Dustin Abbottがシグマ「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」のレビューを公開。重い周辺減光には注意が必要ですが、絞り開放から優れた光学性能を備え、素晴らしいビルドクオリティのレンズと評価しています。
外装・性能の両面でプレミアムなレンズ
Dustin Abbott:Sigma 24mm F3.5 DN Review
レンズの紹介:
- 2019年に登場した「45mm F2.8 DG DN」の作りはお気に入りだ。しかし、他のシグマレンズと比べて完全に異なるデザインだったので少し奇妙に感じていた。
- この奇妙な印象は2020年にシグマが「Iシリーズ」を発表したことで腑に落ちた。
- このレンズは「Iシリーズ」4本目となる。コンパクトでα7Cとの相性が良い。
- ズームレンズよりも暗いF値を採用する単焦点レンズは最近では珍しい。
- 臨床的な光学性能ではなく、ハイクオリティな描写と優れたシャープネスのバランスをうまくとっている。いくらか補正されているが、個性的なレンズである。
- 45mm F2.8 DG DNは光学的に少し残念な部分があったので、このレンズには良い意味で驚かされた。コンパクトながらパンチのあるレンズだ。
ビルドクオリティ:
- 「Iシリーズ」のビルドクオリティは個人的にストライクだ。総金属製の構造と細部へのこだわり、そして美しいハンドリングは大好きだ。
- フィルター径は55mmである。小さいが一般的なフィルターサイズだ。
- タムロンは最新レンズのフィルターサイズを67mmで統一している。フィルターの使い回しには最適だが、レンズ設計上でいくつか欠点がある。シグマは光学設計にフィルターサイズを合わせており、「Iシリーズ」でフィルターサイズは3種類ある。どちらも長所と短所があるものだ。
- 奇妙なことに「Contemporaryライン」の下に「Iシリーズ」が配置されている。通常Contemporaryラインと言えば最低限のビルドクオリティだ。Sportsラインが最も堅牢で、Artラインが中間に位置する。しかし、「Iシリーズ」のビルドクオリティはSportsラインと同じくらい優れている。
- 総金属製の筐体に加えて、レンズフードまで金属製だ。本体とフードの作りに差が無く、一体感のあるデザインは素晴らしい。
- マグネット式レンズキャップが付属する。しかし、フードを装着したままでは脱着が難しい。万人受けするアクセサリーではないが、シグマが選択肢を用意してくれた事実は評価すべきである。
- 全体的な防塵防滴仕様では無いが、マウント部にシーリングが施されている。
- 絞り羽根は7枚だ。円形絞りのため、絞った際にボケを円形に保ちやすい。
- 本質的にはAFに対応したZeiss Loxiaレンズのようだ。
携帯性:
- 直径64mm、全長50.8mmと非常にコンパクトだが、密度が高く、重量は230gである。
- ソニーEマウント用24mm F1.4 DG HSMが768gであることを考えると、重量は約半分だ。
- 24-70mm F2.8 DG DNは835gのため、携帯性を優先する場合は24mm F3.5を選ぶのもアリだ。
操作性:
- 多くのDG DNシリーズと同じく絞りリングを搭載している。Aポジションに設定することでカメラ側での操作も可能だ。
- 絞りリングは非常に正確で明瞭な動作で操作できる。静止画において、絞りリングの必要性には疑問を持つ人もいるだろうが、個人的には必要だと思っている。
- 多くのミラーレス用レンズでは省略されるAF/MFスイッチを搭載している。ただし、35mm F2や65mm F2と異なり、従来通りの方向で動作する。操作するには少し窮屈だ。特に手袋を装着しているとさらに難しくなる。
- 電子制御式のフォーカスリングは良好な感触だ。
オートフォーカス:
- 高速で静かなステッピングモーター駆動を採用している。
- 動画撮影中の駆動音やブリージングは発生するが、正確で滑らかに動作する。
- ハンチングはほとんど発生しない。
- フォーカスブリージングは最小限に抑えられているので問題とならない。
- 最短撮影距離は普通のレンズよりも短いが、フォーカス速度は一般的な撮影条件では良好である。
- 少し苦労するのは低照度時だ。明るいレンズでは無いので、暗い場所では不利となる。最近のカメラは良好に動作するが、非常に薄暗い環境では少しハンチングするかもしれない。
- 瞳AFは正常に動作する。とは言え、被写界深度が深いのであまり必要ではない。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
マクロ:
- 信じられない程撮影倍率が高い(0.5倍)のはこのレンズの強みである。
- 撮影倍率は明らかに高いが、像面湾曲が目立つので用途は制限される。
解像性能:
- フレーム全体でコントラストと解像度は優れている。
- 絞り開放からほぼ完璧なパフォーマンスだ。
- 24-70mm F2.8のパフォーマンスとほとんど同じだが、コンパクトサイズのレンズで高いシャープネスとコントラストが見られるのは印象的だった。
- 実写でも全体的にシャープネスは強力だ。
- F4まで絞るとコントラストが向上し、F5.6まで絞ると素晴らしいディテールとコントラストを得ることが出来る。
- F22まで絞ると回折でコントラストが低下する。どうしても必要な場合を除いておススメ出来ない。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 作例のみ。
色収差:
- 倍率色収差の痕跡はみられない。
- 実写で軸上色収差が発生することは無かった。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 驚くべきことに糸巻き型だ。これは広角レンズとしては珍しい。
- Lightroomのスライダーで「-6」の修正でとても良好に補正できる(完璧ではない)。
周辺減光:
- 周辺減光は非常に目立つ。3?3.5EV程度だ。
- F3.5でこのような周辺減光は驚くべきことだが、レンズサイズを考慮すると驚くべきことではない。
- Lightroomで補正するには「+80」が必要だった。
コマ収差:
- コマ収差の補正は優れている。点光源の変形はほとんど見られない。
逆光耐性:
- 逆光耐性は良好だ。ゴーストは最小限に抑えられ、コントラストが低下することは無かった。
総評
シグマ 24mm F3.5 DNは、私の期待をはるかに超えていた。 多くのフォトグラファーと同様、私も大口径のレンズのほうが好みだが、これは多くのフォトグラファーが実際に求めているレンズでもある。 多くの場合、コンパクトで小口径のレンズは、"お手頃レンズ "として認識されているが、このレンズには当てはまらない。ビルドとパフォーマンス両面でプレミアムなレンズだ。
しかし同時に、万人受けするレンズでも無いだろう。 この焦点距離をカバーするズームレンズよりも口径が小さく、549ドルという価格の単焦点レンズが人気となることは無いだろう。 ソニー「FE 20mm F1.8 G」は併せて検討せざるを得ない。比較して大きいが、まだかなりコンパクトで、光学的に驚くほど良好だ。そして、わずか250ドル強の差額で購入可能である。
(訳注:FE20mm F1.8 Gは海外で898ドルです)24mm F3.5 DNを取り巻く議論の大部分は、絞りや価格のいずれかになると思う。レンズそのものは美しいビルドと高速で滑らかなオートフォーカスを備え、非常に強力な光学性能である。さらに非常に高い撮影倍率も検討する上で手助けとなるだろう。 このレンズを購入した人は、このレンズを気に入ることだろう。ライカユーザーとも相性が良さそうだ。 24mmが好きな人は、シグマ24mm F3.5 DNはいい選択だと思う。
- 長所:
・美しく機能的なレンズ
・いくらか耐候性がある
・滑らかで静かな動画AF
・高い撮影倍率
・優れた逆光耐性
・色収差の補正
・コマ収差の補正
・開放から全体的に優れたシャープネスとコントラスト
・小型- 短所:
・重い周辺減光
・F3.5
・やや高価
とのこと。
小型軽量ながら高性能・高機能な広角レンズに仕上がっているみたいですね。24mm F3.5のスペックを考慮すると少し高価ですが、総金属製の外装や立派な光学性能を考慮すると妥当な値付けと言えそうです。
私もα7Cと組み合わせて使っており、大部分は似たような印象です。開放からシャープで、色収差が少なく、糸巻き型歪曲には戸惑うものの、AFは軽快、そして小型軽量で使い勝手は良好。逆光時は絞るとゴーストが出やすいようにも見えますが、Dustin Abbott氏は肯定的な評価となっています。
今回のレビューで言及していない点として、ボケの柔らかさがあります。接写時は球面収差が大きくなり、ピント面から遠側に向けて滲むようなボケを得ることが出来ます。傾向としては45mm F2.8 DG DNと同じで、画角が広いぶん柔らかいボケの恩恵が大きい。0.5倍の撮影倍率を活かせばふんわりドリーミーなボケを楽しむことも出来ます。
「24mm F3.5」のスペックは万人向けとは言えませんが、コンパクトな24mmを探しているのであれば第一候補におススメしたいレンズです。
シグマ「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」交換レンズデータベース
24mm F3.5 DG DN Leica L | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
ソフマップ | e-BEST | ノジマ | PayPay |
ビックカメラ | ヤマダ | PREMOA | |
24mm F3.5 DG DN Sony E | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
ソフマップ | e-BEST | ノジマ | PayPay |
ビックカメラ | ヤマダ | PREMOA |
サイト案内情報
Facebookで最新情報やカメラ・レンズのレビューを発信しています。
「いいね!」を押すとFacebookの最新情報が届きます。