マイクロフォーサーズ用交換レンズVenus Optics「LAOWA 50mm f/2.8 2X Ultra Macro APO」の国内予約販売が開始されました。10月24日発売、カメラのキタムラにて「?53,460?(税込) 」での出品を確認済み。MFT LAOWA初となる電子接点搭載モデル。
ココがポイント
LAOWA 50mm f/2.8 2X Ultra Macro APO交換レンズデータベース
LAOWA 50mm f/2.8 2X Ultra Macro APO | |||
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海外の評価
Digital Camera World
Digital Camera World:Laowa 50mm f/2.8 2X Ultra Macro APO review
- オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」と直接競合するレンズだ。非常によく似たサイズで、少しだけ小さく、MF限定である。
- LAOWAは2つの強みがあり、一つはオリンパスの等倍マクロと比べて2倍の撮影倍率を備えていること。二つ目は最高のビルドクオリティであり、オリンパス60mmが明らかにプラスチッキーと感じることだ。
- レンズの仕様
・レンズ構成:10群14枚
・画角:24.4度
・絞り羽根:7枚
・最小絞り:F22
・最短撮影距離:0.135m
・最大撮影倍率:2X
・フィルターサイズ:49mm
・サイズ:53.5×79mm
・重量:240g - レンズで最も興味深いのは埋め込まれたマイクロチップと絞り羽根を制御するモーターだ。LAOWAレンズとしてはフルマニュアルで電子接点を搭載していないモデルが多い。しかし、このレンズはボディから絞りを制御できるチップとモーターを内蔵しており、絞りリングは存在しない。
- ライブビューは全て開放絞りとなり、撮影時のみF値まで絞りこまれる。これはLAOWAレンズにとって大きな前進だ。
- さらにEXIFがボディ側に伝わり、レンズデータを取得することが可能だ。
- 光学設計はLAOWAらしい洗練されたデザインの10群14枚構成だ。色収差の高度な補正を目指したアポクロマート設計である。
- 純正レンズよりも安価だが、ビルドクオリティに妥協は見られない。満足のいく重みを感じ、フォーカスリングはとても滑らかで正確な操作に十分な長い回転角を備えている。非常によくできたレンズだ。
- チップを内蔵しているため、フォーカスリング回転時に自動アシストを利用することが出来る。
- 被写界深度はF5.6/F11/F22が印字されているものの、接写時は被写界深度が浅いのアテにならないかもしれない。
- インナーフォーカス機構のためレンズ全長に変化は見られない。
- 目に見える色収差や歪曲収差は無く、非常にシャープなディテールを得ることが出来た。肉眼では見えないものを簡単に撮影することが出来る。
- 最短撮影距離でも色収差は極僅かに抑えられている。確かにAPO設計のレンズだ。
- 露出制御が外れる場合もあり、いくつかオーバーな撮影結果があった。これは特定のパターンにはまらず、1?2回だけである。
- F22まで絞ると回折の影響でかなりソフトな描写となるので、F11までに抑えておくのがおススメだ。接写時は被写界深度が足りないので、深度合成が必要となる。
- ボディ側手ぶれ補正を利用できるが、マクロ撮影ではほんのわずかな手ぶれでも大きく影響する。三脚を使うのがおススメだ。
良好な作りのレンズであり、オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」のような優れた光学性能を2倍マクロで利用することが出来る。マクロ撮影ではMF限定操作で大きな問題は感じないと思う。
比較して少し安く、ビルドクオリティや操作性は大きな強みとなる。出来れば絞りリングは付けて欲しかった。マクロ撮影用として、オートフォーカスが必要無ければ非常に面白いレンズとなるだろう。
長所:2倍マクロ・電子接点・高水準な作り・インナーフォーカス
短所:MF限定
Optical Limits
Optical Limits:Laowa 50mm f/2.8 2x Ultra Macro APO MFT - Review / Test Report
- Venus Opticsはここ数年で非常に興味深いレンズをリリースしている。多くの中国メーカーと同じく、とても極端なレンズデザインにフォーカスを当てている。
- このレンズは電子接点を搭載し、カメラ側にレンズ情報の通信が可能だ。自動絞りを採用しているが、フォーカス方式は従来通りMF限定である。
- フォーカスリングを回転させてカメラの自動アシストが可能だ。
- 小売希望価格は399米ドルと大胆な値付けだ。オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」より100ドルほど安く購入することが出来る。そのうえ、このレンズは2倍マクロに対応しているため、極端なマクロ撮影ユーザーとって価値は高い。
- マイクロフォーサーズらしく小型軽量なレンズに仕上がっている。ただし、ビルドクオリティは良好だ。防塵防滴仕様では無いが、鏡筒は総金属製である。
- フォーカシングは鏡筒内で完結するためレンズの伸び縮みは発生しない。
- フォーカスリングは滑らかに動作する。
- マクロレンズらしく、歪曲収差は皆無だ。
- 周辺減光はカメラの自動補正によって強力に補正されている。開放付近で四隅のノイズ増加に繋がるが、それ以外で何も問題は無い。
- LAOWAのマクロレンズは極めてシャープなレンズが多く、このレンズも例外では無い。中央は既にF2.8から優れており、周辺も非常に良好だ。絞っても中央は向上しないが、四隅はわずかに向上し、F5.6でさらに改善する。
- マイクロフォーサーズは基本的にF11で回折の影響をうけるものの、F11まで絞っても実用的だ。ただしF16は避けるべきであり、F22まで絞るとドロドロに溶けてしまう。
- テストした個体のセンタリングは良好だ。像面湾曲は最小限である。
- APO設計のため倍率色収差や軸上色収差は無視できる水準まで抑えられている。
- ボケは絞り開放のF2.8で良好な描写だ。縁取りはほんのわずかである。絞ると絞り羽根の形状がハッキリと現れる。このレンズは明らかに円形絞りでは無い。
- 玉ボケは四隅に向かって口径食の影響を受けている。絞ると改善するが、前述した通り絞り羽根の形状が見えてしまう。
- 前後のボケは完璧では無いものの良好だ。前ボケは確かに滑らかだが、後ボケはコントラストが高いと騒がしくなる。
- 従来のLAOWAレンズと同じく、逆光耐性がこのレンズの弱点となる。
- 絞ると光条が発生するものの、やや粗い描写だ。
見事なマクロレンズだ。絞り開放からF4-5.6でピークを迎えるずば抜けたシャープネスはこのレンズの強みとなる。さらに優れた色収差補正によって非常に高いシャープネスの解像感を高めていると言えるだろう。歪曲は存在せず、RAWでいくらか周辺減光があるものの、カメラで自動補正が可能だ。
ボケはもう少し良いと良かった。玉ボケには縁取りがあり、後ボケが少し騒がしい。さらに逆光ではフレアが問題となることがあるのでフードの装着をおススメする。
電子接点に対応したのはLAOWAにとって大きな前進だ。自動絞りに対応し、フォーカスリングの操作で自動アシストができるようになっている。少なくとも、静止体のピント合わせは簡単だ。そして小型軽量レンズながら総金属製で非常に頑丈だ。ただし防塵防滴仕様ではない。
オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」とどちらを選ぶか悩ましいところだが、極端なマクロ撮影がしたい場合、答えは簡単だ。ボケや逆光耐性、AFを重視する場合はオリンパスを選ぶと良いだろう。
Richard Wong
Richard Wong:Laowa 50mm f/2.8 2X Ultra Macro APO
- マクロレンズと言えば等倍までのレンズが大部分だが、このレンズは2倍までクローズアップが可能だ。マクロから風景・ポートレートまで対応することが出来る。
- マイクロフォーサーズでは初となる2倍マクロレンズである。
- 焦点距離や開放F値はオリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」と似ているが、比較して全長は短い。そしてオリンパスの最大撮影倍率は1.0だ。
- 従来のLAOWAレンズは完全なマニュアルレンズであり、電子接点などは存在しない。しかし、Venus Opticsはマイクロフォーサーズシステムに賛同し、レンズ情報を受け取る電子接点を搭載している。
- レンズ情報を受け取ることで、レンズ名や絞り値をEXIFに記録することが出来る。さらに絞り羽根は電子制御に対応し、カメラ側から操作することが出来る。このため、このレンズレンズには絞りリングが存在していない。
- 露出設定が小絞りでも、ライブビュー中は絞りを開けておくことが出来るのでピント合わせが簡単になっている。また、フォーカスリングの回転と連動してカメラの自動アシストを起動させることも可能だ。いちいちボタンカスタマイズに登録する必要は無い。
- このレンズはレビュー用に貸与されたプリプロダクションモデルだ。
- フォーカスリングを回転させると自動アシストは動作する。ただし、ライブビュー下部のピント位置表示は動作しない。(固定されたまま)
既にこの問題を報告しているが、対応することは無いと思われる。 - このレンズのビルドクオリティはとても良好だ。金属製外装はコンパクトながら非常に頑丈だ。オリンパスレンズと比べると重量差は顕著だ。
- フォーカスリングは滑らかに動作する。回転角度は約160度である。
- インナーフォーカス(訳注:外装内でレンズが前後に移動する)のためフォーカス操作によるレンズ全長の変化は見られない。
- オリンパスと比べると100ドルほど低価格だ。
- 等倍時に絞り開放を使った際の画質はとても良好だ。F4まで絞っても大きな改善は見られない。シャープネスはF2.8から非常に優れている。パフォーマンスはオリンパスとよく似ている。
- 2倍マクロ時はF4まで絞れば問題は無くなり、F5.6で本当に良好だ。とは言え、被写界深度が非常に狭いため、絞り開放を使うのは難しい。
- 距離を離しても中央は絞り開放から非常に良好だ。F4まで絞るとシャープネスは僅かに向上する。パフォーマンスはオリンパスと非常によく似ている。四隅も非常に良好で、オリンパスと酷似したパフォーマンスだ。
- 歪曲収差の影響はピント距離により変化する。近距離の場合は問題とならないが、20mや無限遠に設定すると糸巻き型の歪曲収差が目立つようになる。遠景がメインの場合は最適な選択肢とは言えないだろう。
- 絞り開放から目立つ周辺減光は見られない。
- 色収差は良好に補正され、色ずれが全く見られない。見事なパフォーマンスだ。
- ボケはオリンパスよりも滑らかな描写だ。絞るとLAOWAは絞り羽根の形状が目立ちやすくなる。
- 逆光耐性はマクロレンズで重要な要素では無いが、オリンパスよりもやや悪い。逆光環境で少しゴーストが発生するかもしれない。
- 手持ちでのマクロ撮影はかなり難しい。ISO感度上げてシャッタースピードを速くし、連写モードで数枚撮影したほうが良いだろう。
- 2倍マクロ時はワーキングディスタンスがほとんど無い。
LAOWAとオリンパスは非常に似ており、どちらも優れたマクロレンズだ。レンズフレアや無限遠側の歪曲収差補正は後者が優れ、ボケや色収差補正は前者が優れている。特に色収差補正は見ごろである。
どちらか選ぶ場合、私なら画質はそれほど重要ではないと感じる。オリンパスはAFに対応し、遠景での撮影能力も優れている。汎用性を考慮するとオリンパスだ。LAOWAは2倍マクロに対応し、新しい可能性を切り開くことが出来るレンズである。
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