Camera Labsがシグマ「18-50mm F2.8 DC DN」のレビューを公開。手ぶれ補正非搭載以外は優れたレンズと評価しており、「16-50mmキットズームに絶望している人にとって救いの手が差し伸べられた」と言及しています。
Camera Labs:Sigma 18-50mm f2.8 DC DN review
レンズの紹介:
- 2021年10月に599ドルで正式発表した非常にリーズナブルなズームレンズだ。
- ソニー「E 16-55mm F2.8 G」はズームレンジがわずかに広いが、より大きく重く、1399ドルと遥かに高価だ。
- タムロン「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD」はさらにズームレンジが広く、必然的にシグマよりも重くて長い。ただし、光学手ぶれ補正を搭載している。価格は799ドルと高価だ。
ビルドクオリティ:
- 防塵防滴はレンズマウント部分だが、それでもソニーAPS-C用のキットズームと比べるとアップグレードポイントだ。
- 18mmの画角はキットズーム「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」の16mmと比べると狭い。
携帯性:
- φ60×70mmとコンパクトで快適だ。
- 重量はわずか288gである。これはソニーの約半分だ。
- フィルター径は55mmでタムロンよりも小さい。
- 小型軽量だが「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」ほどではない。
操作性:
- コントロールはズームリングとフォーカスリングのみである。
- 動画撮影時のズームリング操作は滑らかだ。とは言え、電動ズームでは無いので、一貫性のあるズーム操作は電動ズームに劣る。
オートフォーカス:
- α6400との組み合わせでAF-S・AF-Cどちらも非常に高速だ。
- フォーカス速度だけで言えばキットズームも負けていない。
- フォーカスブリージングはほとんど発生していない。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正を搭載していない。
- センサーシフト式の手ぶれ補正を搭載していないカメラと組み合わせると、手持ちでの動画撮影が難しい。
解像性能:
- 18mmは被写界深度を深める以外に絞りを使う意味がない。それほどF2.8からシャープである。隅でもパフォーマンスは維持されている。
- 35mmも絞り開放から素晴らしいシャープネスだ。コントラストの高い部分のフリンジが見られ、絞るとコントラストが改善する。それでもF2.8の結果は満足のいくものだ。隅のパフォーマンスも絞り開放から良好だ。周辺はヴィネッティング(周辺減光)を改善する以外に得られるものがほとんど無い。
- 50mmも中央はF2.8から十分なディテールと高いコントラストを得ることが出来る。全く問題のない画質だ。隅もシャープネスを維持しており、絞ってもコントラストが僅かに向上するだけだ。最良の結果はF5.6~F8だが、F2.8でも見栄えは良い。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 大口径の単焦点レンズほどではないが、一般的なキットズームレンズよりも良好だ。
- 最短撮影距離が短いのでボケを大きくすることができる。
- 玉ボケの縁取りは僅かで、内側の描写はマイルドだ。ソニーのキットレンズは玉ねぎボケが目立つ。
色収差:
- 記載なし。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 多くの広角レンズと同じく18mmの広角端は歪曲収差が強い。
- 幸いにもレンズ補正を適用可能だ。その際のトリミングは穏やかである。
- ズームレンジ中間以降で問題とはならない。
周辺減光:
- 記載なし。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 記載なし。
総評
シグマ「18-50mm F2.8 DC DN」は、多くのAPS-Cミラーレスユーザーが待ち望んでいたズームレンズだ。ズームレンジはごく一般的なものだが、F2.8固定の開放絞り値、隅々までシャープな描写など、キットズームからステップアップできるレンズに仕上がっている。しかも予算や腰に負担をかけないことが重要だ。
唯一の欠点は、光学式手ぶれ補正機能がないことで、ボディ内手ぶれ補正を搭載していない多くのAPS-Cボディのユーザーにとっては不満な点となるだろう。また、18mmではなく16mmからスタートしていれば、より魅力的なズームレンジになっていたと思う。ソニーとタムロンは、より広いレンジを実現しているが、より大きく、より重く、そしてより高価なレンズである。
599ドルという価格を見れば、シグマの欠点を指摘するのは無理がある、もう一つ言えば、キヤノンEF-Mマウント用を発表しなかったことは非常に残念だ。とは言え、ソニーEマウントユーザーで16-50mmキットズームに絶望している人にとって救いの手が差し伸べられたのは事実である。
とのこと。
歪曲収差は補正前提ではあるものの、全体的に良好な光学性能を発揮しているみたいですね。小型軽量、そして低価格な大口径ズームレンズとしてはコストパフォーマンスが高い。他のレビューサイトを含めて、特に解像性能は均質性が高く、とても良好な結果を得られるように見えます。悩ましいのはボディ内手ぶれ補正が「α6500」「α6600」しか対応していないことでしょうか?将来的に、富士フイルムのよるにミドルクラスのカメラにも手ぶれ補正が搭載されると良いですねえ。
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