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富士フイルム「XF8-16mm F2.8 R LM WR」とにかく高価だが優れた広角ズーム

Phototrendが富士フイルム「XF8-16mm F2.8 R LM WR」のレビューを公開。非常に高価で重いレンズですが、優れた光学性能とビルドクオリティを実現していると評価。動画にも適した特性を備えている模様。

Phototrend:TEST FUJINON XF 8-16 MM F/2,8 R LM WR : LE ZOOM ULTRA-GRAND-ANGLE PRO APS-C DE FUJIFILM

レンズの紹介:

  • 2018年に発表されたこのレンズは、富士フイルムXマウントにおける「F2.8ズームシステム」を完成させる最後のピースだ。既に「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」(2014年)、「XF16-55mmF2.8 R LM WR」(2015年)をリリースしている。
  • 1889ユーロの価格設定から、このレンズがプレミアムな位置づけであるのは明らかだ。
  • このレンズが登場するまで、広角ズームレンズは「XF10-24mmF4 R OIS」しか選択肢が無かった。
  • 広角側はフルサイズ換算で12mmに相当する非常に広い画角をカバーしている。
  • 13群20枚のレンズ構成には4枚の非球面レンズと6枚のEDレンズを使用した野心的な設計である。さらにナノGiコーティングによる優れた逆光耐性を実現している。

ビルドクオリティ:

  • 出目金の前玉を保護するレンズフードは固定式だ。
  • 金属と硬質プラスチックを組み合わせた防塵防滴仕様の外装は、高い品質と堅牢性を印象付けている。
  • 円形フィルターを装着することはできない。社外製の角形フィルターホルダーの追加投資を考慮しておくべきだろう。
  • ズーム操作により前玉は鏡筒内で前後に移動する。8mmで最も前方へ繰り出し、16mmで最も後方へ引っ込む。全長に変化は見られない。
  • レンズは日本製である。

携帯性:

  • 全長122mm、直径88mm、重量805gだ。サイズは10-24mm F4の2倍である。
  • X-T3との組み合わせではカメラをしっかりと握る必要がある。お散歩カメラとして設計されたレンズではないが、実際に使うと不快な組み合わせだ。
  • グリップサイズの大きいX-H1で使うと遥かに快適である。

操作性:

  • 目盛り付きの絞りリングは剛性が強く、誤操作しにくい。クリックレスモードには対応していない。
  • ズームリングも非常に良好な減衰性を示している。ストロークは短い。
  • このレンズにはAF/MFスイッチが無い。カメラ側での操作が必要だ。

オートフォーカス:

  • XF50-140mm F2.8にも使用しているリニアモーターを使用している。
  • 光環境に関わらず、完璧な応答性を示している。
  • 動画は静かだ。

マニュアルフォーカス:

  • 記載なし。

手ぶれ補正:

  • 高いビルドクオリティで唯一欠けているのが手ぶれ補正だ。
  • 手ぶれ補正非対応は残念だが、X-H1やX-T4、X-S10などボディ内手ぶれ補正モデルが登場しているため、デメリットは緩和している。

解像性能:

  • 一般的にズームレンジの端でパフォーマンスが低下するものだが、このレンズはほぼ変わらない。
  • 絞り開放から中央は非常にシャープだ。
  • 8mmの隅は少し甘くなるが、16mmの隅はより良好な結果を得ることが出来る。
  • 絞るとフレーム端の画質は改善するが、中央に追いつくことは無い。
  • F5.6?F8の絞りで全体的にピークの結果を得ることができる。
  • 回折はF11から始まるが、F16まで実用的な画質だ。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • 後ボケが大きくなるレンズではないが、実際にボケを作ってみると非常に滑らかな描写だ。

色収差:

  • 我々のテストで色収差の兆候は見られなかった。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 歪曲収差はボディで補正されている。RAWとJPEGは完璧な補正状態だ。

周辺減光:

  • 出目金レンズは周辺減光が良好な傾向となる場合が多く、このレンズも例外ではない。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 出目金レンズは逆光に弱い傾向があり、このレンズも例外ではない。
  • 光源が中央または隅にある場合はフレアを良く抑えている。しかし、フレーム外にある光源では小さなゴーストが発生する。これを予測してフレーミングするのは難しい。

備考:

  • 他の選択肢は「XF10-24mmF4 R OIS WR」のみだ。F4ズームとしては比較的高価だが、円形フィルターに対応し、防塵防滴仕様で光学手ぶれ補正にも対応している。さらに重量は400g未満と一般受けしやすいサイズである。
  • このレンズは1889ユーロと非常に高価だ。ビルドクオリティと光学性能は一級品だが、複雑なレンズ設計は重量を重くし、サイズも大きい。ストリートや旅行での使用は制限されると思う。
  • 10-24mm F4よりも全体的にシャープで、風景写真かにとって魅力的な選択肢となるだろう。そしてF2.8の絞り値は天体写真に適している。ただし、円形フィルターが使えない点には注意が必要だ。
  • F2.8固定のズームレンズであり、全長が変化しないことから、スタビライザー搭載の動画撮影に適している。フォーカスブリージングがほとんど見られないことも強みとなるだろう。

総評

ケチのつけようがないビルドクオリティと光学性能を備えたレンズだ。ただし、10-24mm F4ほどの汎用性は無く、レンズは大きく重い。しかし、Xマウント用広角ズームとしては優れた光学設計とF2.8の明るい絞り値はニッチな需要に刺さると思う。APS-C用レンズとしては非常に高価で重いレンズだが、一部のフォトグラファーはこのレンズのクオリティを高く評価するだろう。

  • 長所
    ・F2.8
    ・非常に良好なシャープネス
    ・防塵防滴
    ・美しい外観
    ・優れた操作性
    ・ボケ
  • 短所
    ・価格
    ・価格
    ・重量
    ・手ぶれ補正非対応
    ・出目金レンズ
    ・価格

とのこと。
富士フイルムXマウントでは貴重なF2.8広角ズームレンズですね。非常に高価で非常に大きく重いレンズですが、優れた光学性能とビルドクオリティを備えている模様。フォーカスブリージングが目立たず、開放F値固定、実質的にインナーズームである特性がスタビライザー搭載に適しているのは面白いですね。システムサイズは大きいものの、重量をカバーできるスタビライザーであれば面白い使い勝手となるかもしれません。

出目金レンズらしく、逆光耐性で気になる部分があるものの、この形状のレンズとしては良好にフレアとゴーストを抑えているように見えます。他のレビューサイトでも逆光耐性についての評価は悪くありませんん。

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