EOS HDが正式発表されたばかりのソニー「α7S III」について第一印象を語っています。多くの点で改善が施されたカメラですが、宣言していた「革新的なカメラ」では無かった模様。「悪く無いけど、期待していたものとは少し違う」的な
多くの改善点があるが
- 前回のα7S IIから5年後、新しいモデルは、何年も待った10Bit撮影に対応し、いくつかの点でソニーが競合他社に追いついた。
- パナソニック「LUMIX GH5」は2017年の時点で10bitに対応している。それは3年前の出来事だ。
- そして、我々はソニーがメニューを再設計するのを、さらに長い間待っていた。結果的にα7S IIIでは、パナソニックや富士フイルムスタイルのメニューを実装したが、美しいデザインには見えない。
- ソニーα7S IIIは「革命的」「すべてが新しい」カメラになると宣言されていた。しかし、私はα7S IIIを見て「すべてが調整された カメラ」のようなものだと思う。
- しかし、私は新しい4K 120p連続撮影(S&Qに限定されず、10Bitで30分まで)に対応する効率的な最新のプロセッサが好きだ。
- 改良点として、「より良いEVF」「より高速な裏面照射型CMOSセンサー」「改善されたコントロール」「新しいメディア」「より大きなフルサイズHDMI」「4:2:2 10Bit コーデック」「H.265オプション」などがある。そしてもちろん、それらを操作する新しいメニューがある。
- しかし、噂情報として期待されていた次世代のカメラではない。高度なクワッドベイヤーセンサーでは無く、解像度は1200万画素のままである。当然ながら8K録画には非対応だ。
- それに内部記録のRAWコーデックもなければ、内蔵の電子NDフィルターもない。さらに4K 120fpsには小さなクロップがある。
- エルゴノミクスに基づいたデザインはα7R IVを忠実に踏襲しているので、ハイブリッドな使い方に革命は無く、より冒険的なデザインでもない。静止画カメラとしてのデザインが多い。とは言え、このカメラはGH5 / S1Hスタイルのバリアングルモニタを搭載している。
- 幸いにも、4K 120p内部記録は全画素読出しであり、スペックシート上ではEOS R5よりも優れているように見える。
- 熱管理の観点から、このカメラはひとまず成功しているように見える。しかし、このカメラの販売に関わっていない人による実戦テストが必要だ。そのレビュー次第ではキヤノンのEOS R5やR6より、プロにとっては頼もしい選択肢になるかもしれない。
- 0.9倍という巨大なファインダー倍率を持つ944万ドットのEVFも大歓迎だ。これはGFX 100のEVF(倍率0.86倍)とサイズやディテールが似ている。
- あまり歓迎出来ない点は、再生モードにおける動画クリップの画質と、日付の入ったXAVCプライベートフォルダ構造だ。
- 価格設定に関しては、コロナ禍の中で価格を下げずに上げるのは少し残念だ。ソニーは4000ドルに近いカメラと、3000ドルの広角ズームを売ろうとしている。これはほぼプロ用撮影機材の領域だ。プロの映像製作者はこのような価格に慣れているが、ハイブリッドカメラのアマチュアにとって、この価格設定を飲み込むのは難しい。
- 実際、食物連鎖のトップに位置する映像製作者でさえも、コロナ禍で仕事がなくなったり、プロジェクトがキャンセルされたりするのを目の当たりにしている。当然、カメラの売り上げは必然的に下がるだろう。
- 個人的な見解では、10bit V-Logに対応したPanasonic LUMIX S1やFUJIFILM X-T4の方が、多くの人にとってお買い得だと思う。
- 実際、ソニーはα7 IIIをリリース以降、魅力的で手頃な価格のフルサイズカメラを出していない。
- 非常に多くの改善点があるものの、まだカメラの「魂」が欠けていると思うし、どちらかと言えば業務用機材のように見える。
- より触覚的なコントロールとジョイスティックは歓迎でき、大型バッテリーやグリップも扱いやすい。
- メニューシステムの更新も大歓迎だ。しかし、なぜこれほど時間がかかったのか、α9 IIやα7R IVに間に合わなかったのか不思議だ。従来機をアップデートし、今後登場するカメラと統一していくことを望む。
- 新しいメニューシステムはきちんとしているが、個人的に美的感覚を刺激するものではない。
16ビットRAW外部記録 - しかし、何に?
- フルサイズのHDMIポートをカメラに搭載することは賢明な判断だ。これには外部RAW出力が約束されている。
- しかし、現在のところHDMI経由で16bitのRAWデータを取り込めるレコーダーは存在しない。ソニーが独自に発表するのだろうか?
- 私はまだ巨大な外付けレコーダーが好きでは無く、内部記録に対応することを望んでいる。
- 今のところ私はRAWを愛しているが、10bit Logは実用的な代替手段としては素晴らしいものだ。
新しいコーデックオプションとALL-INTRA
- SD/CFExpressカードのハイブリッドスロットに挿入する新しい小型のCFExpressカードとともに、ついにALL-Iの10bit記録とロングGOPが可能となった。
- 紛らわしいことに、ソニーはH.265のためにXAVC-HSのような無意味なXAVC用語を作り出した。
- 静止画用のHEIF 10bit 4:2:2・4:2:0のファイルフォーマットのオプションが、古い8bit JPEGに加わった。これでいよいよスマートフォンカメラ市場に追いついた!
位相差検出AFオートフォーカスをA7R IV標準に
- 10bitだけが旧型α7S IIとの違いでは無い。オートフォーカスシステムはソニー後期型ミラーレスと同等のスピードとなった。これは非常に歓迎すべきことだ。
- ハイブリッドオートフォーカスは撮像素子の92%をカバーし、位相差AFで759点、コントラストAFで425点を使用する。瞳検知AFと動物瞳AFの両方を搭載し、従来よりも被写体との距離が離れた状態で検出できるようになっている。
- 低照度時のAF感度は-6EVまで低下する。
5軸IBISの小改良
- 5.5段分の補正効果で、動画用のアクティブモードを搭載している
- これにより、パナソニックGH5やS1Hの優れたボディ内手ぶれ補正の性能に近づけることが可能だ。
まとめ
α7S IIIは、5年に渡る技術の進歩の中で、多くの変化があったことを物語っている。α7R IVのようなスチル向けカメラで手に入れた多くの変更点を吸収しつつ、ビデオグラファーからの多くのフィードバックを取り入れた賢明な製品であると思われる。
しかし、α7S IIIにおける真の顧客は、マルチメディアを提供するハイブリッドコンテンツクリエーターである。静止画だけを撮影する人は、富士フイルム GFX 100やソニーα7R IV、ニコンD850ののようなカメラが適しているだろう。
動画のみを撮影する人は、α7S IIIにとても満足するだろうが、高価な撮影用機材の選択肢も考慮する必要がある。10Bitの面でパナソニックや富士に追いつくため、ソニーやキヤノンは長い時間がかかったが、4K 120p 10bitは、キヤノンEOS R5に比べてはるかに優れていると思われ、他のミラーレスカメラではまだ実装していないものだ。
とのこと。
EOS HD的には評価できる部分とできない部分が混在しているようですね。
個人的には改良されたメニューシステムやファインダー、そして超音波除塵ユニットの復活には期待しています。他の機種でも継承して欲しいところ。
動画の観点から見ると、目新しいスペックでは無く、ボディサイズを維持しつつ堅実な4K動画として機能するカメラに仕上がっているようです。とは言え、良好な画質の4K 120pや豊富なソニーEマウントレンズラインアップが使えるシステムとしては魅力的な1台と言えるかもしれませんね。
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