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28-75mm F/2.8 Di III VXD G2は前モデルと同じ価格で全てが改善している

Dustin Abbotがタムロン「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」のレビューを公開。前モデルA036と同程度の価格で、ビルド・光学性能・駆動系の全てが大幅に改善していると高く評価しています。

Dustin Abbott:Tamron 28-75mm F2.8 Di III VXD G2 (A063) Review

レンズの紹介:

  • 前モデル(A036)登場時に競合するレンズは「FE 24-70mm F2.8 GM」のみで、A036は手ごろな価格と小型軽量なレンズサイズ、そして多くの点でGMにとても近いパフォーマンスを発揮したので好評を博した。
  • タムロンはA036の後継モデルとしてこのレンズを投入した。ビルドクオリティ・機能・光学系・AFを改善し、さらに撮影倍率も向上している。

ビルドクオリティ:

  • 基本的にA036の高級版ような外観だ。外装はより光沢を帯び、指紋やスレに強い、新しい仕上がりを採用。プラスチッキーな印象が薄くなっている。
  • 防塵防滴仕様に対応しており、レンズマウントをはじめ8点のシーリングが施されている。さらに前玉はフッ素コーティング処理されている。

携帯性:

  • レンズサイズはA036とよく似ている。
  • 2本のシグマ製レンズ「28-70mm F2.8」「24-70mm F2.8」のちょうど中間に位置するようなサイズである。
  • 小型軽量を重視するならシグマだが、色々と不足していると感じたらタムロンのほうが良い。
  • 驚いたことに、75mmまでズームした際の内筒がA036よりも7mm短くなっている。

操作性:

  • フォーカスリングはA036よりも遥かに優れた感触だ。回転動作もより良好となっている。
  • ズームリングの操作にも違いが見られる。心地よい感触で、より正確な操作が可能だ。
  • AFLボタンとセットで機能するUSB-Cポートを搭載。タムロンの新しいソフトウェア「タムロンレンズユーティリティ」でパソコンと接続することでファームウェアアップデートやレンズのカスタマイズが可能だ。
  • AFLボタンをカスタマイズでAF/MFスイッチのように使用したり、フォーカスリングを絞りリングとして使える機能を利用可能である。
  • その他にもフォーカスリングの回転方向やストローク長、リニア・非リニア操作などを設定することが可能だ。

オートフォーカス:

  • フォーカス駆動にVXDを採用しており、RXDと比べて2倍のフォーカス速度が得られると言われている。
  • 低照度でのAFも申し分ない。非常に強い逆光環境でも良好だ。
  • 動画撮影でA036との違いは気が付かなかった。
  • 最短撮影距離は広角端で少し改善し、望遠端で少し悪化している。
  • 否定的なポイントは何もないが、ソニー側のボディによっては連写速度に制限がある。α9やα1使用時に連写速度の最大値が低下してしまう。

マニュアルフォーカス:

  • 記載なし。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • 最短撮影距離での撮影でコントラストが大幅に改善している。
  • α1の5000万画素でテストした。
  • 28mmはF2.8から全体的に完璧だ。隅の画質低下はごくわずかで、全体的にシャープである。絞っても改善幅はわずかだ。
  • 35mmは中央がとても良好だが、隅は良好止まりである。ただし、絞ると隅がよりシャープになる。
  • 50mmの結果は35mmと同じだ。
  • 75mmは再びフレーム全体で素晴らしい結果を得ることが出来る。
  • 全体的に見て、コントラストが改善されているように見える。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ・色:

  • ボケが少し改善している。玉ねぎボケの兆候はほとんど見られず、より滑らかな描写だ。
  • 絞り羽根はF5.6まで円形を維持している。
  • 肌の色がA036よりもニュートラル寄りとなっている。

色収差:

  • 倍率色収差は見られない。
  • 条件によって軸上色収差が発生しているように見える。極端では無いが、完全に抑えられているわけでは無い。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 広角側の歪曲収差は+6で補正可能だ。
  • 50mmは糸巻き型に変化する。
  • 望遠側は糸巻き型だ。50mmと同じく-8%で補正可能である。

周辺減光:

  • 広角側で+55の補正値が必要だ。
  • 50mmでは特に影響は見られない。

コマ収差:

  • コマ収差の補正状態は良好だ。

逆光耐性:

  • 一般的に逆光耐性は良好だ。
  • 絞ると光条は良好に見える。

作例集

総評

タムロン28-75mm F2.8 Di III VXD G2は、本質的にはファンサービスだ。 オリジナルのA036を商業的に大成功させた消費者に報いるため、タムロンは基本的に同じ価格(899米ドル)のままでこのレンズを大幅にアップグレードしてくれた。ビルドクオリティ、機能、オートフォーカス、光学系など、すべてが改善されている。 A063は、すべてのカテゴリにおいてプロ仕様のレンズとなっている。G Masterほど機能的ではないが、遠い存在ではないはずだ。

24mmに対応していないことがネックになっている人もいるかもしれない。しかし、28mm始まりで許容できるのであれば、 シグマ28-70mm F2.8 DNと比べても、はるかに優れたレンズだ。このレンズの描写には "魔法 "のようなものがあり、それは特別なものに感じられる。

新レンズは、手に持ったときの感触がとても良い。 より高級感がありながら、さらに軽く、より充実している。これは新しい造形、優れたリングコントロール、より美しい仕上がりが大きく関係している。 さらに、彩度・シャープネス・コントラストに優れた光学系が加わり、大成功を収めている。
現在、A036とA063は20ドルの価格差で販売されている。タムロンはA036を低価格帯に移行させるかもしれないが、私はフェードアウトするのではないかと考えてる。

A036を購入した多くの人々にとって、売ってアップグレードするのか、それとも今のままで満足するのか悩むと思う。しかし、A063の優れた性能を見れば、後者の選択は非常に難しいものになるだろう。

  • 長所
    ・大幅に改善したビルドクオリティ
    ・USB-CポートとAFLボタン
    ・フッ素コーティング
    ・外装の新しい仕上がり
    ・VXDモーター駆動のAF
    ・ズーム全域で強力な光学性能
    ・並外れたコントラスト
    ・色収差の良好な補正
    ・高い撮影倍率
    ・見栄えの良いボケ
    ・価格が抑えられている
  • 短所
    ・28mm始まり
    ・極端な状況での色収差

とのこと。
Dustin Abbot氏は前モデルA036ユーザーですが、最新モデルA063を高く評価しているみたいですね。これと言った欠点が無く、A036と比べて全体的に大幅な改善が見られる模様。大口径ズームレンズでこれほどべた褒めするのは久しぶりですね。作例を見る限り、確かにシャープでボケも綺麗な標準大口径ズームに見えます。特にA036と比べてボケが綺麗になっているのが印象的。

私もα7R IVと組み合わせて使用中(以前はα7 III+28-75mm F2.8 RXDを使用していました)。確かに周辺部の解像性能が改善し、ボケが綺麗になり、フォーカスリングなどの操作性が向上していると感じています。ただし、接写時はDustin Abbot氏ほど評価が高くなく、周辺解像の落ち込みが目立ちます。絞った際の伸びしろはシグマのほうが良好でした。
シグマのレンズと比べて劇的な差は無いと思いますが、少なくとも見劣りする印象は全くありません。シグマは望遠側の絞り開放で少し軸上色収差が発生する傾向があるので、気になるのであればA063を検討するのが良いかも。また、AF-C時の超高速AFやAFLボタン・USB-Cポート経由のカスタマイズなどに魅力を感じるのであれば、A063がおススメ。

携帯性を重視するのであればシグマ28-70mm F2.8 DG DNに分があります。細部のコントラストが僅かにタムロンに劣る場合もありますが(特に望遠側)、収納性・携帯性は頭一つ抜きんでている印象あり。

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