Phototrendがシグマ「14-24mm F2.8 DG DN」のレビューを公開。同クラスとしては非常に軽量なズームレンズながら高い光学性能を維持していると高く評価しています。
レンズの紹介:
- 2019年に発表されたフルサイズミラーレス用の超広角ズームレンズだ。
- 光学性能を追求するシグマArtシリーズに属している。
- 13群18枚のレンズ構成中にはFLD・SLD・非球面レンズを使用している。
- コーティングには新しいナノポーラスコーティングを使用している。
ビルドクオリティ:
- 優れたビルドクオリティだ。金属製の鏡筒は防塵防滴仕様となっており、あらゆる状況に対応できる。
携帯性:
- ミラーレス用設計でサイズは抑えられているが、それでも直径85mm、全長133mmと大きなレンズだ。
- とは言え、一眼レフ用が1150gであるのに対して、795gと軽量だ。そして、ソニー「FE 12-24mm F2.8 GM」よりも軽量である。
- バランスは組み合わせるボディにもよる。小型軽量なソニーαとパナソニックLUMIXではバランスが異なっていると思う。
- 前玉を保護しているレンズフードは取り外し不可能だ。
- フィルターを装着する場合にレンズ前面のねじ込み式には対応していない。レンズ後面のフィルターホルダーを利用する必要がある。
操作性:
- ズームリングはしっかりとした操作性で、焦点距離の誤操作は抑えられている。
- フォーカスリングはズームリングよりも軽く回転する。
- AF/MFスイッチを搭載しているので、カメラ側で切り替える必要が無い。
- AFLボタンで素早くフォーカスをロックできるが、超広角でこの機能はあまり使わない。
オートフォーカス:
- ステッピングモーター駆動によるAFはとても高速だ。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 手ぶれ補正は搭載していないものの、カメラ側の手ぶれ補正を利用可能である。
解像性能:
- 絞り開放から優れた中央解像だ。
- 14mmで接近した場合はフレーム端のシャープネスが完全と言えないものの、絞ると急速に改善する。
- F8とF11で隅を除いて一貫性がピークとなる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 最短撮影距離が短く、F2.8の開放絞りのおかげで美しいボケを得ることが出来る。
色収差:
- 厳しくチェックしても色収差は綺麗に補正されている。心配する必要が無い。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 風景などは特に24mmで目立たないが、被写体に近づくほど歪曲が大きくなる。特に建築物を撮影する時はハッキリと目に付く。
- 14mmで樽型歪曲の傾向が見られる。
- 24mmでは糸巻き型歪曲の傾向が見られる。
周辺減光:
- F2.8でかなり目立つが、F4まで絞ると急速に改善する。
- カメラやソフトウェアでも簡単に補正可能だ。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光時は多かれ少なかれフレアが発生する。
- 絞ると11枚の絞り羽根による美しい光条が発生する。
競合レンズ
- 「FE 12-24mm F2.8 GM」は魅力的なレンズだが、シグマよりも少し重く、特に価格が非常に高い。
- F2.8が必要ない場合は「FE 12-24mm F4 G」が小型軽量でバランスが良好だ。ただし、シグマよりも高価なレンズとなっている。
- タムロン「17-28mm F/2.8 Di III RXD」はズームレンジが狭いものの、非常にコンパクトなレンズに仕上がっている。
総評
最初は好みのズームレンズではなくても、すぐに愛着が湧いてくるレンズのひとつだ。ズームレンジはそれほど広くないものの、フルサイズミラーレス市場では最も画角の広いズームの一つであり、あらゆる撮影に適している。14mmの広い画角でこれほど多くのディテールを捉えることができるのは素晴らしいことだ。
画質は、シグマがこれまで培ってきたノウハウと、新たな光学設計が功を奏している。ただし、超広角レンズの特性は理解しておく必要がある。確かに大きなレンズだが、現在の市場で最も軽く、ズーム全体で非常に明るいレンズであることを忘れてはならない。複雑なレンズ構成にもかかわらず、このクラスで最高の品質/重量比を実現している。さらに価格設定も考慮すると非常に競争力のあるレンズと言えるだろう。
- 長所:
・ハイエンド超広角ズームとしては手ごろな価格
・色収差なし
・クラス最軽量
・素晴らしい解像性能
・応答性の高いAF
・美しいボケ
・短い最短撮影距離- 短所:
・軽量だが大きなレンズに違いない
・ズームレンジが狭い
・歪曲収差が残っている
・絞り開放時の均質性
・逆光時のフレア
とのこと。
買い方次第ですが、13万円台でも購入可能と入手しやすい大口径広角ズームレンズですね。タムロンと比べると少し高いものの、14mmの幅広い画角を使いたいのであればコストパフォーマンスの高いレンズと言えるでしょう。
他のレビューサイトでも評価の高いレンズであり、Phototrendも似たような結論に至っています。このクラスとして軽量なレンズですが、妥協の無い光学性能が強みですね。ソニー「FE 12-24mm F2.8 GM」が登場したものの、価格やサイズを考慮すると、このシグマ製レンズを検討する価値は十分にあるはず。注意すべき点があるとすれば、広角12mmと14mmの差、そして逆光耐性くらいでしょうか?
Flickrのレンズ専用ページには1000点を超えるユーザー投稿が公開されているので参考となるかもしれません。
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