Dustin Abbottがシグマ「18-50mm F2.8 DC DN」のレビューを公開。欠点と言えば歪曲収差くらいで、小型軽量・低価格・優れた光学性能のレンズと評価。人気を博すレンズになるだろうと述べています。
Dustin Abbott:Sigma 18-50mm F2.8 DC DN Review
レンズの紹介:
ソニー純正「E 16-55mm F2.8 G」はなんと1400ドルで、大部分のEマウントミラーレスの価格を上回る高価なレンズだ。タムロン「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD」は優れたレンズだが、大きく重いレンズでもある。このシグマ「18-50mm F2.8 DC DN」は優れた画質で小型軽量、そして非常にリーズナブルである。
ビルドクオリティ:
- Contemporaryラインであるこのレンズは、低価格ながら美しい作りである。
- 筐体は金属パーツとTSC素材で構成され、マウントは金属製だ。
- マウント部にシーリングが施されているものの、その他の部分にシーリングは無いと思われる。
- 伸びる内筒は良好な設計でぐらつきはない。
- 浅底の花形レンズフードが付属する。逆さ付け可能だ。
- 絞り羽根は7枚だ。
携帯性:
- 機能的ではないが、小型軽量なレンズである。
- ソニーは直径が12mm大きく、全長は24mmも長い。重量差は204gだ。これは意味のある違いである。
- ズーム操作で内筒が25mmほど伸びる。
操作性:
- 防塵防滴を含む素晴らしいビルドクオリティだが、機能は不足している。タムロンにある手ぶれ補正や、AF/MFスイッチ、ソニーにあるAFLボタンなどは無い。
- 10mm幅の狭いフォーカスリングは滑らかに回転する。軽度のトルクがあり、緩めだが問題は無い。
- 20mm幅のズームリングはとても滑らかに回転する。
オートフォーカス:
- シグマお馴染みのステッピングモーター駆動だ。
- 高速かつ静かで優れた精度で動作する。全体的に肯定的な評価である。
- 動画撮影でも同様に良好だ。
- フォーカスブリージングがほとんど見られない。
- 広角18mmと望遠50mmで最短撮影距離は異なる。最大撮影倍率は18mm時で、12.1cmの撮影距離でピント合わせが可能だ。ただし、ワーキングディスタンスはフード無しでも短すぎる。望遠端を使ったほうが遥かに便利だ。
- マクロ撮影時でも素晴らしい写真を撮影するのに十分なシャープネスとコントラストだ。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 残念ながら手ぶれ補正は搭載sいていない。
- α6400で手持ちの動画撮影を試みたが、手ぶれのために残念な結果となる。
- 小型軽量なので、ジンバルに搭載しやすいのは長所と言えるだろう。
解像性能:
- 昔のレンズは許容できるシャープネスを得るために絞る必要があった。しかし、このレンズはF2.8からシャープでコントラストも良好だ。
- 18mm F2.8の中央は優れたシャープネスとコントラストだ。隅の解像度は良好だが、コントラストは低下する。絞っても中央に改善は見られないが、隅には改善が見られる(ただし中央と同等にはならない)。F5.6まで絞るとフレーム全体で優れたディテールとコントラストになる。
- 24mmはさらに強力で、フレーム全体のコントラストとディテールが強化されている。ズームレンズでピークの性能だ。
- 35mmはコントラストが少し低下するので、改善するには絞る必要がある。
- 50mmは35mmよりも少しシャープだが、コントラストは24mmと同じではない。ただし、実写では問題無い。
像面湾曲:
- 最大撮影倍率時は像面湾曲が強い。もう少し引いて撮影倍率を小さくした方が良好な結果を得られる。
ボケ:
- ボケ描写は状況によって大きく変化する。場合によってボケは柔らかく素晴らしい描写だ。
- 小ボケの領域が多いと、ボケが少し騒がしく見える。ハイエンドレベルではないが、キットレンズよりも間違いなく優れている。
色収差:
- 倍率色収差に問題は見られない。
- 軸上色収差は極僅かだ。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 18mmは強い樽型歪曲である。手動で補正するには+21の補正値が必要だ。今のところ、このレンズのプロファイルは公開されていない。修正後は僅かに陣笠状の歪みが残るが、実質的には直線だ。
- 28mmでは穏やかな糸巻き型となる。補正値は-5だけでよい。
- 50mmでは少し目立つ糸巻き型だ。補正には-10必要だ。
- 歪曲収差はこのレンズで最も目立つ弱点である。これはここ最近のシグマズームレンズの傾向と同じだ。
周辺減光:
- 18mmの周辺減光は極端では無いが、補正に+54、2段分の増感が必要だ。
- 28mmの周辺減光は+48で補正できる。
- 50mmの周辺減光は+48で補正できる。
コマ収差:
- 天体写真でわずかなコマ収差を確認した。
- 天の川の写真は見栄えが良い。
逆光耐性:
- 光条は素晴らしい見た目だが、スペシャルではない。
- 逆光耐性はとても良好だ。最小限のゴーストしか発生しない。
総評
18-50mm F2.8 DC DNは人気のレンズになると思う。 コンパクトなズームレンズでありながら、質感が高く、F2.8という一定の絞り値を備え、光学性能は多少の歪曲を除いて非常に優れている。 ハイキングに持っていくのに苦労せず、フレーミングの自由度が高く、次々と面白い写真を撮ることが出来た。ドライブ中にシャッターチャンスに出くわしたときのために、車に積んでおきたいレンズである。
ジンバルやスライダーに装着して動画を撮影するのにも適したレンズだ。 また、キットレンズやソニーE 18-135mm OSSなどに比べて、開放F値が小さく、被写界深度の選択肢が広がる。発色もよく、今回のレビューで得られた結果には概ね満足している。
多くのフォトグラファーにとって、このレンズが最初のアップグレードであり、唯一のレンズになる可能性もあると思う。549ドルという手頃な価格は、1,000ドル以上のレンズを買う余裕がない多くの人にとって、手に届きやすいレンズだ。ここ最近、ソニーAPS-C機の更新が遅れていることを嘆いたが、タムロン、サムヤン、そして今回のシグマのサードパーティ製品のおかげで、今のところ2021年はAPS-C機にとって素晴らしい年になっている。シグマ18-50mm F2.8 DC DNのようなレンズがあれば、α6xxxシリーズのカメラをもう少し持っていてもいいかもしれない。
とのこと。
歪曲収差は目立つものの、それ以外の光学性能は良好で、小型軽量・手ごろな価格に仕上がっている模様。国内でもキャッシュバックキャンペーンやポイントバックなどを含めると、5万円ちょっとで購入することが可能となっています。キットレンズからアップグレードするには最適なレンズと言えそうですね。ただし、光学手ぶれ補正を搭載していないので、動画撮影で手ぶれを抑えるには三脚を使うか、ボディ内手ぶれ補正搭載カメラを使う必要がある点には注意が必要です。将来的にソニーAPS-Cの手ごろな価格設定のカメラにも手ぶれ補正が搭載されると良いですねえ。
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