Sony Alpha Blogがタムロン「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」のレビューを公開。旧モデルから大幅に改善しており、一貫性のあるシャープネスや滑らかなボケを評価しています。競合モデルとは一長一短の模様。
Sony Alpha Blog:Tamron 28-75mm F2.8 Di III VXD G2 A063
レンズの紹介:
- 28-75mm F2.8 Di III RXDの新モデルだ。主な変更点は以下の通りである。
・シャープネスとボケを改善する光学設計
・70-180mm F2.8 VXDと同じリニアモーター駆動
・新しいエルゴノミクスとビルドクオリティビルドクオリティ:
- ビルドクオリティは大幅に改善しており、シグマDG DNシリーズに近いものとなった。
- レンズフードはプラスチック製だ。
- 鏡筒は防塵防滴仕様である。
携帯性:
- 従来よりも10g軽くなっているが、レンズは少し長く、少し大きくなっている。
- フィルター径は67mmを維持している。
- ソニー「FE 24-70mm F2.8 GM」と比べると遥かに軽量でコンパクトだ。
操作性:
- フォーカスホールドボタンが追加され、さらにUSB-Cポート経由でレンズのファームウェアアップデートやカスタマイズが可能となっている。
- AF/MFスイッチはまだない。
- 幅広いズームリングは操作が簡単だ。
- 3系統のカスタムモードスイッチを搭載している。このスイッチを切り替えることでAFLボタンの役割を変更することが可能だ。
・カメラ側のカスタマイズ
・AFLボタンを押すことで絞りリングとして機能
・フォーカスプリセット
・A-Bフォーカス- フォーカスリングをカスタマイズ可能だ。
・リニア/非リニア
・リニア時のストロークを90度?360度
・回転速度のレスポンスオートフォーカス:
- 静止画・動画どちらでも非常に高速だ。連写時も完全に機能する。
- AFは前モデルよりも遥かに高速だ。
- 瞳AFは完全に機能する。
- フォーカスブリージングは目立たない。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- α7R IVでテストした。
- 中央から隅まで非常に一貫した性能だ。F4まで絞るとズーム全域で優れた中央解像を発揮する。
- 中間域40mm?50mmはF2.8から優れた性能を発揮する。
- ポートレートの撮影距離で中間域はF2.8から優れた性能だ。広角端と望遠端は「非常に良好」であり、F4まで絞ると優れた性能となる。4200万画素以下であれば絞り開放から優れた性能となるだろう。
- F5.6~F8を使用する遠景だと、ズーム全域でフレーム全体がほとんど優れている。28mmは隅で絞り値による改善が大きいが、それ以外はほとんど改善しない。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 玉ボケは中央が良好だが、周辺では口径食の影響が見られる。絞ると9枚羽根の絞りの形状が現れる。
- 後ボケはとても良好だ。40~75mmでとても柔らかく、騒がしい背景でもソフトな描写になる。28mmの後ボケは少し騒がしい。
- 発色はとても良好だ。
色収差:
- とても少ないが、状況によっては発生する。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 28mmと35mmで強い樽型だ。
- 50mmと75mmで強い糸巻き型となる。
周辺減光:
- ズーム全域で目立つ。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光耐性は平凡だ。
- F16まで絞ると素敵な光条が発生する。
競合レンズ比較:
- タムロンとシグマ2本と比較する。
ソニーGMは遥かに高価で、シグマよりもシャープではない。- タムロンG2のスペックはG1と似ている。
- 最も小型軽量なレンズはシグマの「28-70mm F2.8 DG DN」だ。
- G2のビルドクオリティはG1よりも遥かに良好だ。シグマ28-70mmと同等である。
- シグマ28-70mmにはないAFLボタンを搭載しているが、AF/MFスイッチは無い。
- シグマ「24-70mm F2.8 DG DN」はレンズサイズが遥かに大きいが、24mmに対応し、絞り羽根は11枚もある。
- G2のAFはG1よりも遥かに効果的でシグマと同等だ。
- シャープネスはG1よりも遥かに一貫性のある優れた性能だ。中央はシグマ28-70mmのほうが良好だが、隅の性能はタムロンが有利だ。シグマ24-70mmは望遠側が全体的に少し良好である。明確な勝者は存在せず、何を優先するかで選択肢が変わる。
- シグマ2本は最高の玉ボケだ。ついでタムロンG2が続く。G1はかなり騒がしい。
- 後ボケもシグマが良好だ。タムロンG2も28mm以外はとても良好である。G1は比較してかなり騒がしい。
- 発色はどのレンズも良好だ。
- 色収差はタムロンG2とシグマ28-70mmが良好だ。
- 逆光耐性はタムロンG2とシグマ28-70mmが良好だ。
タムロンG2は一貫性のあるシャープネスや色収差を優先する風景・建築物などを撮影する場合に適している。フォーカスリングを絞りリングとして使うことが出来るのも便利だ。
シグマ28-70mmは良好な中央シャープネスと苗mらかなボケでポートレートに適した選択肢となる。総評
旧モデルから大きく改善したレンズだ。フレーム全体の優れたシャープネスを実現し、ボケが綺麗になり、AF速度が遥かに高速化している。操作性や機能性が向上し、ビルドクオリティも良好である。強くおススメできるレンズである。
- 長所:
・6100万画素でも絞り開放から非常に良好なシャープネス
・4200万画素なら絞り開放から優れたしゃーぷねす
・滑らかな後ボケ
・とても良好なコントラスト
・良好な玉ボケ
・とても良好な発色
・優れたAF
・小型軽量
・とても良好なビルドクオリティ
・とても良好なエルゴノミクス
・大部分の状況で低色収差
・競合レンズよりは良好な逆光耐性
・フォーカスブリージングは目立たない
・フォーカスリングで絞り操作が可能
・レンズのカスタマイズが可能- 平凡:
・価格
・歪曲と周辺減光はレンズ補正が必要
・口径食の影響あり
・28mmで目立つフレアが発生する
・28mmのボケが騒がしい- 短所:
・なし
とのこと。
従来モデルと比べて、特に周辺部が改善しているみたいですね。風景撮影など、パンフォーカスの撮影により適した選択肢と言えそうです。さらにボケ質も良くなり、シグマの競合レンズ2本と肩を並べることが出来るパフォーマンスに仕上がっている模様。作例を見る限り、確かにボケは滑らかで、旧モデルような騒がしさは無いように見えます。
オートフォーカスもVXD駆動を導入して高速化、そしてフォーカスブリージングも良く抑えているとのこと。価格とサイズを抑えて、全体的に使いやすくなっているのはありがたいですねえ。
私もα7R IVと組み合わせて使用しており、旧モデルから色々と改善していると感じています。AF-S時のぎこちなさは相変わらずですが、AF-Cは見違えるように高速化。解像性能は特に周辺部が良くなっており、特にこれと言った弱点は無いように見えます。シグマ2本の存在が悩ましいですが、小型軽量を重視するのであれば「28-70mm F2.8 DG DN」、24mmや望遠側の画質を重視するなら「24-70mm F2.8 DG DN」、バランスを取るならこのレンズと言ったところでしょうか。
今から「28-75mm F/2.8 Di III RXD」の新品に手を出すのはあまりおススメしません。(展示品・中古でかなり安く手に入るのであればアリかもしれませんが)
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