成
- 上場企業ではないため、財務諸表は株主のみ閲覧可能
研究開発
- リソースと構造は、ビジネスの規模に合わせて変更
- 市場に支持される魅力的な製品に必要な主要な開発リソースを保持
- 必要な要素の一部については、アウトソーシングも利用
・オリンパスが保有する研究開発リソースもアウトソーシングの一部- 組織内に独自の研究開発スタッフ
製造体制
- オリンパス工場の一部を資産として譲渡され製造拠点としている
- 工場内にイメージング ビジネスの部分がある
- 工場の他の部分はまだオリンパスのもの
・工場は1つだが、2つに分割サプライチェーンの問題
- サプライ チェーンの一部がまだ中国
- 状況に応じて、追加のサプライヤーと協力
- OM-1の供給不足が続いているが、2 か月後には追いつくことができる予想
・インタビューが7月末なので、9月末予想ブランド
- OM-1のオリンパスのロゴは受け継がれるDNAや開発理念の融合を象徴するもの
- OM-1はオリンパスのブランドロゴを持つ最後のカメラ
- レンズなどの既存商品のブランド変更を検討
- 知名度の観点から単純に新しい名前に変更することは難しい
- 屋内外の幅広い撮影に最適なシステムであるという事実を伝えたいと考えている
今後の望遠ズーム
- 現時点ではこれらのレンズについて詳しく説明することはできない
- プロフォトグラファーとハイエンドアマチュアの市場規模に変化はない
- 中高域を重視
F1.2 ライン
- 現在の焦点距離以外ではレンズが大きくなる
- 消費者からはコンパクトサイズの軽量カメラ システムの要望
- 同シリーズを拡大することは優先度が高くない
150-400mmの需要
- 日本での 150-400mm PRO レンズの新規注文の受付を一時的に停止
- 高度な生産技術と組立技術を駆使
- 厳格な品質管理基準に従って生産が管理され、1日に限られた数しか生産できない
- OM-1 のリリース以来、新規の顧客の数が増加
- 野鳥撮影愛好家を中心に、本商品の受注が増加
- 受注の一時的に停止は日本限定
積層型CMOSセンサー・クアッドピクセルAF
- 当社の積層型 LiveMOSの処理の詳細については回答できない
- 全画素で位相差情報を取得できる
- 連写やEVFは120fpsだが、AF処理は同等かそれ以上だ。
- サブピクセル データはAF 処理でのみ使用される
(8000万画素相当のRAW出力は得られない)- サブピクセルデータの活用方法を検討
AI AF
- 新しい画像処理エンジンにより、より高速な被写体検出が可能
- データを非常に高速に読み出せるようになったので、より適切に追跡可能
- ファームウェアアップデートでAIAF の進化を検討
ニューラル ネット ハードウェア
- E-M1Xよりも高度なニューラル ネットワーク処理を実現
- 高性能・高速処理と低消費電力を実現
AF性能向上の秘訣は
- ハードウェアとアルゴリズムの両方の改善
AI AFの次ぎは
- コンピュテーショナル フォトグラフィーのさらなる進歩を活用
- センサー サイズに依存することなく高品質の画像とより優れた写真表現を可能にする
- フルサイズユーザーにも当社のカメラ システムを楽しんでいただけるようにしたい
AF
- ?検出AF で撮影する場合は、C-AFでターゲットAF(ゾーンAF)を使用することをお勧め
- 被写体が検出されない場合はゾーン設定のAF動作に切り替わる
- 追尾AFを併用する場合、被写体検出以外に色や全画面ベクトル検出などのデータを統合して主被写体を追尾することが優先される
- 追尾AF併用時に被写体検出は追尾情報の一部として扱われ、その他の検出が行われる
- 状況によっては被写体検出のみを利用したほうが優れた結果が得られる
- ?猫や鳥などの被写体を撮影する場合はターゲット AF と CAFの AI 被写体検出がおススメ
- 他の被写体はC-AF+TR-AFをお勧め
- C-AFとトラッキングAFではAFの処理が異なる
- AI 検出プロセスのみが、いくつかの情報を使用した複数の AF プロセスよりも優れていることがある
とのこと。
IMAGING RESOURCEらしく一般的なインタビューよりも少しテクニカルな話題が多い内容となっていますね。一般的な部分を見ると、OM-1が好調で、特に他のシステムからのユーザー流入が多く、PROレンズなどの販売も好調のようです。この新規ユーザーを逃さないように、OM-1をファームウェアアップデートでさらに強化して欲しいところですねえ。インタビューを読む限りでは、小型軽量な望遠レンズのシステムとして野鳥撮影などのユーザーが増えているらしく、レンズも望遠レンズをメインに増えていきそうなロードマップとなっていますね。残念ながらF1.2 PROシリーズはコンセプトと需要がマッチしていないようで、今後の拡充はあまり期待できないかもしれません。個人的に25mm F1.2 PROは好きなのですけども…。
最後にOM-1について気になる部分がいくつかありました。重要な点は「クアッドピクセルを分解した8000万画素相当の画像データは得られない」「サブピクセルの活用方法は検討中(キヤノンのDP RAWのような?)」「被写体検出とトラッキングは分けて使ったほうが良い」と言ったところでしょうか?
個人的に気になったのは被写体検出とC-AF+TRの関係。システム的には全く別であり、検出可能な被写体であれば追尾AFはオフにしたほうが良い結果が得られるかもしれないとのこと。ただ、被写体検出が途切れると、瞬間的に元のゾーンAF(ターゲットAF)に戻ってしまうので、ちょっと使い辛いのですよね。追尾AFと組み合わせると切り替わってトラッキングを継続してくれるのですが…。被写体検出時にフレーム上の前景を掴みやすいのも、この辺りが原因なのかなと予想(被写体検出と色情報・深度情報を扱うAFシステムが別となっている?)。将来的に2つのAFシステムが完全に融合すると良いですねえ。
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