PhotographyBlogがソニー「α7S III」のレビューを掲載。「低画素である以外に欠点が見つからない」と大満足の評価となった模様。「ソニーαで最も正確な色再現」と新しい仕上がりについても言及しています。
この上ない低画素モデル
PhotographyBlog:Sony A7S III Review
外観・操作性
- ほぼ全ての面でオーバーホールを遂げた第3世代だ。一見無制限に見える4K 10Bit 120p、バリアングルモニタ、明るいEVF、USB-C充電対応の大容量バッテリー、SDとCFexpress B対応のデュアルカードスロット、新メニューレイアウト、新しいタッチ操作、フルサイズHDMI…。そしてリストは続く。
- 非常に高い価格設定にも関わらず、このカメラで何が出来るかを考えると合理的な値付けに見える。
- これだけの機能を備えたカメラにも関わらず、驚くほどのコンパクトさを実現している。マグネシウム合金ボディにバッテリーとメモリーカードを装着した状態での重さはわずか699gだ。
- このテストのために用意した「FE 24-70mm F2.8 GM」は重量感のあるレンズだが、余裕のあるハンドグリップのおかげでα7S IIIは非常に持ちやすく感じている。
- ボディの密閉性が向上しているので、悪条件の中でも頼りになる。また、新しい「放熱」設計を採用している。
- コントロールレイアウトは論理的に配置されている。上部には撮影モードダイヤル、2つの露出ダイヤル、露出補正ダイヤルがあり、ステータス液晶モニタは無し。露出補正は、ダイヤルが0に設定されていれば、メニューから変更することも可能だ。
- 背面のタッチパッドは、主にオートフォーカスエリアの操作に使用される。
- カスタムボタンも豊富にあり、α7S IIIを使いこなせば使いこなすほど、ますます便利になるだろう。このようなカメラでは、ショートカット用のボタンがあればあるほど大歓迎だ。全体的に見て、これ以上のレイアウト改善を望むことはない。
- α7カメラとしては初めて3.0型144万ドットのバリアングルタッチモニタを搭載した。不思議なことに、「SONY」ロゴは、モニタを側面へ展開中は文字が逆さまになってしまうデザインだ(第一世代のApple製ラップトップを覚えているだろうか?)
- 動画中心のカメラであるにもかかわらず、α7S IIIのディスプレイは4:3のアスペクト比だ。16:9に最適化されておらず、16:9のアスペクト比で使用すると表示が小さく感じる。
しかし、どのような照明条件でも大部分で明るく見え、リアルタイムトラッキングAFは非常に信頼性が高いため、シャープなフォーカシングを確認するために近くで見る必要は無いかもしれない。- アクティブな映像製作者は、少なくともディスプレイサイズを大きくするために、外部モニターが必要になるだろう。
- 外付けレコーダー出力で最大60pの4K 16Bit RAW動画に対応している。
- フルサイズのHDMIポートを介してα7S IIIに直接モニターを接続することが可能だ。商品にはケーブル保護ブラケットが含まれている。
- ありがたいことに、タッチパネルはフォーカス操作に加えメニューのナビゲートを含む完全なタッチ機能に対応した。
- メニューは多くの機能と調整を含む51ページから成る。複雑に見えるが、3層構造で論理的な色付けとセクションに分かれており、探している機能を直ぐ見つけることが可能だ。
- タッチスパネルに加え、倍率0.9倍、解像度944万ドットと非常に巨大なEVFを内蔵している。120fpsのリフレッシュレートと、視界を埋め尽くす明るくクリアなディスプレイで、本当に素敵なファインダーだ。
- α7S IIIの左側面には、4つのポートドアがある。必要なポートだけを開け、他のポートを保護できるのは本当にありがたい。他のカメラでストレスが溜まるカバーのバタつきも無い。
- ポートには、ヘッドフォンとマイクのジャック、Micor USBとUSB-C、そして前述のフルサイズのHDMIがある。外部モニターに接続する人にとってフルサイズHDMIポートは朗報だ。
- センサーシフト式の5軸手ぶれ補正は、写真撮影時にオンまたはオフ、動画撮影時には「標準・アクティブ・オフ」のいずれかを選択可能だ。レンズにもよりますが、静止画では最大5.5段分の手ぶれ補正を主張している。
今回使用した24-70mmのレンズを50mmに設定した場合、1/6秒と3段分の補正効果でシャープな写真が安定して撮れるが、これ以上は手ぶれ補正に頼ることができなかった。他のレンズや状況とは異なる場合があるかもしれない。- 動画用のアクティブ手ブレ補正はかなり良好だ。歩行時の振動は少しあるが、比較的スムーズなラン&ガン映像を得ることができる。
カメラを持って歩いているとき、広角四隅のゆがみは本当に見られなかった。
全体的に、手ぶれ補正はスムーズな動きで頼りになるが、α7S IIIでより極端な動きをする場合、やはりジンバルを選ぶだろう。- 4K動画記録は包括的で、10bit 4:2:2で最大120fps、ピクセルビニングなしの全画素読み出しで280Mbpsだ。このタイプのカメラではあまり見たことが無い仕様だ。
- 4K 60p ALL-I 600MbpsやFull HD 120fpsにも対応している。
- 特に注目すべきは、最新のBIONZ XRプロセッサー(BIONZ Xプロセッサーの最大8倍の処理能力)と、フレームの93%をカバーする759ポイントのハイブリッドオートフォーカスシステムだ。
- 写真撮影では、基本的にはメカシャッターでも電子シャッターでも、追従AFで10コマ秒までの無制限の連続高撮影が可能だ。RAWでもJPEGでも、カードが一杯になるかバッテリーがなくなるまで撮影を続けることができる。
- 10コマ秒の連続撮影では、奥行方向に移動する人物の動きを追ったところ、すべてのショットでピントがシャープに合ってた。
さらに、被写体が素早く飛び出してくるようなテストでも、オートフォーカスは問題なく作動する。
リアルタイムトラッキングAFは、被写体の顔がカメラから離れても、また戻ってきても接着剤のように粘ってくれる。
つまり、本当に速いプロセッサに加え、応答性が高い¥く、信頼性の高い追従AFを搭載していることが分かる。- α7S IIIは、アクション撮影のための信じられないほど頼りになるカメラだ。最高点である。追従AFはあらゆる面で、静止画と動画において確実な速度と信頼性を備え、被写体の追従、人間と動物検出は信じられないほど良好だ。
- AFの切り替え速度は、7段階の速度調整が可能となっている。特に、ソニーのAFシステムではフォーカスが早すぎると、動画では不自然に感じてしまうことがある。そのため、この新機能は評価に値する。AFの被写体移動感度も同様、5段階の速度で設定できる。
画質
- 今日のフルサイズセンサーとしては、1210万画素と控えめだ。これは5年前のα7S IIと同じで、この価格帯のライバルカメラの解像度と比べて2分の1から4分の1である。しかし、新開発の「裏面照射型」センサーであり、特に低照度下での画質の面で改善が見られる。
- ISO80-102,400の広い常用ISO感度を持ち、ISO40-409,600に拡張することが可能だ。
低照度下では、高感度で効果的なオートフォーカスを得ることが出来、期待通りの画質を実現している。- 1210万画素は大きなプリントに不向きだが、発色が良く幅広いダイナミックレンジを備えている。色が改善しているのは、進化したカラーフィルターアレイのおかげだそうだ。
- ソニーαカメラの中でも最も正確な色再現を実現していると感じている。しかし、ポートレートのような特定のシーンでは、キヤノンや富士フイルムなどのクラストップブランドの色再現性の方が良いと感じている。
- 評価測光は、ほぼすべての場面で正確な露出を撮影するために頼りになる。静止画撮影で露出補正が必要になることはほとんど無かった。
- ダイナミックレンジも改善されている。これは、特にポートレートでのハイライトの落ち込みや、ミッドレンジでの諧調に現れている。
- 本当に、画質の欠点は解像度だけのように見える。画素数を制限する具体的な理由は明らかに動画用だからだ。重要な利点の一つとして、ローリングシャッターをしっかりとコントロールできることが挙げられる。我々がα7カメラで見た中で最高のパフォーマンスだ。
- 新設計の1201万画素 裏面照射型センサーはノイズ耐性が非常に良好だ。ISO6400までのイメージは、コントラストの高い部分できれいで鮮明なディテールを維持している。そして、ISO6400の時点で非常に細かいノイズが現れ始める。
- ISO25600では、粒状感がより多いノイズが発生する。ISO 102400でも完全に実用範囲内だが、拡張ISO設定では、当然のことながら、ディテールがトーン的に平坦になり、ノイズでつぶれてしまう。
同じRAW画像とJPEG画像を高ISO設定で撮影した場合、RAWファイルの方がきれいに写っている。- さらに印象的なのは、動画ファイルのノイズに対するカメラの対応力だ。標準カラーモードではISO 2000、ピクチャープロファイルS-Log 2または3モードではISO 16000で、回路が切替わり、ノイズが低減する。
例えば、S-Log 3を使用した場合、ISO 16000はISO 12800よりもノイズが少ない。この数値を知る価値はあるだろう。- 圧縮効率が高いHEIFファイルは、はるかに多くのデータを含んでいても、JPEGよりファイルサイズが小さい。ただし、レビュー時点でHEIFファイルの対応は限られている。カメラ内でJPEGに変換することも出来ない。
すべてのことを考慮すると、α7S IIIは、今日利用可能な最も有能なハイブリッド4K動画カメラだ。最新のBIONZ XRプロセッサ、高速で信頼性の高い追従AF、120fpsまでの4K動画モード、10コマ秒連写の静止画で武装しており、α7S IIIで出来ない事はほとんど無い。
タフで軽量かつ快適であり、そのコントロールは、期待する場所に正確に配置され、どのような状況でも動作する。3,800ポンドの希望小売価格は、パナソニックLUMIX S1HやキヤノンEOS R5に対して厳しい戦いとなるが、4Kの仕様はクラスをリードしている。カメラを最大限に活用するためCFexpress Type Aカードを使用するのが理想的だが、代わりにSD UHS-IIを使用することも出来る。
ソニーは目立つ特徴を持たせる代わりに、実写体験で役に立つカメラを作り上げた。解像度は1210万画素、動画は4Kまでで間違いない。しかし4Kや低画素モデルの市場で、α7S IIIより優れたカメラを見つけるのは難しいだろう。
とのこと。
PhotographyBlogとしては非常に長いレビューとなり、α7S IIIの高い評価を窺い知ることが出来ます。最新センサー・プロセッサーによる高感度性能や高速処理に加え、カメラの操作性や改良されたインターフェース、仕上がりまで全てを高く評価しています。ここまでべた褒めレビューは久しぶりですね。ここ最近登場した「α7C」と比べると雲泥の差となったように見えます。
決して安いミラーレスではありませんが、パフォーマンスを考えると妥当な値付けと感じるかもしれませんね。画素数が低くて問題なければ最高のカメラとなる可能性あり。
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