遥かに小さく、軽く、安い、新しい選択肢
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CAMERA LABSがタムロンのソニーEマウント用交換レンズ「70-180mm F/2.8 Di III VXD」のレビューを公開。ソニーGMと僅差の光学性能で、部分的に上回っている箇所もあるみたいですね。ただし機能性は低い模様。
外観・操作性
- ソニーEマウント用のフルサイズ対応望遠ズームレンズだ。「17-28mm F/2.8 Di III RXD」「28-75mm F/2.8 Di III RXD」と組み合わせてF2.8ズームシステムが成り立っている。
- ソニーより遥かに小型なレンズだ。ズームで内筒が伸びるものの、それでもソニーより短い。
- 重量はソニーの半分程度だ。
- レンズ構成はソニーよりも少しシンプルだ。どちらフッ素コーティングが施されている。
- タムロンDi IIIはテレコンバージョンレンズに対応していない。ソニーは×1.4・×2.0のテレコンバージョンレンズに対応している。
- フィルター径はソニーより小さく、タムロンDi IIIシリーズで統一されている。これは非常に便利だ。
- 光学手ぶれ補正は搭載していない。このためボディ内手ぶれ補正に依存している。
- オートフォーカスはソニーのようにリニアな操作性では無く、回転速度に応じたピント移動距離となっている。これをリニアな操作性にすることは出来ない。特に動画撮影で滑らかなピント操作をする際に不便と感じる。
- レンズにはボディ内レンズ補正を適用できるレンズプロファイルが組み込まれている。
- オートフォーカスの正確性はとても良好だ。40コマのテストショットでミスは一つもない。フォーカス速度は0.8秒でソニーの0.7秒より少し遅い。
- ズームリングはソニーと同じ方向で65度回転する。表面はゴム製で中程度の抵抗量で動作するため指一本で操作するのは難しい。
- ピント距離が短いほど画角が広くなることに気が付くはずだ。180mmの無限遠と1.88mでは4%ほど倍率が変化する。ただし、これは11%も変化するソニーGMと比べると遥かに小さい効果だ。
- ズーム操作時のピント距離は一定に保たれている。
- α7 IIと組み合わせて手ぶれ補正をテストしてみたところ…
・2段分の補正効果で100%の成功率だ
・3段分では17/20まで成功率が低下した
・4段分で50%ほどがミスショットとなる
・5段分で20-25%ほどまで低下する
・面白いことにOSS内蔵のソニーGMでも似たような補正効果である画質
- 軸上色収差はほとんど見られない。実写でも非常に良好だ。ソニーGMより色ずれが少ない。
- ズームレンジ全域でとてもシャープな描写だ。70mmと180mmの四隅で僅かにパフォーマンスが低下する。
- 近距離解像
・70mmで僅かな像面湾曲の傾向が見られる。
・70mmは中央周辺がソニーよりも良好だ。ソニーは四隅がくなっている。タムロンG2も四隅までシャープだがコントラストが低い。
・105mmは四隅でソニーが追い付くものの、中央はタムロンがシャープだ。タムロンG2も競争力があるように見えるが他2つより少しソフトだ。
・150mmは全体的にソニーが少しシャープだ。
・180mmはソニー200mmより少しソフトだが、タムロンG2より明らかにシャープで高コントラストだ。- 遠景解像
・近距離と同じくとても良好だ。やはり70mmと180mmで僅かな低下が見られる。
・70mmはソニーGMと比べてAPS-C/四隅で少しシャープだ。しかし、中央は少しソフトに見える。
・105mmは中央が少しソフトだが、四隅はソニーと同等だ。
・150mmはソニーGMが中央で少し良好だが、それ以外はタムロンと同等だ。
・180mmはソニーGMが絞り開放で明らかにリードしており、四隅もシャープに見える。
・遠景でも良好なパフォーマンスだ。特に広角側はソニーに近いか、より優れた結果となる。望遠側はソニーがリードするものの、大差では無い。- 周辺減光は望遠側の四隅で最も目立つ。
- 歪曲収差は70mmで樽型、180mmで目立つ糸巻き型歪曲となる。RAW現像時にはレンズプロファイルを適用する必要があるので注意が必要だ。
- コマ収差補正に問題は見られない。
- ソニーと比べてボケで最も大きな違いはボケ量だ。焦点距離が20mm短いのでボケは10%小さくなる。どちらもマイルドな玉ねぎボケで縁取りは無視できる。口径食は同程度だ。
- 前後ボケの傾向はソニーとよく似ている。ソニーで200mmを使うとより良好なボケを得ることが可能だ。前景はソニーより少し滑らかな描写だ。また、ソニーは軸上色収差の影響がある。
- 70mm接写時は中央画質は良好だが、APS-Cでソフトとなり、周辺部は悲惨な結果だ。四隅にピントを合わせても結果は同じとなるので像面湾曲の影響ではない。
- 180mm接写時は遥かに良好な結果を得ることが出来る。
- 逆光耐性はAPS-C領域内に強い光源があるとコントラストが明らかに低下する。
- FE 70-200mm F2.8 GM OSSとの比較
タムロンと比べて、光学手ぶれ補正・三脚座・フォーカスリミッター・フォーカスホールドボタン・テレコンバージョンレンズに対応しているプロ向け望遠ズームだ。
タムロンは価格半値で実現しているが、多くの機能を省略している。画質は僅差で特に広角側の四隅はソニーより優れている。ソニー「FE 70-200mm F2.8 GM OSS」より遥かに小さく、軽く、安く、柔らかいボケを含めて優れた画質と非常に使いやすい接写性能を実現している。ソニープロズームほど機能性を備えているわけでは無いが、最大の欠点はテレコン非対応なことだ。しかしそれでも明らかにおススメできるレンズだ。
長所:小型軽量・F2.8・とても良好な解像性能・軸上色収差がほとんど無い・良好なボケ・180mmの接写性能・周辺減光が小さい・歪曲収差が最小限(プロファイル込)・簡易防滴・フッ素コーティング・ボディ側で3段分の補正効果・信頼性の高いAF・低価格
短所:テレコン非対応・三脚座非対応・薄明りでのコントラスト・180mm・フォーカス速度は最も速いと良かった
とのこと。
ソニーGMの半値ながら光学性能は非常に優れているみたいですね。機能性をかなり削っているので注意が必要ですが、特に必要無ければコストパフォーマンスの高いレンズとなりそう。
発売日に購入した私も全体的に同じ見解です。オートフォーカスはAF-C限定でもう少し肯定的な評価になると思いますが、テレコン非対応など機能性の低さは要検討。
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